第1幕(前編) 事故
どうも、物語作り大好き小僧です。文章を書くのは初心者なので、全然ダメな所もたくさんあると思いますので悪しからずよろしくお願いいたします…。
木の葉舞い散る秋の夕暮れ、
「……あーあ、どうしよう。」
僕は誰もいない公園のベンチの上に座って、そう呟いていた。
…誰もいないといっても、ただ単に今たまたま誰もいないだけなのだが…
遠くからピーポーピーポーと、真っ白なボディに赤いラインをはしらせた救急車が走って来て、この公園の北側にある噴水の近くに止まった。その周りに人だかりができる。僕はそんな光景を眺めていた。
「…はぁ」
溜め息。すると、
「だから忠告したのに…」
という声が聞こえてきた。
「…夢花《ゆめか》か…」
向こうから黒髪ロングな幼馴染がやって来る。
「あのさ…一つ質問。」
「なんでしょう。」
「なんで見えんの、」
「何が?」
「決まってんだろ…」
「…なんで僕が見えんだよ。」
僕=二岡 啓介(ふたおか けいすけ)
年齢14歳
道端中学(どうたんちゅうがく)二年生
好きな物 本 りんご
そして、
今さっきダンプカーに轢かれた人
「僕、死んだんじゃないのか?」
×
走馬灯と言うものを僕は信じないが、見てしまったものはしょうがない。僕は数時間前確かに教室の黒板から見て右前側の一番隅っこの席で、弁当を食べていた。時間はもう昼休みの時間に入っていて、クラスメイトのほとんどが、外に行ったり、図書室等に行っている。
教室の中は僕を含めて六人だ。
「啓介メシちゃんと食ってるかぁー?」
どんっといきなり背中を叩かれた。むせる僕、
「…げほっ……なんだよツヨシ、食事中なのが分からないのか?」
ツンツンヘヤーの友人、多田 剛《ただ つよし》を睨む、
「すまんすまん、いつものノリでつい、」
「…ったく。」
ツヨシは僕の小学校からの幼馴染だ。いつもちょっかいを出してくるが、根は良いやつだ。
「…にしてもなぁ、」
「(もぐもぐ)なんだよ、」
「お前でかくなったなぁ…」
「ツヨシ…お前今学期に入って何回目の台詞だ?」
「さあねっ!」
「アホ」
「だはは!!」
「…(もぐもぐ)」
…まぁ今はこんなにもおっちゃらけているが、昔、僕がイジメに遭っていた時助けてくれて、運動神経も良いのでそれなりにあこがれていたやつでもあるのだが……この歳で言うのもなんだが、人生って分からないものだ。
「…そういえばさぁ」
「今度はなんだ。」
ツヨシは、僕の席とほぼ反対側の席の女子を小さく指差した。
「夢花のことなんだけど、」
「……」
そうだ…、幼馴染といえばあいつもそうだったな…
流れるように美しい長い黒髪とそこにくっついている紙風車のような髪飾り、整った顔立ち、誰もが見惚れてしまうザ・ジャパニーズガールな彼女の名は、篠川 夢花《しのかわ ゆめか》、ツヨシよりも早い、幼稚園からの幼馴染だ。彼女の実家はお寺さんらしく、僕も前遊びにいったことがある。…けど、
「…あいつがどうかしたのか?」
「…いや、」
夢花と僕は小学六年生の頃から仲が悪い、…いや、正確には、ある日から夢花は僕と距離を取るようになったのだ。
「…ふん、」
「なぁ、啓介…」
「なんだよしつこいな、」
「…お願いだから夢花と仲直りしてくれよ…」
「はぁ?ツヨシ、僕があいつに何かしたか?あいつは勝手に僕らから離れたんだ、だからあいつが悪い、」
「……」
「……」
気まずい空気が流れる、
「……っ。」
僕だって昔のように仲良くしたい、とは言えなかった。言葉がつまった。
「…くそっ。」
僕は残りの弁当をかき込んだ。
「そんなに気になるんなら夢花と恋人同士にでもなっとけ、」
僕はいそぎ足で教室を出た。
「啓介…」
ツヨシの声が聞こえたが、無視した。
イライラする。なんかむしょうに腹が立つ。
あぁ!畜生!!
×
「…ほんと、素直じゃないなぁ…」
啓介に取り残された俺はそう呟いた。