13発目
ガーランド、千晶、ガーランドの順です。
沈黙を破るように一言。
「先輩・・・いや、デススティンガー」
俺はデススティンガーの方に構え直す。
高松千晶は立ち尽くす。
「させないぞ!ガーランド!!」
とっさにソルブレイバーが身構える。
「気が変わった、貴様の相手は後でしてやる・・・」
「何を!!」
ソルブレイバーはコチラに飛び掛ろうとした刹那。
「待て!!」
高松千晶が声を挙げる。
「兄ちゃん・・・」
ソルブレイバーは振り返り動きを止めた。
高松千晶は手をかざす。
漆黒のオーラを纏い、瞬間、デススティンガーに姿を変える。
「・・・」
デススティンガーは無言のまま竜槍スマウグを構える。
そして俺はオリハルコンの剣を召喚する。
「・・・・いくぞ!!!!」
傷の痛みも忘れ、俺は駆け出す。
****
どれくらい時間がたったのか分からない。
何時間?何分?もしかしたら何秒かもしれない。
ガーランドと激突し、何度も刃を交える。
流石に強いな・・・。
本当に強くなった。
人懐こっくて、少しオツムが抜けてるが、どこか憎めない。
いつも俺の後を追っかけてきてた。
「・・・ふっ、やるようになったじゃないか」
「うぉおおおおおおおおおお!!!!」
すべての攻撃が何か訴えてるのを感じさせるほど重い。
「俺は!!・・先輩に!!」
「・・・先輩のようになりたかった!!!」
ガーランドの必死の叫び。
「先輩と肩並べて、世界を変えたかった!!」
「・・・・」
「先輩が普通に生きてこうと決めたのなら、それでいいと思ってた」
「でも、・・・今は違う!!」
「俺は先輩を、デススティンガーを・・・超えたい!!」
「普通に生きていたいのなら・・・俺を倒せ!!」
「力を示して納得させてみろ!!」
「それがあの日ダムデストロイでなくなった俺たちの・・・」
二人の声が、思いが、渾身の一撃となり重なる。
((・・・ケジメだ!!))
「ファントムクロス!!!!!!!!!!」
「ブレイクジェノサイド!!!!!!!!」
「ガキーン!!!」
一際大きい音が響く。
ソルブレイバーが見守る中、両者の攻防が止まった。
「・・・・・ドサッ!」
ガーランドが膝を落とす。
「・・・ガーランド!」
俺はガーランドに駆け寄る。
「・・・ははっ、先輩・・・やっぱ強ぇっス」
「・・・お前」
「・・・どうしても、最後は先輩と戦いたかった」
そう言うとガーランドはソルブレイバーに語りかける
「・・・気をつけろ、もうブリューナクの首領は俺じゃない」
「何!!」
「・・・ははっ、情けない話しだ、部下に裏切ら・・・!!」
そこまで言いかけた刹那、光がガーランドを貫いた。
*****
ザッ・・・ザザッ・・・視界が霞む・・。
少しずつ、でも確実に近づいてる・・・・死。
「ガーランドッ!!!」
先輩の俺を呼ぶ声。
「パッ!パッ!パ!」
薄暗い闇の中、小刻みに3回拍手が響いた。
「フフッ♥感動で涙が止まらないわ♥」
バルバロッサが姿を現した。
「貴様!!」
ソルブレイバーが声を荒らげる。
「アラアラ♥」
「おかしいわね~?・・・悪の首領にトドメをさしてあげたのよ?」
「そ♥こ♥は、賛美するべきじゃなぁ~ぃ♥?」
「・・・!!」
挑発的な態度のバルバロッサに瞬間、先輩が切りかかる。
「キーン!」「・・ッ!!」
鈍い音が鳴り響く、先輩の一撃は受け止められたのだ。
「もぅ、遅いわよ?ディアボロス?」
ディアボロスに・・・。
「いや~、あの仮面野郎、なかなか命乞いしてくんないからさ~」
よくわからないことを言ってるが、余裕の表情。
先輩は一旦、後方に引いた。
「さて♥役者は揃ってるみたいだしぃ~♥」
バルバロッサは青い球体を取り出した。
酷く歪んだ笑みを浮かべて
「・・・まとめてここで死んじまいな!!」
あざーす