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真実のた
世界は「た」の神によって浸食を受けていた。
その名も、世界たたたた計画。
言語の間にたを挟み込む、ただそれだけだった。
外の世界で見ているあなたたちは、昔に一度は通っているであろうあれだ。
いっぱい、た、が入った文章にたぬきの絵がついているやつ。
まさにそれだ。
社会では空気を読めだのなんだの言われているが、誰も空気を読んで、た、を適切に消すことができなくて困っている。
今日のニュースも大変なことになっている。
「今日のラッキーアイテムは、タルトタタンです」
孫からもらった券は、かたたたたたたたたたたき券になっていて、少し肩が凹んでしまいそう。
人々は意思疎通が困難になり、次第に話さなくなった。
本を読んでも面白くないので、本の文化も廃れていった。
そこに一人の天才が現れた。
世の中にあふれた、た、を有効利用する手段を思いついたのだ。
「あたたたたたたたたたた」
「あたたたたたたたたたたたたたた!!!!」
た、の神は死んだ。著作権の関係で詳細の説明はできないが、死んだ。
こうして、この世界には、あたたたたた、が生まれたのである。