自分を大切にする、ということ
自分を大切にしろ、という言葉がある。
自己犠牲的な精神というのも尊いものではあるが、まずは最も近い命である自分自身のことを大事にすることは大変重要であると思う。自分という存在のその上に、利他的な精神であるとか、他者をいつくしむ心であるとか、そういうものが生まれてくるのではないか。
人間というものは、まずすべての基盤に自分自身があるのではないかと考えている。自分のことをおろそかにして他人のことばかりをしていては、基盤が崩れてしまう。他人のために何かをしてやれるのも自分なのだ。
これは、友人関係、恋愛関係など、人とのつながりにも言えることなのではないだろうか。
自分という点があるから、友人、恋人という他の点ともつながることができる。自分がないままであれば、流された付き合いをすることになってしまったり、そもそも関係がうまく構築できない、ということも考えられる。何も魅力がない人間とわざわざつながろうという者は少ない。自己という魅力があるからこそ、そこからつながりも生まれてくるのだ。
そうは言っても、自分をより強く、本来以上に見せようとするのも無理がある。いわゆる見栄をはる、というやつだが、そのメッキを維持し続ければよかろうが、何十年も見栄を張り続けるというのは、それはそれで辛いことだ。
自分を大切にする、というのは、ありのままの自分を好きになってやることだろうと思う。見栄をはらず、かと言って卑下もせず、等身大の自分のことを、まず自分が受け入れてやる。それが、誰かとの関係を作る前、自分自身を作る第一歩なのではないか。
自分を好きになれば、そこからつながるものが増えていく。他者へ気持ちを向ける余裕ができたり、親しい友人ができたり、大切な恋人ができたり……自分を好きになって、それから相手を好きになる。人間とは、そういうものではないだろうか。




