10発目
「またデススティンガーですか…」
端から見たら露出度の高いコスプレにしか見えない格好した女性が
困った様子で呟く。
「…」
ガーランドは沈黙したままモニターを眺めていた。
モニターに映っているのはデススティンガーとスレイヤの闘いだった。
ー 自室 ー
「…とりあえず今話したのが全部だ」
大吾に過去(9発目)を話終えコーヒーをすする。
「…銀行の時も千晶兄ちゃんだったんだね…」
俺は静かにうなずく
あからさまに落ち込んでいる大吾に声をかけてやれない、
…いや、その資格が無い。
「…そっか~、やっぱり予感てのは嫌な方が当たるんだな~」
突然、大吾は明るい声で言った。
「いや~、凄い人だったんだけどな~…」
「大吾、お前…」
大吾は笑顔だった。
大粒の涙を流しながら...
「俺は... 」
「先輩は千晶兄ちゃんを救ったんだね」
右腕で涙を拭い、大吾が言う。
「...あぁ」
「...そろそろ帰るよ」
大吾はゆっくり立ち上がり玄関に向かう。
「...僕が言うのもなんだけどさ」
「千晶兄ちゃんは先輩の分まで生きてくれよな?」
そう言った大吾の表情は、正真正銘ヒーローの顔だった。
「... あぁ」
「じゃぁ、またね!」
大吾は部屋をあとにした。
「...もう、見習いって呼べないな」
元悪の俺がヒーローの誕生を少しだけ嬉しくなった。
不思議な話だ。
****ブリューナク基地(一室)****
「... ふぅ、困ったものね」
タメ息混じりにそう呟いたのは、
先刻、ガーランドと一緒にいたきわどい服の女性幹部。
すると、専用のパソコンから男の声。
「また、デススティンガーか?」
「... えぇ」
「そんな難しい顔してたら、せっかくの美人が台無しだぞ[バルバロッサ]?」
***ブリューナク幹部[バルバロッサ]***
美しい顔立ちにワガママボディのブリューナク四天王の一人。
「... 大きなお世話よ!口が過ぎると殺すわよ?[ディアボロス]!」
「おぉ、おぉ、怖い怖い♪」
***ブリューナク幹部[ディアボロス]***
ブリューナク四天王の一人
業界では鬼神再来と噂される程の実力者。
「... ふん、まぁいいわ。」
怒りを押さえてバルバロッサは珈琲をすする。
「[アレ]も、もう少しで完成するし、」
「お、いよいよ俺ちゃんの出番ってことか!!」
バルバロッサは悦な表情で何かの資料を眺めてる。
「... そうよ、これさえ完成すればブリューナクは私達のモノ!」
「楽しみでしょうがないぜ♪」
様々な思惑が交差していく。
(´Д`)