【微笑】⑨子育て編
視点:小鹿・ドS:連歌
時期は、結婚後……蓮美が生まれた頃?
連歌は久々に仕事が休みで、本日はのんびり。
遊び相手の羊二さんが忙しいので……特にすることがないみたいだ。
「よっと。」
ドキッ……イスから立ち、私の方に向かってくる。
ドキドキ……まだ、家事の途中なんだけど……どうしよう?
待ってくれるかな……けど、久々の時間だし。
「小鹿……」
ドキドキ……
「何?」
「蓮美は、どこですか?」
……
「部屋で寝てる……」
連歌は笑顔で、私に背を向けた。
【ガァ~~ン】
なんだろう?この、寂しいような……イラッとするような!!
けっ!!掃除がはかどっていいわ。
ふん……いいのよ。蓮美が大きくなったら、いろんなことを吹き込んでやる!!
……考えたら、私より蓮美との時間のほうが少ないのよね。しょうがない……か。
優しいお父さん……意外な一面だわ。そのうち、蓮美が年頃になったら……ふふ。
連歌は蓮美に振り回されそう♪楽しみだなぁ~~
【ガチャッ】
ドアが開いて、蓮美を抱いた連歌が入ってくる。
「起こしてしまったけど、大丈夫でしょうか?」
蓮美の無表情に、オロオロ……
【ムカッ】
そんな連歌……見たことない!!くやしい気がする……
「小鹿?」
「ふっ。怒ってるんじゃないの?」
「え!?」
私の言葉に、連歌は蓮美の機嫌を必死でとろうと……夢中……
【ムカカッ】
「蓮美、お父さんのヒザの上に座って。テレビを一緒に見ましょう。」
……掃除が終わった。
一段落……私もテレビを見たいんだけど……二人の様子に孤独感。
「ん?蓮美、寝たのですか?やはり、無理に起こしてしまったみたいです。小鹿?こんな時、いつもはどうするのですか?」
「知らない。その時によって違うし……」
しまった……ちょっと、口調が冷たかった??
連歌は一瞬、表情が固まった。そして、いつもの微笑み……
蓮美を寝ていた部屋に運んで行く。やばい……何だか、やっちまった??
うわぁ~~ん!!恥ずかしい……娘に、嫉妬するなんて!!!
リビングに戻った連歌は、私を見ずにソファーに座った。
「くすす……ふふ。」
……あの、その笑いは何でしょう??
嬉しそうに、私に視線を向ける。両手を広げ……
「おいで……小鹿、俺の愛情をあげます。いっぱい受け取ってください……」
「いらない!!」
予想通りのセリフに、首を横に振った。
私への愛しい視線……そっと近づいてくる。
「小鹿……可愛いですね。ふふ……俺のモノだ。俺の……」
連歌は腰に腕を回し、抱き寄せる。
視線をそらし、弱い抵抗をしてみる。
「小鹿……ね、俺の名を呼んでください。はぁ……昼間から、こんな時間……ふふ。たまには、いいものですね。」
頭や額……目元に頬……たくさんの優しいキスを受ける。
「連歌……」
名を呼んで、視線を合わせた。
連歌が私を見つめる眼は、熱を帯びている。
唇に受けるキスは激しくも甘く……愛しさと幸せとに包まれる。
触れる手は、私を求めているのが分かる。
好き……私の連歌……こんな捕まった状況に、幸せを感じる。
「離さないで……」
「離さない……逃げ道さえ、奪ってやる。小鹿……蓮美は無表情ですが、小鹿に似ています。幼い頃に出会えていたら……」
「連歌……」
「ふふ。俺を求めてください……俺も求めるから。小鹿一人を愛している……俺の対……俺のだ。」
この腕に抱かれ、安らぎを得る……私だけを求めるこの愛に、私も応えて生きたい。
「小鹿?」
「何?」
「……たとえ娘に対してでも、嫉妬が嬉しいです。俺への愛情だ……もっと、頂戴……」
「もう!忘れてよぅ~~。」
紫貴の一言?
