②裏バレンタイン
【時を巡る】
「お母さん、お父さんにあげるチョコはどこにあるの?」
「え?……」
買ってないけど?どうして、こんなことを訊くのかな……??
「飛鳥、誰からチョコのことを聞いたの?」
「お父さん!今日、幼稚園でパパにあげましょうって……チョコをあげたら……お母さんから、お腹いっぱいにもらうって言ってたよ?」
……。
お腹……いっぱい?!
【情報屋】
「夏希、ちょっと……いいかな?」
「あぁ、チョコはどうだった?」
どうって……言いようが無い。
「いや、その……美味しかった……です。」
顔が熱い!!
「ふふっ……くすくすくす……俺は、これからなんだ♪由は……いや、恵には刺激が強いか。くふふ……内緒。」
……。
軽い足取りで行ってしまう夏希の後姿を、ただ見送った。
ありがとう……
【花冠】
「水樹。最近、怠けてるでしょ!」
「そろそろ俺も諦めないと、心が痛い。イチャイチャしたいし……」
「この、バカチンがぁ~~!生徒会室で喰いまくりだったのに、ちょっとは粘って見せろ!!」
「……どうして、そこまで邪魔したいんですか?」
「あのたけぽんが、凌子に触れるなんて赦せん!……んん?感じる……呼んでるわ。邪魔しなきゃ!!」
【君は】
「綾……チョコの甘さに、酔いそうだよ。綾……甘い……もっと、頂戴。」
「ん……もっと食べて……味わって?酔って……ふふっ、ただのビターだけどね?」
「……くすくすくす……じゃ、酔っているのは……綾にかな?」
「くすっ……いつかは、冷めちゃうの?」
「いいや、冷めない。綾が、俺を中毒にしたんだ。君なしでは、生きていけない。」
「嬉しい……」
【かぐや】
「ごんね。……好きよ……大好き。けど、保志……口移しって……したことないよ?」
「ふふっ……その唇の間に挟んで、俺の口に運ぶだけ。ね、簡単だろ?」
歌毬夜を俺の膝に乗せ、チョコの包みを開けた。
「美味しそうだな。歌毬夜、口開けて……入れてあげる。」
「……うん。」
俺を待つ歌毬夜が色っぽい。
【チャイムの音】に思いっきり拒絶……。
【子狼?】
「麗彩は、いつになったらチョコをくれるようになるかな?」
「じゅじゅ~!」
しかし、一才の子供を他人に……いや、婚約者だけど……預けるか?
……また、子供が出来たりして。くすっ、何てね♪
「可愛い俺の、麗彩……。愛しているよ。」
ふふ……君の世界は、俺を中心に回ったらいい。
俺は、麗彩の唇にキスをした。これぐらい……いいよね?
【七匹目】
采景は、草樹に甘いなぁ。
「……で?」
「何が?」
「本当は、何があった?」
「……別に。」
私との時間を邪魔されたのに、ファミコンめ。
「心配しなくても、円華さんや、麗彩には何もないよ。」
「そこは、諷太さんも含めようか。」
ため息を吐き。
冷凍庫に常備されたバニラアイスを取り出して、草樹に手渡す。
「苺愛は、こっち。」
焼きあがったケーキ用に準備した苺。
それに湯煎したチョコを掛けて。私の口に運ぶ。
「草樹、それ食べたらヒツジのとこでも行けよ。」
【嘘つき】
「はいはい、俺は部屋に行きます。父さん、母さんが年上だったら勝ち目がなかったかもね!」
息子の捨て台詞。
年下に言いように振り回されて……
あれ?昔の俺と同じ?……切れたら、止まらないか?
ま、俺の麗季を取るわけじゃないし?どうでもいい。
「……っ……ダメっ……」
可愛い麗季。
積極的なのは、酔ったときぐらいか……くふふ。
【被らない】
「放してぇ~~。誘拐されるぅ!!」
学校の廊下で騒ぐが、みんな笑って見ているだけ。
くすん……
「さぁ、諦めはついたかな?チョコケーキもあるよ。ね、食べてみて。」
「……ケェキ?食べる!」
準備万端で、フォークまで差し出され口に運んだ。
「おいひぃい~~。うまうま……」
口に入れた私に「くすっ……一口頂戴♪」と、唇を当てた。
?!!??
【微笑】
「蓮美、チョコをあげなかったのですか?」
「呪いには一日かかります……ふふ。」
無表情で、ふふ?
娘は、就寝の時間を感じ挨拶。
「では、おやすみなさい。」
「「……おやすみ。」」
娘が部屋を出たのを確認し、小鹿を抱き寄せる。
「連歌、蓮美は……んっ……」
キスで口を塞ぎ、深くしていく。
俺も気になりますが、今は……君だけを味わいたい……小鹿……
【邪】
「……ね、今日は一般にバレンタインと言う日よね?」
「うん?ふふ……俺は、チョコよりこっちがいいな?」
「……はぁ。ケイト……この子、力があるのよ。」
「……で?」
手は優しく、私をベッドに導く。
「……でって、ケイト?これからの話……んんっ……んん~~ん?!」
ぷちっ……
『寝て……いい?起きたら、しばらくは……お腹いっぱいですよ~。』
【秘密】
俺は、見下した目で手を振る劾を無視して、閑を引きずっていく。
こんな時のため、空きの教室はチェック済みだ。
部屋に入り、鍵を閉める。
「……嵐、落ち着いて……話をしよう。」と、夫を前に後退る。
イラッ!
「閑、いいよ……聴いてあげる。ただし、俺のお願いも聴いてくれるかな?」
黒板に、押し付け強引にキスをした。
やべ……いけない気分……
【束縛】
「じゃ、行ってきまぁ~~す。」
息子が、手に紙袋を持って出かけた。
俺の膝に、麗彩が乗ってアイスを口に入れてくれる。
……胸騒ぎがする。
「……麗彩、泉麗は……」
「ん?くすっ……ふふふ……彼女のところ♪」
「……うん。手に持っていたのは……」
「これと同じ、液体のチョコだよ?」
……。
ま、いいか……采景、ごめんね♪
「私も……頂戴……」
少し、飽きた感じ?でしょうか……。(すみません。)
子供たちが、うろつきましたね。
いつ書くのか分かりませんが、タイトルは決まっています。
全部『おおかみ』が付きます。しかも、文字数を揃えてみました♪
(子おおかみ編の宣伝も兼ねたバレンタイン企画だった)




