6発目
(-з-)
「…おかしいな~?」
牛乳を買って店に戻ると大吾が首を傾げてる。
「…確かに強い反応があったんだけどな~?」
謎の悪人レーダーをいじってる…
大方、レーダーがガーランドに反応したもんだから追ってきたんだろうが…
一足違いだったらしい。
「千晶兄ちゃん、てことは無いし…」
俺の顔をチラ見してまた悩む。
その間わずか3秒。
その通りなんだがそれはそれでどうよ?
「相変わらず過小評価なんだな…俺」
なんとも複雑な心境のまま冷蔵庫に牛乳をしまう。
「千晶兄ちゃんさ~…ブリューナクについて何か知ってる?」
…知ってますよ。
でもめんどくさいからあえて言おう。
「知らねww最近できた組織っことしか知らん。」
「…そっか~」
銀行襲撃事件以来あまり目立った悪事をしていないブリューナク。
それどころか悪い噂の絶えない政治家、芸能人、はたまた公務員を次々と成敗して回っているらしい。
おかしな話だが世間のネット上では「闇の仕置き人」とか「ガチでダークヒーロー現る」など極一部からは好評されていたりする。
反対に「やりすぎ」と言う声もあり、賛否両論だ。
「やりすぎ」ってのはターゲットを消す際、周りの犠牲をいとわないスタイルのことだ。
無論、政府がこれを良しとせず、ヤッパリ悪の組織は悪の組織なのだ。
「おかしな連中だよね~、」
大吾はストローを口でくわえながら呟いた。
「…でも悪はヤッパリ悪だよ。」
そう言いながらカフェオレをすすり始める。
その時だ。
「た‥助けてくれ~!!」
外から男の叫び声が聞こえ、次の瞬間。
「ドカンッ!」
バカでかい重低音と地響き。
「なんだ~!」
慌てて厨房からマスターが顔を出す。
「マスター非難して下さい!」
大吾はそう言うと店の外へ駆け出した。
「‥だ、大吾くん!」
「マスター早く裏口へ!」
俺は動揺してるマスターの手を引き裏口へ駆ける。
「一体何が…うっ!」
「マスター、ごめんなさい」
裏口から非難した瞬間、マスターに軽く一撃気絶して貰う。
気を失ったマスターを抱えてジャンプ。一瞬で寮に飛ぶ。
「とりあえずここなら平気だな」
マスターを自室の前に寝かせ、また駆け出す。
「…らしくない」
呟いた手は震えていた。