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緋美の慟哭。

緋「先輩!!」


 「やったんすか!?」


光「えっ!やっ!?ちょっと!ないない!!」


緋「じゃあ、その絆創膏は??」


光「あっ、血をあげたかってこと??

  それはその…一口だけ……」


光「でも、儀式とかしてないから!俺はお前みたいになってないから!」


光「カプッと噛んで、チューッと吸っただけだし!!」


緋「ああああああ!!その擬音ムカつく!!!」


光「いやいや、ただの食事じゃん。」


緋「………本当にそれだけですか?」


光「えっ」


手も繋いだし唇と唇でキスしたし抱き合って寝た。


…なんて言ったら緋美、息の根止まるだろうな。


あー…思い出したらまたドキドキして来た…!!



俺が顔を真っ赤にして黙ってしまったので、


緋「あああああ!!!ぜえったいいああああ!!!なんかあったああああああ!!!!!」


絶叫と共に慟哭し、緋美の目は更に腫れた。


月「楽しく過ごしただけだよ。それより緋美、僕は帰ったら自分のルーツや、体質について調べようと思ってるんだ。日中にもっと、活動できるようになりたいから。」


月「書斎に文献や古文書があるって言ってたよね?」


 「どれだか教えてくれる?」


緋美はピタリと泣き止んで、

みるみる真っ青になっていく。


緋「……古書は解読が難しいよ、しーちゃんが読んで…わかるかなぁ…。あ、それに書斎は埃っぽいし、カビ臭いし、しーちゃん耐えられないんじゃないかなあ。」


月「マスクしていくから大丈夫。解読難しかったらその場で緋美が教えてよ。」



ふっ…詰んだな……

俺は緋美を生温かい目で見つめた。



月「こーくんも協力してくれるよね?」


緋美に仕返しできるチャンスだし、吸血一族の書斎なんて、めっちゃ楽しそう!


光「もちろん!俺は静夢にとって世界一血の美味しい童貞男。吸血の作法や儀式についてもちゃんと知っておきたいし、喜んで協力するよ!」


月「こーくん…!」


月城くんは胸元で両手をぎゅっと握り合わせ、頬を桜色に染め、潤んだ瞳で俺を見上げた。


一方の緋美は、顔面蒼白で、死んだ魚のような目をしていた。


緋「なんすかその伊達男みたいな言い方…ただの非モテ男子のくせに、俺はしーちゃんのために純潔守ってるんすからね!」


緋「告白されても断ってるし!!」


光「あ、そう言えば俺もラブレター的なものもらった。」


光「返事する前に振られたけど笑」


月「あははっ!僕と抱き合って寝てたの見られちゃったからね!」


光「ちょっ…!静夢…!!」



緋「ッはあぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ???!!!!!」


緋「一回捕食されたくらいで、もう第一食料気取りっすか?!?!」



第一食料?第一夫人的な??




緋「…いいっすよ…こうなったら…俺も……」


緋「書斎に行って、しーちゃんのこと調べます。」


緋「先輩も絶対に来てくださいね!!」



俺が来た方が都合悪いだろうに、なんか怖いな……



光「わかった、じゃあ明日土曜日だから、夕方から行くよ。朝までかかってもいいように。」


緋「臨むところっす!!」


何この気合い。

果たし合いでもする気か??



──嫉妬に狂った緋美の捨て身の計画を

この時の俺はまだ知らなかった──



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