12発目
夢を見た、昔の夢。何時以来だろう?夢を見たのは・・・
「俺は・・・生きてるのか?」
気がつくとそこは砂浜。
身体が重い、立ち上がるのが少し辛いが動ける。
「大分、鈍ってたようだな・・・情けない」
幾多の戦場を、修羅場を生き抜いてきたからわかる。
長くは持たないであろうことも。
なんとか公道のバス停のベンチまでたどり着く。
見渡す限り、何もない人の気配もない。
「はぁ・・・笑っちまうな~」
気がつくと人間の姿になっていた。
「あっけないもんだな・・・ははっ・・」
******
「マスター?よかったんすか?急に店休んじゃって?」
今、俺はマスターの自慢の愛車「ハマーちゃん」の助手席にいる。
「いや~、だってせっかく旅行券当たったんだし!!海呼んでるし!!」
「・・・あ~(゜Д゜)」
商店街のくじ引きフェアであたった旅行券を取り出しニカッと笑うマスター。
そして・・
「マスター鼻の下伸びてるよ」
「もう、大吾ったら・・・」
赤城兄妹も一緒だ。
「しっかし、進めば進むほど人気が無くなってな~・・」
溜息混じりで大吾がつぶやく。
「いや~!!あれだよ!!最近出来たばっかの旅館で穴場ってやつだよ!!うん!!」
マスターがテンションマックスで言う。
この人いつも陽気だが海が絡むとさらに激しくなるな。
****
宿に付くともう夜だった。
取りあえず今日はこのまま休むことに。
夕飯の海鮮料理みんなで食べたあとそれぞれの部屋に入る。
赤城兄弟、俺とマスターで二部屋。
「いや~!美味かった!!酒も美味かった!!!」
マスターは上機嫌だ。
「でも、泳ぐのは明日ですけどねw」
「ふふ~ん!!高松君!!俺はもう下調べに行っておいたのだよ!!」
そういや温泉入る前にどっか消えてたな。そういうことだったか。
「いや~!!若い子いっぱいいたよ!!!ワンチャンあるかもね!!」
「奥さんに言いますよ?www」
「それは勘弁!!」
なんて笑い話してると急に大吾が俺たちの部屋に来る。
「チアキ兄ちゃん・・・ちょっと」
「どした?かわいい子とでもすれ違ったか?」
「バカ言ってないで、真面目な話だよ」
真剣な顔の大吾。
「マスターちょっと売店行ってきます」
「おぉ~、追加のビールヨロシク~♪」
*****
「どうしたんだよ?」
大吾に連れられて旅館の外に。
「悪人レーダーが何かに反応してるんだ」
「何に?」
「わかんないよ、でも結構強い反応なんだ」
確かにレーダーが「極悪!極悪!」って鳴ってる。いつ見てもシュールだ。
「ここから少し離れた場所みたいなんだ、ちょっと行ってくる」
そう言うと大吾は駆け出してった。
「お、おい!・・・たくっ!」
****
あれからどれくらいたったんだろう?
俺はまだ生きてるらしい。
「・・・誰だ?」
何者かの気配を感じて目をやると、
そこにはソルブレイバーが立っていた。
「極悪!極悪!」
何やら変な機械音が鳴っている。
「極悪!ごくあ・・プツッ!」
機械音が鳴り止むとソルブレイバーは口を開くいた。
「貴様は何者だ?」
そういえば姿を見せたことが無かったな・・・。
「・・・」
ゆっくりと身体を起こす。
「構えろ・・・小僧」
俺は構えながら言い放つ。
「・・・!!」
後方へ下がりソルブレイバーも身構える。
沈黙が続く。
刹那。微かに声が響いた。
「・・・・ガーランド」
そこにはデススティンガー・・・高松千晶が立っていた。
「・・・先輩」
「チアキ兄ちゃん!」
少し間を開けソルブレイバーが
「・・・?先輩って」
「そう、この男が戦爪のガーランド・・・ブリューナクの首領だ」
あざーす