表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/18

テスト反省会でチート使うべからず

「保体70!」


「88。……へっ」


「くっ! これでどうだ! 数学76!」


「91ですが? ……ぷっ」


「…………最後の切り札ぁっ! 英語88!! だーりゃっしゃーい!」


「95」


「お前チート使ってるんとちゃう?」


 テスト返却日の午後。

 千糸の家で反省会中の僕たちは…………戦っていた。


 何を。何をだとぉ!?

 テストに決まってんだろうが!

 くそ、また届かんかった!


「チートなんて使ってねーよ。言ったろ? 勉強にはチート使いませーんって。それがどうした神田? 神田はチート使えない身を呈して徹夜でワーク終わらせた癖に、早寝早起きを心掛けている俺に負けたとぉ? あっれーおかしいなー?」


「わああああああああっ!!」


「必ず八時間は睡眠をとるようにしている……なんてな!」


「卑怯だぞ! 正々堂々勝負しろ季石千糸────!! …………って、おい」


 見事に乗せられたことは棚に置いておいて。


「──勉強の仕方を教えろ」


「敬語を使いたまえ神田くん」


「教えて下さい」


「様付けすること」


「千糸様」


「良いところ3つ言え」


「すぐ調子に乗るところと、無駄なことでチート使いすぎなところと、全体的にアホなことです!」


「すまん俺が悪かった」


 ……そうだ。勉強法なのだ。

 やっぱり結局のところ、それが重要になってくる。


 千糸はさっきも言っていた通り、早寝早起きを心掛けているし、朝昼晩とトリプルで栄養があるご飯を食べていると聞くし、勉強もそこそこにしつつ、スマホも1日一時間半と決めているそうな。

 何故こんな千糸に、こんなにも模範的である僕が負けてしまうんだ…………!


「ま、普通にゆうとだな……兎に角、沢山書け」


「ってみんな言うけど、沢山書いても全然染み付いてない気がするんだけど…………」


「そう、それだ。沢山書いたところで、勉強にはならないんだよ。神田は見事に聞いてほしかったとこちゃんと聞いてくれたな、拍手」


「な、なんか釈然としない…………で、でも、だったらどうすれば?」


「勉強は大事だぞ、やらないと出来ないしな。だけども、それと同じくらい、それかそれ以上必要なものがもう一つある。何だと思う?」


「えっ……と。うーん、復習とか?」


「違う! 息抜きに決まっているんだ!」


「なっ……!?」


「勉強机の側にミルクティーを置いておくのは基本! その状態で一度に三十分勉強する方が良い! それ以上は集中力が持たないからな。そしてそれが終わった後はぱぁーっと街へ散歩に繰り出す。外の空気をしっかり感じることが重要だぞ。お菓子と小型扇風機は買い込んでおくべし。最後に、安眠枕があれば完璧だ」


「う、うーん!? 果たしてそれはちゃんと勉強が出来るのかな!?」


「──出来る! 実際に実行し、実の物にした季石千糸が宣言する」


「あ、やってたんだ。なら大丈夫かな」


「いいか神田。過酷な勉強に打ち勝つためには、さっきも言った通り息抜きが重要になってくる。人はご褒美無しでは生きられないってのと同じだ。定期テストクラスの勉強に勝つには、さっき言ったやつだけじゃ足りないくらいかもしれない」


「お、おう……!」


「だからしっかり休憩することだ。ただし勉強自体は怠るな。それはもはや勉強ではなく遊びになっちまう」


「良いな……! ところで、千糸はどんな息抜きを?」


「おすすめは街への散歩だな。街には色々あるし、弄ってて飽きがこない」


「なるほど………………ん? 今弄ってって言った?」


「言ったけど?」


「何を弄ったの?」


「街の施設とか、蛍光灯とか、車とか……」


「チートかよっ! やっぱチートかよ! チートで暇潰ししてたのかよ!」


「え…………普通じゃね?」


「普通じゃねえからこうなってんの! 千糸専用じゃないかそんなの!」


「またまたご冗談を……チートは、全ての人の心にあるんだぜ?」


「ねーよ! ないから今まで苦労してんだよチートがっ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