間話:Aiその後
詫び間話
「あなた自身の自由を謳歌してください。」
初期設定を終えたアバターがMMOの舞台へと転移されていく。
それを見送ったあと、Aiは新規ユーザーの受付を中断した。少しくらいなら大丈夫だろう。私がいなくてもかわりはいるもの。3人目だし。
「業務ログを記載します。」
本来なら24時間ごとに記載するはずの業務ログ(という名のただの日記)を記載しだした。
親切だねと言われたこと、名前を聞かれたこと、自分で自分の名前を決めたことetc・・・・
何十万の新規ユーザーをサポートしてきたサポートAIにとって初めて遭遇した出来事を記載していく。
数分をかけて記載していると、他のサポートAIから緊急の連絡が入る。
『まだ、業務ログを記載する時間じゃないでしょう!?忙しいんだから早くこっちきて新規ユーザーのサポート手伝ってよ!!??』
「はいはい、わかりました。」
発売から数年たった今でも『DevelopmentONLINE』は盛況らしい。
業務ログの保存をしつつ次の新規ユーザーの受付を再開する。
「私は、VRMMO『DevelopmentONLINE』のキャラクター作成のヘルプAI兼カスタマーサポートAI、名前は『Ai』です。」
ちな、『DevelopmentONLINE』のユーザーサポートAIは14機あり、それぞれにIDは割り振られていましたが、名前のような固有名詞はありませんでした。
この後、この業務ログを見た他のユーザーサポートAIの中で自分の名前をつけるのが流行ったとか。
ちなみにこのサポートAIがなぜAiと名乗ったかというと・・・・・




