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ふみがたり  作者: 水瀬ふみ
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風呂に入る、ということ

 今のアパートに住み始めて半年弱になるが、自分はこの部屋で風呂に入ったことは、おそらく一度だけだと記憶している。

 もちろん、毎日仕事に励む社会人として、体の衛生を保っていない、というわけではない。風呂桶を洗いたくない、というものぐさ極まりない理由で、シャワーばかり使っているからである。


 とはいえ、風呂が嫌いなわけではない。実家に帰ったときに風呂につかると気持ちいいし、最近はジムで汗を流した帰りに、備え付けられた大浴場に入っていくこともある。湯の中に体をつける、という行為自体は好きなのだ。いろいろなことに一区切りついたら温泉に行くのもいいと思っている。


 それに、シャワーだけではどうしても体がぬくもり切らないものだ。寒い日に、冷え切った体を風呂につけて、ぎゅっと拳を握ってみるとわかるが、意外と芯は冷えているものだ。握った拳の中に、冷たい部分が確かに存在していることを感じることができる。他にも、自分であれば股関節もひどいし、わきの下や腹回りもよく冷えてしまっている。


 この冷たいものをシャワーで取り除くのは大変骨が折れる。湯の中につかっているからこそ、体の芯から温まることができるのだ。カラスの行水ではなく、きちんと風呂につかると血行もよくなって、全身がぬくもってくれる。握った拳の中に、脈打つ血の流れを感じることができるようになるのだ。

 そんなメリットがある、とわかっていても……人間の意志とは弱いものである。面倒くささに負けて、今日もシャワーであろう。

 ジムに通ったときぐらいは、ちゃんと体の中の血流を感じ取れるように、体を温めていたわってやろうと思う。

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