迷車両で行こう3
「どもども。皆様おはこんばんちは。わたくし、今回の迷車両で行こう案内人。485系の大所帯の一人。クロ481-2003番です。今日は皆様に私たちと同時期に製作された581系・583系さんが主人公です。」
うP主:皆様おはこんばんちは。本日はクロ481系―2003番さんとお伝えいたします。今日の主人公は先ほどクロ481系が言ったとおり、581系・583系です。この車両。お兄さんやお姉さんも知っているでしょう。この車両。国鉄が欲張りに欲張って作った車両である。
「本当。国鉄って考えていることが半分バカとしか言いようがないですね。あっ。国鉄ファンの人ごめんなさい。私がこの番台になったのはJRになってからなので。」
うP主:もう、このパターンやめなさい。迷車両で以降は半分私のせいで先に進まないのだから、さっさと進めるよううP主に言っちゃって。
「・・・あの。それって自分に言い聞かせているんですか。」
うP主:・・・。
「どうしてか。うP主は今何もしゃべりたくないみたいなので、私が進めます。581系・583系は昼も夜も使えるということで製作された国鉄車両です。鉄道が昼夜問わず動いているということは皆様知っての通りですが、本当に休まない車両が彼らです。」
うP主:なぜ彼らが製作されたかと言うと、当時国鉄は全国に特急ネットワークを広げるために、昼の特急用485系。夜の寝台特急用20系を大量に製作。この結果、国鉄が所有していたほとんどの車両基地はパンク。つまり、これ以上車両を入れられない状態になった。ここで国鉄は考えた。「昼も夜もこき使える車両ができたら、車両が車庫に引き込む時間が短くなる。それに寝台特急には機関車交換の手間が省けるのではないか。だから、そういう車両を作っちゃえばいいんじゃね。」
「というわけで581系が製作された。その車体はとてもダイエットなんて言葉は通用しない格好。私485系よりもさらに太っていた。」
うP主:その原因は車内を投じオーソドックスだった3段寝台にしたため。485系の車内を3段寝台にすると、恐らくどうやって寝台に入ればいいんだよぐらいの幅しか取れないため、トンネルや駅にギリギリ当たらないぐらいまで大きくしたからだった。そして、581系には特徴がもう一つあった。何と特急列車でありながら、座席は急行列車。分かりやすくいうと、4人が向い合せ。ボックスシートだった。と言ってもこれは座席が夜寝台になるということでどうしようもなかった。
「特急列車のくせに急行列車って。中にはボックスシートの切符全部買って、「ここ俺の席だ」って言った迷惑な客。いたのかな。」
うP主:いたんじゃない。というわけで、581系は九州方面に向かう列車。夜行列車には「月光」に投入され、彼らは「月光形」と呼ばれるようになる。そして、その活躍ぶりを見た国鉄は581系を東日本にも投入させようと思った。だが、ここで問題が一つあった。皆さんご存知の通り。東日本と西日本は電気の周波数が違う。581系は西日本向けだったため、東日本に入ることは当然できない。どうすればいいのだろうか・・・。何のことはない。対応させればいいのである。というわけで、東日本の周波数。50ヘルツに対応した583系を投入。なお、彼は兄貴分の581系と違って、電気さえあればどこにでも走って行くことができた。
「そこは私と同じだね。」
うP主:でも、485系も583系も碓氷峠に行けないことには変わりない。
「・・・そこには私の弟分の489系が・・・。」
うP主:演説はそこまで。こうして電気さえあればどこにでも行くことができた583系。JRになると581系・583系はある問題を抱えていた。それは老朽化。なぜ、こんなに早い。何のことはない。こき使いすぎたのだ。彼らの1日の走行距離は900キロを越す運用まであったほど。それほど長い距離を走れば、車のタイヤの溝が早くなくなるのと同じことが起きる。つまり、老朽化。車庫にあんまり引き込まらなかったのが原因で、485系よりも老朽化が進んでいた。さらに、彼らは保線区からの嫌われもの。なぜかって。ダイエットができないからよ。
「ダイエットができないのは交流機器を乗せているからじゃありませんか。」
うP主:それもあるけど、彼らの中で一番重たい車両は「モハ580形」。「モハ582形」なんだけどね。彼らの体重は何と50トン。
「うわぁ。アフリカゾウ・・・。」
うP主:ゾウと比べるな。そのおかげで、10両編成にもなると編成全体で500トン。貨物かお前はというぐらいの重量。元からダイエットができる車両ではなかったため、そんな車両が頻繁に来たら、軌道が「イターイ」っていうのは時間の問題。そのおかげで、点検スピードが速くなってしまったのである。
「点検が頻繁になると当然のことながら金がかかる。だから、JR。特に東日本は583系をどんどん重機のエサにした。」
うP主:まぁ、ここ最近まで秋田にいたけどね。
「だが、583系はまだまだ活躍している姿を見ることができる。今年の3月のダイヤ改正で臨時列車に格下げされてしまった「急行きたぐに」。彼はまだ583系で走り続けている。いつになったら重機のエサになるのだろうか。」
ピンポーン、パーン、ポーン。「クロ481系2003番。至急工場に来なさい。」
「えっ。そんな・・・。」
うP主:583系が重機のエサになる前にお前が重機のエサになりそうだな。
「ちょっと・・・うP主さん。助けて・・・。ギャアァァァァァァァァァ。」
「うP主さん。」
うP主:!?
「ちょっと私にもひとこと言わせてもらっていいですか。」
うP主:いいよ。
「さっきも臨時運用でまだ走ってるって言ってたけど、それってイコール需要が減っているっていうことだよ。その改正の前は定期列車だったんだからね。ボックスシートはもう連結してないんだけど、3段寝台を体験したかったら早く乗りに来てね。私も長くないから。」
うP主:分からないよ。あのマジックカードが発動している限り、お前に魔改造を・・・。魔改造ほどじゃないか。改造を繰り返すと思うね。ワラワラ。
「そうなってくれるとありがたいね。ワクワク。」
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