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対話体小説 小話集  作者: 藤原 てるてる
19/32

十九話  キラキラ女神様に、オラクルカードで占ってもらいに行く夢を見る

夢のなかで、この女神様は私に言った。「早く来て、あなたに教えたいの」と。

何やら胸騒ぎがして来て、落ち着かなくなった。可及的速やかにの意味か。

よし、行こう。大阪は梅田のラブホ街の、そのまた奥にある雑居ビルに入った。


わかりやすく、この方のブログで出してある写真が看板。片顔隠した、あれ。

私はシンパシーを感じるのである。同類の匂い。この方も、闇の花を知ってそう

な。

女は花、男は蝶。女は蜜、男は蜜にまみれる。花粉を運ばせる為に、悦をあたえ

る。

闇夜に咲く花もある。この方は、そうであろう。紅色のドアを開けた……


私  「初めまして、今夜はここに泊まる込む覚悟で東京から来ました」

   「寝ずの御指南のほど、よろしくお願いします。愛欲のレクチャーを」

女神様「ええ、ねえ、あなた私にアメンバー申請したわね、すぐにОK出したわ」

   「前から、こっちも見ていたからすると思ってた。もう、やって来たしね」

   「私のブログはね、ヒミツの恋愛を教える魔法をカードで導き出してるの」

   「タロットと違って負のカードはないわ。すべてがハッピーになれるのよ」

   「あなたも、私の所に来たからには気持ち良くなってね。リピーターに」

私  「私も同感です。気持ち良くなることはとても大事です。それが男と女で」

   す」

   「あの読ませてもらったアメンバー記事で、どうしても気になる所があっ」

   て」

女神様「ナカオレ? あれ男の難題よね。まかせて、そんなことにさせないから」

私  「それは男は高射砲から始まり、そのうち戦車砲となり、しまいにED砲に」

   と」

   「致し方なきことです。あのナカオレについてですが、日本人はまだいい」

   方」

   「特に黒人なんて、無用の長物になりかねません。長距離砲がさっぱりに」

   「元々の短距離砲の方が、長持ちすると言うもの。私、ナカオレに無縁で」

   す」

女神様「男は大変ね、ゆくゆくは男性自身と向き合うのね。その点、女は一生も」

   の」

   「いつでも、いつまでも受けとめられる。男はやって来る、あなたのよう」

   に」

   「まるで花から花へと、蜜から蜜へと舞うものね。女はみんな花びらが違」

   う」

   「ねえ、私の蜜に溺れるかどうか、オラクルカードで占いましょうか」

   「一枚引いてね、そのカードに出た通りにして。あなたの女になってもい」

   い」

私  「そうですか、では、このカードにします……」



うぐっ、この肝心な所で目が覚めやがった。この野郎、続きが見たかったのに。

不完全燃焼かつ不発の夢だった。おそらくは、女神様と朝まで蜜まみれとなった。

この方のブログ写真の目には、私が映っている。すべてを見られ吸い込まれる。

「絶対手放せない女神」とは彼女そのもの。紅花には闇の男が似合う、会いたい。

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