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ふみがたり  作者: 水瀬ふみ
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体調が戻る、ということ

止まない雨はない、という言葉があるが、病み上がりの体を実感した時、まさに今ふさわしい言葉だと深く感じた。風邪をひいている間などは、いつこの苦痛が終わるのだろうかと思うが、次第に……それこそ、雨で濡れた地面が乾いていくように楽になっていく体を認識することができれば、止まない雨はないという言葉をふと思い出すことができるだろう。


全身に鉛でも巻き付けたように嫌な重みが取れなかったからだが軽快に動きはじめ、鼻づまりでもうろうとしていた意識がはっきりと周囲を認識することができ始める。咳の回数も減ってくる。長い闘いの終わりをふとした瞬間に感じられたとき、ようやく楽になってきた……と一息つくことができる。


もちろん、ここで無理をすれば、たちまち体調は下落する。病み上がりで体力が回復しきっていないのだから、今体内に巣食う原因は排除できたとしても、また新たな原因を呼び込んでしまう可能性はあるのだ。


無理はしてはならない……と言うが、そうは言ってもこの忙しい時世でなかなかゆっくりし続けるというのも難しい。せめて、体調を崩した時ぐらいは、ゆっくりと安静にし、何も考えず体を癒す、そんな時間を取れる社会こそが、本当に豊かな社会であろうと思うのだが、いかがだろうか。

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