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【かぐや】
歌毬夜・保志
バレンタイン……去年は、初めてのチョコを好きな人に渡した。
ちょっと、邪魔が入って……機嫌を損ねちゃったけど……幸せだった。
今年も、そんな一時を味わえるだろうか?
私の周りに、白雪・麗季ちゃん・杏……何だか、今更……気が付いた。
自分の胸に、両手を当てる。
……小さい??杏の胸は、大きく……谷間が見えるほど、制服が開いている。
指定のリボンを、下の方で結んで……フェロモンたっぷり。
麗季ちゃんも、胸が大きいけど……真面目な学校だからか、服の乱れはない。それでも……目立つ。
そして、白雪……クウォーターだから??意外に、胸が……
何だろう?この残念な……淋しい様な……
「歌毬夜、保志が来たわよ??」
慌てて、手を下に……ごまかして笑う。
皆の会話……少し、聞こえたけど。私には、無理な話……
3人は、保志と言葉をかわして行ってしまう。
「歌毬夜、待った?淋しくは、なかった……よね?」
じっ……保志を見つめ、考える。
保志……私の事、嫌いになる?他の胸の大きな子に、目が行かないかな??
呪いで、私だけと言っても……顔の判別が出来ないと言うけど……胸の大きさは、分かるよね??
「はぁ~~。」
大きな ため息が、出てしまう。
「何、淋しかったの?ふふ……イチャイチャ、する?」
イチャイチャ……保志の手が、私を抱き寄せる。
抱き心地……悪いよね??
「……ぐすっ……くすんっ……」
「何!?どうしたの??泣くほどに、何かした??」
私を引き離し、顔を覗き込む。
【キュン……】
愛しい……
「好き……チョコ、今年も……受け取ってくれる?」
私の言葉に、一瞬 表情が固まり、緩んだ笑顔……
「当たり前だろ?他の誰でもない……歌毬夜だから、受け取る。君だけを愛し、求めるんだ……俺の愛情を、疑うの?」
「……私の事、好き?」
「あぁ、好きだ。愛している……俺だけの、かぐや姫……俺に、食べられて?」
「……美味しくないよ?」
「俺が求めるのは、歌毬夜だけなのに……意地悪だね。くすす……」
優しいキスを、何度も私に落とす。
「……はぁ……保志、足りない……もっと、もっと頂戴?私が、特別だと……教えて欲しいの……」
保志の温もりと匂い……触れる唇は、甘く……チョコより甘い。
保志にとって……私も、そうだろうか?
「甘い……俺の対……一生、君だけ……愛しているよ。」
囁く愛に、溶けそうになる……
【子狼】
円華・諷汰
出来ちゃった婚で、去年のバレンタインにイチャイチャ……
今年は、自分に似た男の子を抱いたバレンタイン。
毎日のように麗彩の所にやって来る草樹に……ピリピリしている諷汰……
今年、イチャイチャなんて無理よね?けど……何もしないのも、どうかしら……
諷汰の会社は、お菓子工場……他の会社のを買うものどうかな?
まして、自分の会社のも……手作りには、景彩の世話で時間と余裕が……
「円華?どうかした??」
【どきっ】
考え事をしていて、景彩が寝てしまったのに気付かなかった。
「うぅん!何でもない……景彩は、男の子なのに……大人しいよね。」
話をそらしてみる。
「そうなの?俺、一人っ子だったし……呪いで感情が無かったから……問題が無かったみたいだし。」
……そこが、問題では??
あえて、スルーしてみよう。
「うぅ~~ん。保志と采景なんて、我儘な感じで相当……大変だったよ。」
ふふ……お父さんも交じって、お母さん……苦労してたな。
ふと、麗彩の方を見てみる。
「くすす……麗彩、草樹って言ってごらん。ふふふ……俺の事、好き?俺は好きだよ♪愛してる……お前だけ……他は、誰もいらない。誰も、お前を見なければいい……ね♪」
……。
「草樹くん……あの、娘は幼いんだよ??」
諷汰は、引きつりながら言いにくそうに話しかける。
「くすくす……ん?あぁ、諷汰さん。俺、散歩に出かけようかな?2時間ぐらい……景彩も、連れて行くけど??」
……あの、そんな気を遣われるのは……
「草樹くん、最近……麗彩は、ここのケーキがお気に入りだよ?特別情報だ!行っておいで!!」
……何だか、何かが違うような……良いのかな??
