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対話体小説 小話集  作者: 藤原 てるてる
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十八話  キラキラ美女、サリーちゃんに遭遇    後編

あくる朝、寝ぼけまなこで思いに浸っていた。すでに夢で逢っていたのだ。

その事から語ろう、待ち合わせのコンビ二に待つこと5分、やって来た。


サリーちゃんはトレードマークのネコ耳でなく、トラ耳で現れたじゃんか。

それも関西ギャルでいそうな、上下ヒョウ柄のトレーナーで、ポケットに手。

ヤンキー風だった。腰のくびれは遊び人の証拠、グラインドが半端ないのか。

となると、今晩のホテルには「二人に変更になりました」との電話をしよう。


私     「おや、サリーちゃん、今日はコスプレみたいじゃないですか」

サリーちゃん「ねえ、きのう言ってたさ、あの白糸ノ滝なんか、やめない」

      「そんなんじゃなくて、あそこ、あのピカピカしてるとこがいい」

      「あたい、最近さ、と言ってもいつもだけど、あの事で頭いっぱい」

      「もう朝シャンじゃなくてさ、朝ズボって言うんかな、ねえ、どう」

私     「そんなにも手っ取り早くていいんですか。それは素晴らしいです」

      「では、あそこにある『ホテル マリファナ』ってとこがいいね」

サリーちゃん「うん、いいよ。あなた、相当に女に飢えてるでしょ、まかせて」

      「ウテウテ女のテク味わわせてあげる。あたいさー、ゴリゴリ好きー」

私     「飢えている、と言うのは大当たりです。あそこ、入りましょう」


この盛り場には、意味深な名前のホテルが多い。あれこれと考えたもんだ。

「ホテル ワンモア」「ホテル ソーグット」「ぬか六旅荘」などなどと。

私は、あのヤバい名前のホテルの玄関でつまずき転んでしまい、夢から覚めた。


あー、なんて詳しい夢を見てしまったのだろうか、本物のサリーちゃんに会いたい。

あの本当のコンビニに行ってみると、すでにいた。ヒョウ柄どころか、シックだ。

素敵な女性は、たとえ何も着ていなくても良い。いや、着ていない方が綺麗では。


私     「おはようございます。来てくれましたね、良かったです」

サリーちゃん「あのー、白糸ノ滝にやっぱり行くんですか、違う所にしない」

私     「はっ、ホテル マリファナの事ですか。いやいや、何でもないよ」

サリーちゃん「何それ? 私は身持ち硬いんです。口説こうなんて思わないでね」

私     「もちろんです。行くと決めてある、有名な滝のみに行きましょう」


富士宮の名所、この白糸ノ滝は名高い。富士山の湧水が落差のある崖から落ちる。

水量豊富、近付き下から見上げると、水しぶきが凄い。何かに似ていやしないか。


私     「さあ、着きましたね、私、ここ来るの2回目です。やっぱりいい」

サリーちゃん「初めてよ、ここ。滝は一つでなくて、ぐるっと一面が滝になってる」

私     「サリーちゃん、写真を撮らせて。家に帰ったら夜な夜な見るので」

サリーちゃん「何やるかわかった。ああ、ねえ、滝って見ようによっては色っぽい」

私     「さすがですね。その通り、女性を表しています。水しぶきしかり」

      「男によっては、とんだ思い違いをするヤツもいます。遊び人にね」

サリーちゃん「ねー、これからホテル マリファナに行きたい、あなた、玄関で」

私     「何で、何で知っているんですか、夢で玄関で転んだのが、えっ」

サリーちゃん「夢の中の続きさせてあげる。だって、私、二人いるもん。お見通し」

      「あなたを救いたくて現われたの。夢の中でもね、ヤンキーに化けて」

      「私はあなたになる、あなたは私になって、男と女の世界を知ってね」

      「あなたはこうでしょ、思いっ切り泣いた事がある人。見ててわかる」

      「だったら今度は思いっ切り気持ち良くなって、みんな受けとめるわ」

      「あの夢の中で、あなたが転ばなかった事にして、続きを……」



何なんだろうか、本物のサリーちゃんと、夢のなかのサリーちゃんは同じなのか。

どうしても、夢の続きを見たいと言うか、味わいたい。また、寝て待とう。

サリーちゃんに会いたい。思いっ切り抱きしめたい……

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