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異世界に転生できて本当に良かった

作者: へのへの

おそらくこれから私は死ぬ。


どうしようもなく避けようがないことに私は死んでしまう。


それでも良かった、見知らぬ人だった、ただ異世界に転生して右も左も分からず迷子になっていた自分に名前も知らない果物をくれた人がいた。


それだけで十分だった。


神様からは人より成長できる能力を貰った。


望んだ能力ではない、どうやら前世の私は頭の病気で忘れっぽく成長の望めない人間だったらしい。


らしいというのは私自身実感が無いからだ。

ただ自分が無能なのだと噛み締めて生きてきた。


神様はそれを哀れに思い異世界に私をよこした。


今度こそ成長できますように、と。


残念ながら私は一切成長することなくこの異世界でよく分からない壮年の男性をかばい命を失う。


男性は大慌てで逃げ出していた、私の目の前にはよくわからない黒っぽい生物がいる。


こういった小説はよく読んできたつもりだったがとんと見当がつかない、つるんとした見た目で触手のようなものが首の付け根あたりから揺れている。


おそらく私は死ぬ。

名前も知らない世界に来て名前も知らない化け物に殺される。


それでも


名前も知らない人を助けた、それで十分だった。


ああ、生まれてはじめて真剣に人の役に立てた。


異世界に転生できて本当に良かった。



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