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⑫‐D【全シリーズ】感謝短編ほか  作者: 邑 紫貴
12.短編かき集め

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57/75

【微笑】⑨子育て編

視点:小鹿こじか・ドS:連歌れんか

時期は、結婚後……蓮美はすみが生まれた頃?


連歌は久々に仕事が休みで、本日はのんびり。

遊び相手の羊二ようじさんが忙しいので……特にすることがないみたいだ。

「よっと。」

ドキッ……イスから立ち、私の方に向かってくる。

ドキドキ……まだ、家事の途中なんだけど……どうしよう?

待ってくれるかな……けど、久々の時間だし。

「小鹿……」

ドキドキ……

「何?」

「蓮美は、どこですか?」

……

「部屋で寝てる……」

連歌は笑顔で、私に背を向けた。

【ガァ~~ン】

なんだろう?この、寂しいような……イラッとするような!!

けっ!!掃除がはかどっていいわ。

ふん……いいのよ。蓮美が大きくなったら、いろんなことを吹き込んでやる!!

……考えたら、私より蓮美との時間のほうが少ないのよね。しょうがない……か。

優しいお父さん……意外な一面だわ。そのうち、蓮美が年頃になったら……ふふ。

連歌は蓮美に振り回されそう♪楽しみだなぁ~~

【ガチャッ】

ドアが開いて、蓮美を抱いた連歌が入ってくる。

「起こしてしまったけど、大丈夫でしょうか?」

蓮美の無表情に、オロオロ……

【ムカッ】

そんな連歌……見たことない!!くやしい気がする……

「小鹿?」

「ふっ。怒ってるんじゃないの?」

「え!?」

私の言葉に、連歌は蓮美の機嫌を必死でとろうと……夢中……

【ムカカッ】

「蓮美、お父さんのヒザの上に座って。テレビを一緒に見ましょう。」

……掃除が終わった。

一段落……私もテレビを見たいんだけど……二人の様子に孤独感。

「ん?蓮美、寝たのですか?やはり、無理に起こしてしまったみたいです。小鹿?こんな時、いつもはどうするのですか?」

「知らない。その時によって違うし……」

しまった……ちょっと、口調が冷たかった??

連歌は一瞬、表情が固まった。そして、いつもの微笑み……

蓮美を寝ていた部屋に運んで行く。やばい……何だか、やっちまった??

うわぁ~~ん!!恥ずかしい……娘に、嫉妬するなんて!!!

リビングに戻った連歌は、私を見ずにソファーに座った。

「くすす……ふふ。」

……あの、その笑いは何でしょう??

嬉しそうに、私に視線を向ける。両手を広げ……

「おいで……小鹿、俺の愛情をあげます。いっぱい受け取ってください……」

「いらない!!」

予想通りのセリフに、首を横に振った。

私への愛しい視線……そっと近づいてくる。

「小鹿……可愛いですね。ふふ……俺のモノだ。俺の……」

連歌は腰に腕を回し、抱き寄せる。

視線をそらし、弱い抵抗をしてみる。

「小鹿……ね、俺の名を呼んでください。はぁ……昼間から、こんな時間……ふふ。たまには、いいものですね。」

頭や額……目元に頬……たくさんの優しいキスを受ける。

「連歌……」

名を呼んで、視線を合わせた。

連歌が私を見つめる眼は、熱を帯びている。

唇に受けるキスは激しくも甘く……愛しさと幸せとに包まれる。

触れる手は、私を求めているのが分かる。

好き……私の連歌……こんな捕まった状況に、幸せを感じる。

「離さないで……」

「離さない……逃げ道さえ、奪ってやる。小鹿……蓮美は無表情ですが、小鹿に似ています。幼い頃に出会えていたら……」

「連歌……」

「ふふ。俺を求めてください……俺も求めるから。小鹿一人を愛している……俺の対……俺のだ。」

この腕に抱かれ、安らぎを得る……私だけを求めるこの愛に、私も応えて生きたい。

「小鹿?」

「何?」

「……たとえ娘に対してでも、嫉妬が嬉しいです。俺への愛情だ……もっと、頂戴……」

「もう!忘れてよぅ~~。」


紫貴の一言?

