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緋美の謎。

月城くんの家に着くと、

お母さんが出迎えてくれた。


母「日向野くん、いらっしゃい。また来てくれてありがとうね。ゆっくりしていってね!」


光「あ、ありがとうございます!おじゃまします…」


月城くんのお母さんは美人だな…でも月城くんよりも緋美に似てるかも。


性癖が歪んでるし性格が終わってるから気付かなかったけど、緋美は黙ってたらそこそこモテるだろうな。


緋「書斎はこっちっす。」


緋美が案内しようとすると、


母「えっ、あなたたち、書斎に行くの?」


月「うん、ちょっと調べたいことがあって。」


母「……書斎は埃っぽいし、カビ臭いから、心配だわ、辞めておいた方が良いんじゃないかしら…」


緋美みたいなわかりやすい止め方!

お母さんも何か隠してる??


月「マスクをして入るから大丈夫だよ。」


お母さんが不安そうに見送る中、俺たちは書斎に入った。



──書斎は俺の部屋の倍はありそうな広さで、古い机と椅子、見上げるほど高い本棚が五つもあり、棚には隙間なく古い本が並んでいた。

本当に埃っぽく、マスクをしていても少しカビ臭かった。



月「多いな…さて緋美、一族についての文献はどこにあるの?」


緋「えーっと、どこかなぁ、忘れちった…。とりあえず探してみよう。」


何が「忘れちった」だよ。

最初からなんも読んでないだろ。

見つからず有耶無耶になればいいと思ってるな?


そうはさせない!

俺が本当の吸血の作法を見つけてやる!



俺は片っ端から本を開き、それらしいことが書いていないか探した。


古い洋書が多く、翻訳しながら読み進める必要があったので時間はかかったけれど、ある程度読んでいくと、カテゴリー別に本棚を分けていることがわかってきた。


光「この棚は趣味で集めた本だけっぽいな…花の飾り方や戯曲について、世界の名所とか、体質がわかるような本は無い。」


光「こっちの本棚は…」


光「あっ、これアルバムじゃない?!」


そのアルバムには、幼い頃の月城くんの写真が収められていた。


緋「うわっ!生まれたてのしーちゃん!かっ、かわいい!!!」


光「本当だ!天使だ!天使は実在した…!!」


緋「ああっ!ハイハイしてるしーちゃん!!可愛すぎる!このフィギュアあったら100万でも買う!!」


光「この写真、犬歯だけ生えてる!なんで犬歯から生えるんだ?!子犬みたい!育てたいすぎるだろ!!」


俺たちは文献そっちのけで幼い月城くんの可愛さに夢中になってしまった。


月「も〜2人とも〜そんなのいいから、探してよ〜」


光「ごめんごめん、でももう少しだけ…」


光「あ、これ緋美?やっぱりお母さんにそっくり…」


えっ?

そっくりだけど、なんか、お母さんが…


違くない?


緋美にソックリなその女性は、緋美と同じ場所に涙ぼくろがあり、背もお母さんより少し高く見えた。


緋美の赤ちゃんの頃の写真はその一枚しかなく、明らかに月城くんの写真より少ない。


次のページにはもう2〜3歳くらいの2人と、今のお母さんと、3人で映っている。


緋美もその違和感に気づいたらしく、


緋「……しーちゃんの体質の謎を解き明かすつもりが、俺の出生の謎が深まっちゃいましたね…。」


光「ま、まあこの件は後回しにして、一族の文献を探そう!ねっ!」


月「……。」



俺たちはしばらく無言で、本を開いた。




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