16発目
「うひょひょぉぉおおおぃいい!!」
マスターの楽しそうな声が砂浜に響きわたる。
「よっし!もう一回だ!もう一回!!」
「楽しそうだな~・・・マスター」
俺は昨日の今日でそんな体力なんて無かった。
波乗りマスター、パラソルの下でごろつく男、俺。
「おまたせです~♪」
「あぁ、スイマセンありがとうございます」
彩香さんが焼きそばを買ってきてくれた。
それにしてもワガママボディだな。目のやり場に困るZE!!
「よいしょっ」
彩香さんは俺の隣に腰掛ける。
「八フッ!」
俺は焼きそばに食らいつく。
「昨日は遅くまでどこ行ってたんですか?」
「サンチャゴッ!!!」
不意をつかれたもんだから思わず変な声でむせた。
「ご!ごめんなさい!ダイジョブですか?」
「・・おふ!お!ダイジョブっす!ダイジョブっす!」
なんとか立て直す。
「いや~、ビール買いに出たら思いのほか道にまよちゃって」
「・・・ふ~ん」
怒ってるとか、怪しんでるとかそんな感じじゃないみたい。
「フフフッ」
少し間を開け笑う彩香さん、マジ天使!!
「ハァ・・・ごめんなさい」
「?」
「高松さん・・・」
「はい」
「私、知らないようで結構知ってるんですよ?」
「・・・・・」
「でもあの子が自分で決めたことだし、心配させたくないから・・」
・・・・あっぶねぇ!!大吾のことか!!
「ホントは・・ホントは高松さんもあの子のこと知ってるんじゃ無いかな?って」
「・・・・少しだけですけどね」
ホントは全部知ってるし当事者だ。
「アイツ・・・頑張ってますよ」
「そうですか」
ニコって笑う彩香さん、でも何処か寂しそうな。
「今はまだ聞かないでおきます」
「そっすね」
「あ、焼きそば冷めちゃいますね、食べちゃいましょう」
*****
「ふぅ~、うまかった!ごちそうさまでした!!」
焼きそばをたいらげておもむろに立つ。
「ヒャッホー!!」
マスターがまだサーフィンしてる。
「ほんと、元気だなあの人・・・」
「フフッ、私たちも行きましょう?」
そう言って彩香さんが俺の手を引いて歩き出す。
なに?このシチュ?俺幸せで死んじゃうよ?
****
「ぐがー・・・ぐががー・・・」
大吾は昨夜の疲れがたたり部屋で一日中、寝ていたとかなんかそんな。
あざーす