この案は、以前からあったものです。やっと書けました。

そんな書けていないエピがポロポロと……出し切れていない状況だったわけですけど(苦笑)




『蓮美5歳』side草樹・登場人物:小鹿こじか連歌れんか


ある日。俺は、双子の兄の連歌の家に寄った。

「あら、草樹。姫は、相手にしてくれないの?」

「……小鹿、そうなんだよ。10歳……反抗期かな?」

周りから、普通じゃないと言われているんだ。

俺は、それでも……麗彩を束縛し続ける……。

「……落ち込んでるのね。連歌、急に仕事で出たのよ……。上がって、蓮美を見ててくれるかしら?」

「あぁ、いいよ。」

麗彩の面倒をみてきたから、子供は得意だ。

そう言えば、蓮美はあまり相手にしていないな……。

生れた時に、何度か抱いた記憶はあるんだけど。

あぁ、麗彩が嫉妬したんだ。可愛い系の顔だったから……ふふっ。

可愛いなぁ~~麗彩は。早く、16にならないかな。

「……こんにちは……」

いつの間にか、足元で丁寧な挨拶。

「蓮美、こんにちは。」

「こっち……」

……あれ、無表情??連歌の小さい頃に、似ている?

いや、何かが違う気がする。何だ??

リビングに入り、テレビの前のソファーに座った。

蓮美は、俺の前に立つ。

「……何、どうしたの?」

「……だっこ……」

手を差し出す蓮美から、信じられない色気が漏れる。

??!?

思わず、固まった。

「……ダメ?」

首を傾げ、泣きそう……

【ゾクッ……】

一生の相手ではないのに、何かを感じた。

これ、将来……大丈夫なのか??

蓮美の脇に手を入れ、抱きかかえる。

「……ごめん。ダメじゃないよ。ちょっと、驚いただけ……」

上を見つめる眼が、5歳とは思えない。

……あれ、何かがかすった。遠い記憶……??

「ほかほか……」と、微笑んだ。

……。

これ、役員に報告しておこう。

【ガチャッ……】扉の開く音。

「……お、草樹……どうしたのです?」

「あぁ、ちょっとな……連歌、蓮美の色気……やばいぞ?」

「……やっぱりですか??いや、うすうす……欲目なのかとも思ったりしたのです。おかしいですね、誰に似たのでしょう?」

「無表情は、お前だ。」

「……失礼ですね。俺は、表情があったでしょう?」

「いいや、可愛げなかった。」

「……だから、対照的なお前が嫌いだったんです。」

「え??俺のこと、嫌いだったの?!初めて聞いたよ??」

「あぁ、そのうるさい感じが嫌いです。」

「……酷いよう。な、蓮美……お父さんは、いじめっ子だよね♪」

「……くすっ……」

……。

あれ、無表情で……くすっ??

「……な、俺じゃないだろ?」

「……小鹿か?」

「私じゃないわよ!!」

後ろからの叫び声。

3人が蓮美を見つめる。

「……お母さん、昨日……泣いてました。」

「……え?いつのこと……」

「夢の中です……でも、お父さんが嬉しそうな顔でした。」

……。

「そう、そんな夢……忘れようね♪」

コクン……と、うなずく蓮美は、遠い目をした。

不思議な雰囲気だ……

連歌は視線を逸らしている。小鹿は、顔が真っ赤……

あれ?何か、気まずい。

「帰る!!」



ストップがかかる前に、この辺で……。

えと、どうも……紫貴です。読んでくださり、ありがとうございます!!

この度は、こっそり5万PV突破記念です。即席です。

蓮美の話が、近いし……どS の話を書くのも怖いし……とか思いつつ。

(やっと【微笑】短編が終了しました( ノД`)シクシク…)






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