特別な一時……
「円華、一緒の時間……何を思う?」
「ふふ……どうして?」
「……無理に、手に入れたような気がするんだ。」
「くす。ふふふ……ね、キスを頂戴……」
優しく唇を重ね、密着する身体は愛しさの温もりを伝える。
「触れるのは、お互いなのよ。」
諷汰の顔を胸に導き、頬を頭部にすり寄せる。
柔らかい髪を撫で、愛しさが増していく……
「ね……私の愛情で、あなたの感情は増えたのよね?」
「今も、際限なく得ているよ。そうだね……円華が触れる……俺も、感覚を味わう。愛情……俺の対……願ったもの。離さない……愛しているよ。ふふ……草樹くんじゃないけど、閉じ込めて……誰の目にも触れさせたくない……」
「くすす……束縛ね。囚われてあげる……」
『ドライ……』
【七匹目】視点:采景
バレンタインに、専門学校の生徒から『乾燥いちごのホワイトチョコ包み』をしたいと言われた。
天日干ししたイチゴをチョコで包むだけ……イチゴ……苺愛が好きだよね?喜ぶだろうな♪
「苺愛、口を開けて?」
「あぁ~?」
口に入れたチョコに歯を入れた途端、“超”不機嫌。
「苺愛……?」
「乾燥したイチゴは、イチゴと認めない!!」
「じゃ、もらう。」
チョコで包まれたイチゴを、苺愛の口から奪う。
「采景、他の子から受け取らないよね?」
「妬いてるの?」
「キスを頂戴……今はチョコがないけど、甘さをあげる……」
『見ていた』
【嘘つき】羊二・麗季
「麗季、チョコ。」
「あげたよね??」
今日、大学の講義の前に渡したのに……
「くすす……俺、見ちゃったんだ。」
ニッコリ、今までに見たことのない爽やかな笑顔。
【ゾククッ】寒気を感じる。
「な、何……を?」
「俺以外の奴に、チョコ……やっただろ?」
学部が違うのに、どうして知ってるの??
しかも、義理の小さなチョコは不特定多数……
「覚悟は、いいかな?」
「ダメ!ここ、大学の敷地……い、やぁ~~」
『邪なチョコ』
【邪】ケイト・美衣
バレンタインに、女の子たちに囲まれたケイト。
「俺、チョコ嫌いなんだ。」
私の手には、市販のチョコ……
女の子を避け、私の方に向かってくるケイトと目が合った。
思わずチョコを背に回し、隠す。
「くすっ……ね、頂戴。俺への愛情……」
「何のこと?」
とぼけた私を抱きしめ、後ろに隠したチョコを奪い……そっと耳に囁く。
「俺は、美衣のチョコだけで良い。」
「……チョコだけ?」
「ふふっ……美衣も、イタダキマス♪」
『味覚』
【微笑】視点:小鹿
チョコを持って、校内を歩く。
連歌の姿を見つけ、口を開いて……閉じる。
巨乳の女の子?紙袋を受け取り、笑顔を彼女に向けた。
……ムッカ~!!
連歌は私に気づき、近づいてニヤリ顔。
冷静な怒りに、私も笑顔を返す。
「くすすっ。これは草樹に、ですよ?」
「……しっ、知らないし!!」
嫉妬が甘い……
仲直りのチョコも甘く、身体に沁みこんでいく……
『大量』
【束縛】視点:麗彩 登場人物:草樹
「そ・う・じゅぅ~~」
保健室の扉を開けると、そこには大量のチョコ……
「え、麗彩??」
慌てるように隠す草樹。
「これは、何?」
「……ね、何かな??」
ムカカッ!!
私がいるのに、チョコを受け取るなんて!
「嫌い。草樹……私のチョコは、その辺の男の子にあげるから!!」
「本気で言うの?」
あれ?怒っているのは、私だよね??
草樹は、私のチョコを持った手を掴み引き寄せる。
「拘束されたい?俺の嫉妬を煽るなんて……愛情が足りないのかな?」
「やっ……怒っているのは、私だよ?!」
「くすすっ。可愛い嫉妬……俺も味わう。」
大量のチョコが、私に甘い匂いで酔わせるのか……それとも、あなた?
(草樹のいない時に、受け取らなかった物を、劾がカギを開けて放り込みました。)
『何が?』
視点:嵐登場人物:閑・綾・優貴
「これ、あげるわ。」
裏庭で、綾からチョコを渡された。
ギリで、もらったことなど一度もない。まして、閑と付き合いだしたのに……
気になるのは大きさと綾の態度。
「嵐、私じゃダメ?」
兄貴と喧嘩をしたのか……?
近寄って涙を流す綾……綺麗な彼女に、兄貴がつぶしてもわいてくるファンクラブの野郎ども。
理解できるが、俺には恋愛の対象じゃない。
「……駄目だ。」
俺の心には、閑だけ……
「ぐすっ……兄弟そろって、奈落に落ちろ!!うわぁ~~ん!!」
……兄貴、何があったんだ??
手には、困った大きさのチョコ……
「嵐……チョコを、もらったのか?……相手は綾ちゃん……か。可愛い女の子が良いよな、私の市販なんて。いや、良いんだ……これは、劾にやるから!!」
劾に!?
【ぶちっ】
「ふふ……面白いことを言うね?」
チョコを木に投げつけ、笑顔。
「な?!」
閑は驚いた顔で、俺を見ている。
チョコは、兄貴がキャッチした。
「くくっ。あれは、兄貴のだよ?巻き込まれただけ、なんだけどね……そう、愛情が足りないんだ?閑……明日の大会、出れなくしてやろうか?傷ついた俺の心を癒してくれるよね……な、閑?」
「待て、私も巻き込まれただけじゃないか??ダメ……明日の大会は、出ないと!!」
「ふぅ~ん?じゃ、俺に何をしてくれる?」
バレンタインも、君を追い詰める……
俺だけに見せて欲しい。その表情を……俺の心を捉えたのは、君だけだから……




