↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/46

吸血の作法。

火照った体をどうにか冷まそうと、俺はしばらくトイレに籠もった。


あれが正式な血の舐め方なのか?

てか正式な血の舐め方って何?

噛んで飲む時も、あんな感じなのかな…?


考えれば考えるほど、よくわからなくなってくる。



なんとか冷静さを取り戻した俺は、2人のいるリビングに戻った。



月「こーくん、痛かった?ごめんね、大丈夫?」


光「いや、痛みとかは全然…大丈夫なんだけど…。」


光「…あのさ、首から直接血を飲む時も、あんな感じで飲むの?」


月「あんな?うん、まあそうだね。」


月「えっ、なんか、変だった?」


光「変かどうかはわからないんだけど…変になったって言うか…(俺が)」


月「普通の食事の作法とは違うかも知れないね。血を直接いただくわけだから、感謝とリスペクトの気持ちを表現するようにはしてるよ。」



感謝とリスペクト?

ハァハァ言ってたけど…?



光「血が主食って、大変だなとは思うし、俺の血が美味しいのはまあ…不本意ではあるけど…。」


光「そんなに美味しいなら、どうにかしてあげたいなとは思ってて…。」


月「ええっ、こーくん…!」


月城くんは両手で口を覆い、大きな瞳をキラキラと輝かせた。


光「でも、正直、首に牙でかぶりつかれるのは、怖い。」


光「見せてもらうことは出来ないの?」


光「緋美くんの血を、飲んでるとこ」



月「えっ!」


月城くんは視線を左下に落とし、少し考えてから、


月「…弟のを飲んでるとこ、見られるのって、なんか恥ずかしいなぁ…。」


緋「変態すね先輩。」


光「えっ!感謝とリスペクトの食事でしょ?!」


月「そうだけど、なんか僕、夢中になってハァハァ言っちゃうし…。」



自覚あるんだ。



月「倫理的にも…ダメでしょ、弟のなんて…。」



いやその倫理観はわからんけど…。



月「まだお風呂にも入ってないし…」



ふ、風呂?!



緋「俺は見せても良いと思う。」


月「緋美…!」


緋「しーちゃんに血を吸ってもらえることに感謝できない奴が、しーちゃんに血を吸われる資格はない!」


緋「怖気付いて帰ればいい。」


月「緋美は本当に、優しい弟だなぁ…」



優しさ…なのか?



月「折角こーくんが、僕に吸われること考えてくれてるし、僕も無理やりは気が引けるから…じゃあちょっとだけ。」


月「自分だったらって、イメージして見てて。」


光「…うん、わかった。」



月城くんはさっき俺にしたように、緋美くんの膝に跨ると、首の絆創膏を剥がした。


そして、緋美くんの首筋を、



ツ──…



ピンク色の長い舌で、何度も舐め上げる。


光「ちょちょちょ!待って…!それなに?!なんで首舐めてるの??」


月「えっ?噛むからだよ?」


月「こうしてから噛むと、痛みも和らぐし、傷の治りも早いらしくて」


光「そうなの?!」


月「うん、緋美がそう言ってた。」


月「だから、いつもはお風呂上がりに飲むことが多いんだ。」


月「ちなみに、この跨りスタイルも、緋美におしえてもらったよ。吸われるのに、一番楽な姿勢なんだって。」


光「へ、へえ…」


緋「…….。」



緋美くんは俺と目を合わせないように、黙って顔を逸らしていた。



月「じゃあ、続けるね…。」


月城くんは、更に緋美くんの首筋を、何度も丁寧に舐めあげた。


一方の緋美くんは顔を赤らめ、眉をひそめて目を閉じ、何かを堪えるように声を殺していた。



月「そろそろ、いいかな…もう我慢できない…」


月「緋美…。(心の)準備できてる…?」


緋「うん、いいよ。しーちゃん。来て…。」



その会話要る?!

いちいちなんなんだよ…。



月「いただきます…」


と言った次の瞬間、月城くんは薄くて紅い唇を大きく開け、鋭い牙で緋美くんの首元を、噛んだ。



緋「あっ……。」



緋美くんの顔が、苦痛で歪む。


やっば痛いんじゃん!!

『唾液が万能薬』みたいな設定どこいった!



月「.…ジュルッ…ジュルッ………ハァッ…!」

月「ハァ…美味しいよ…緋美……!」



これは、感謝とリスペクト。

感謝とリスペクト、だよな…。



緋「あっ…!しーちゃん!!しーちゃんっ…!!ああっ…!!」



で、これは、何…?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。