表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ふみがたり  作者: 水瀬ふみ
5/37

勉強する、ということ

 物語を綴るうえで、世界を知る、ということは大変重要な意味を持っている。

 例えば電車の乗り方を知らない者が、どんなに頭をひねって電車に乗るシーンを書こうとしても、必ず何か首をかしげるような描写が生まれてくる。誰かが言った言葉の中に「物語の登場人物は作者の頭の良さを超えられない」という言葉があったが、それは創作世界のすべてに言えることだろう。


 一番簡単に描写を厚くするなら、それは経験を詰むことが最も適しているだろう。人間というのは感情を持っている者だから、その経験に付随する感情も知ることができる。例えば行列で待たされる人は、何が辛く、何にいら立つのか、自分が体験してみれば、少なくとも自分という一人の人間が抱く感情を把握することができるし、周囲の状況から察することもできるだろう。


 しかし、世界というのはあまりにも広く、経験だけで把握することはどだい不可能である。だからこそ、勉強する、という行為は極めて重要になる。いわゆる基礎教養でさえ、先人が組み立ててきた何千年という理論体系をたかだか百ページ程度に濃縮した英知の集大成なのだ。歴史の教科書にしても、目の前の一冊で、数千年分の時の流れを追体験することができるのだ。


 俺はこの道で食っていくから勉強は必要ない、というのは大変にもったいない考え方だ。勉強は、実は自分が世界で初めて考えたと思った事象は、実は何百年も前に先人がすでに解明していたただの歴史に過ぎないことを教えてくれる。

 創作をするにせよ、起業するにせよ、先人の知恵をおろそかにすれば、恥ずべき結果が残されることになるだろう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