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二十一話 越後夜話
雪深い越の国の話じゃ
ある雪の夜
尻軽が子を産んだそうな
男種は間男
体液の中で睨んだそうな、そして喋ったそうな
「業とは何ぞや」……
あまりの驚きに、親は死んだそうな
……ねんねんころり、ねんころり
雪の中で生まれた子は、やがて大きくなり嫁をもらった
遊里から来た嫁は夜叉子と言った
そして、おなごが生まれた
名前は鵺子とついた
……ままごと、赤すぎる帯、竹の花
やがて女親に、じいじ、ばあばのことを聞いた
「なして、いねえの?」
「おらが、ばあばだ」と、夜叉子は言った
雪はしんし
肩透かしをくらった感も無きにしもだが、明日に備えて体をゴシゴシと洗う。
深酒している場合ではない、エッチネットどころじゃない、来ると信じて寝よう。




