間話:ユナその後(その1)
NPCの認識
世界にはこの国の他に外者だらけの国などが沢山ある
外者の国は魔物とかいなくて平和
最近、外者がこの国に入ってくるようになった
この国は外者を冒険者として管理している
「ありがとうございました。これからもよろしくお願いします!」
諸々の手続きが終わり、帰宅していく2人を見送る。
バタバタとしていたが、自分がマスターになって初めての加入者兼ギルド作成者の登録が終えた。
「はぁ。でもこれじゃあなあ・・・・」
自分が父からマスターの地位を受け継いで約半年。当時からギルドの会員は減少していたが、最近になって0に近いところまで来てしまった。
原因ははっきりしている。武器の差だ。
元々剣組合と銃組合の差は無かった。
それぞれの組合に属している製造部門はお互いに切磋琢磨し、良い剣・良い銃を製造してきた。
それを内者(うちもの。所謂NPC)や外者の冒険者が使用して魔物を狩り、その素材をお互いの組合に持ち帰り武器にしてもらう。
新しい素材は新しい武装となり、新しい技術となっていく。
そんな循環が壊れたのが、外者が増えだしてからしばらくたった時。
外者が剣を作り始めたのだ。
それだけだったらまだ良かったが、作り始めた外者に問題があった。
彼らは、外者の国で刀鍛冶を営んでいたそうだ。
ただ、彼らの国では魔物がおらず、刀は廃れ、美術品としての価値しか持っていなかった。
切る物といえば巻藁くらいで、刀は見世物として一生を終える。
刀鍛冶の彼らはそれを許せなかった。
巻藁程度で私たちが作った一振りの価値がわかってたまるか。
見た程度で私たちが一振りに込めた技術を理解したつもりになるな。
ただその思いは虚しく掻き消え、ただただ飾られるものを作る。
魂が腐りそうな毎日を送っていたときに、彼らはこの国の噂を聞いたそうだ。
彼らがこの国のことをどのように聞いたかはわからない。
が、彼らはこの国に来て、刀を打ち始めた。
彼らの打った刀は、ドワーフを唸らせ、内者の冒険者の心を掴み、技術の革新を推し進めた。
一昔前なら国王に献上されるほどの出来栄えの剣が一山いくらで実戦へと駆り出され、その実戦のフィードバックを受け刀鍛冶が新たな刀を打っていく。
刀の技術を参考にし、剣組合の製造部門の長が新しい剣を作っていく。
数名の刀鍛冶がこの国の剣の技術体系を変えてしまったのだ。
このゲーム、現実でその人ができることはゲーム内でもできます。
つまり、リアルの技術をそのままゲームに持ち込むことができるんですね。
運営は↑のようにゲームを作ったけど、所謂本職の方がゲームを遊ぶことを想定していなかったため、・・・・・・・