この案は、以前からあったものです。やっと書けました。
そんな書けていないエピがポロポロと……出し切れていない状況だったわけですけど(苦笑)
『蓮美5歳』side草樹・登場人物:小鹿・連歌
ある日。俺は、双子の兄の連歌の家に寄った。
「あら、草樹。姫は、相手にしてくれないの?」
「……小鹿、そうなんだよ。10歳……反抗期かな?」
周りから、普通じゃないと言われているんだ。
俺は、それでも……麗彩を束縛し続ける……。
「……落ち込んでるのね。連歌、急に仕事で出たのよ……。上がって、蓮美を見ててくれるかしら?」
「あぁ、いいよ。」
麗彩の面倒をみてきたから、子供は得意だ。
そう言えば、蓮美はあまり相手にしていないな……。
生れた時に、何度か抱いた記憶はあるんだけど。
あぁ、麗彩が嫉妬したんだ。可愛い系の顔だったから……ふふっ。
可愛いなぁ~~麗彩は。早く、16にならないかな。
「……こんにちは……」
いつの間にか、足元で丁寧な挨拶。
「蓮美、こんにちは。」
「こっち……」
……あれ、無表情??連歌の小さい頃に、似ている?
いや、何かが違う気がする。何だ??
リビングに入り、テレビの前のソファーに座った。
蓮美は、俺の前に立つ。
「……何、どうしたの?」
「……だっこ……」
手を差し出す蓮美から、信じられない色気が漏れる。
??!?
思わず、固まった。
「……ダメ?」
首を傾げ、泣きそう……
【ゾクッ……】
一生の相手ではないのに、何かを感じた。
これ、将来……大丈夫なのか??
蓮美の脇に手を入れ、抱きかかえる。
「……ごめん。ダメじゃないよ。ちょっと、驚いただけ……」
上を見つめる眼が、5歳とは思えない。
……あれ、何かがかすった。遠い記憶……??
「ほかほか……」と、微笑んだ。
……。
これ、役員に報告しておこう。
【ガチャッ……】扉の開く音。
「……お、草樹……どうしたのです?」
「あぁ、ちょっとな……連歌、蓮美の色気……やばいぞ?」
「……やっぱりですか??いや、うすうす……欲目なのかとも思ったりしたのです。おかしいですね、誰に似たのでしょう?」
「無表情は、お前だ。」
「……失礼ですね。俺は、表情があったでしょう?」
「いいや、可愛げなかった。」
「……だから、対照的なお前が嫌いだったんです。」
「え??俺のこと、嫌いだったの?!初めて聞いたよ??」
「あぁ、そのうるさい感じが嫌いです。」
「……酷いよう。な、蓮美……お父さんは、いじめっ子だよね♪」
「……くすっ……」
……。
あれ、無表情で……くすっ??
「……な、俺じゃないだろ?」
「……小鹿か?」
「私じゃないわよ!!」
後ろからの叫び声。
3人が蓮美を見つめる。
「……お母さん、昨日……泣いてました。」
「……え?いつのこと……」
「夢の中です……でも、お父さんが嬉しそうな顔でした。」
……。
「そう、そんな夢……忘れようね♪」
コクン……と、うなずく蓮美は、遠い目をした。
不思議な雰囲気だ……
連歌は視線を逸らしている。小鹿は、顔が真っ赤……
あれ?何か、気まずい。
「帰る!!」
ストップがかかる前に、この辺で……。
えと、どうも……紫貴です。読んでくださり、ありがとうございます!!
この度は、こっそり5万PV突破記念です。即席です。
蓮美の話が、近いし……どS の話を書くのも怖いし……とか思いつつ。
(やっと【微笑】短編が終了しました( ノД`)シクシク…)




