罰
あれから一時間は経っただろうか。
僕は‥‥‥夢を見ているんだ。
女子生徒がこんなに僕を求めるなんて‥‥‥これは夢なんだ‥‥‥もうこのまま夢の世界の住人になろうり抵抗せずに、されるがまま‥‥‥落ちていこう。
「気持ち良さそうですね」
「うん、気持ちいいよ」
「それは良かったですね。私の目の前で、堂々と浮気ですか?」
「結菜さん? なに言ってるの?」
「今、目を覚まさせてあげますね」
僕は両足を持ち上げられ、股間に足を置かれた。
「ぐあー!!!! やめてー!!!!」
「おはようございます。目が覚めましたか?」
「結菜さん!! やめて!! 止めて!!」
「目が覚めましたか?」
「覚めたから!!」
「それなら早く皆んなから離れてください」
「皆んなくっついて離れないんだ!」
「それならしかたないですね。離れるまで足は止めません」
「死んじゃうー!! 死んじゃうって!!」
すると、僕の声で柚木さんが目を覚ました。
「あれ? なしてるの?」
「柚木さん!! 助けて!!」
「え!?」
結菜さんは僕に電気アンマをしながら柚木さんを睨みつけた。
「あら柚木さん、目が覚めましたか。次は柚木さんの番ですからね」
「輝久ごめん! わ、私帰るね!!」
「待ってー!!」
柚木さんは逃げる様に帰ってしまった。
「柚木さんには逃げられてしまったので、柚木さんの分も時間をプラスします」
「そんな! って、ちょっと芽衣さん! 寝ぼけてるんですか!? 今はダメです!!」
「んっ、輝久〜、すきぃ〜」
「ぬぐっ!」
芽衣さんは目を覚ましたのに、堂々とキスしてきた。
次の瞬間、僕の大事な所を本気で蹴られて、意識が遠のいていった。
***
「輝久? どうしたの? そんな変な声出して。まぁ、どんな輝久も大好きだけどねー♡」
「芽衣さん」
芽衣は結菜の声を聞いて我に返った。
「わ、私帰ろっかな」
「待ちなさい」
「で‥‥‥ですよねー」
それから全員起こされて、全員横一列に正座させられた。
輝久は白目を向いて気絶中だ。
「さて、私は今から全員にお仕置きをしようと考えています」
沙里は結菜の家でやられたことを思い出し、異常なまでに震えた。
「沙里さん、逃げた柚木さんを連れ戻してください」
「は、はい!!」
沙里は全力で走り出した。
(今逆らったらダメだ! 絶対に柚木を連れ戻す!)
残されたみんなも、結菜の目をみれないほどに怯えている。
「さて、まずは愛梨さん。愛梨さんは何故輝久君に抱きついていたんですか?」
「えっと‥‥‥い、言えません」
「そうですか。そこにある大きな葉っぱはアロエですか?」
「は、はい、アロエですけど」
「そのまま一枚食べ尽くしなさい」
「さっき沢山食べてしまって、もう食べれません!」
「身体中拘束して、沙里さんに差し出してもいいんですよ?」
「た、食べます!」
愛梨はアロエの葉をもぎ取り、瞬きもせずに必死にアロエにかぶりついた。
「次は‥‥‥」
結菜は、正座して横一列に座る皆んなの後ろをゆっくり歩き出す。
そして結菜は真菜の肩に手を置いた。
「真菜さん、貴方です」
「ご、ごめんなさい!!」
「口での謝罪はいりません。お尻で謝ってください」
「お尻で!?」
「はい、尻文字です」
「は、恥ずかしくて無理だよ!」
「恥ずかしいからしてもらうんです」
「やったら許してくれるの?」
「はい」
「わ、分かった‥‥‥」
結菜は携帯で動画を撮り始めた。
「ま、まって! 撮るの!?」
「当然です」
真菜は携帯を向けられて動揺しつつ、顔を真っ赤にして尻文字を始めた。
「ご、め、ん、な、さ、い」
「完璧です。真菜さんが結婚することになったら、結婚式で流してあげますね」
「や、やめてよ!」
「ちゃんと編集でオナラの音も付け足しておきます」
「もっとやめて!?」
真菜が精神的ダメージで落ち込んでいるのをよそに、結菜は次の人を選び始めた。
「次は‥‥‥鈴さん、貴方です」
「尻文字は嫌!!」
「大丈夫です。逆立ちしながらヤギのモノマネをしてください」
(なに‥‥‥そのマニアックな羞恥プレイ‥‥‥)
鈴は尻文字よりはマシだと思い、結菜の気が変わらないうちにその場で逆立ちをした。
「メ、メェ〜」
「んー、微妙ですね」
「私の勇気を返して!」
「そのまま逆立ちしていてください」
「えー!」
「次は芽衣さんです。こんな時のために、芽衣さんのSNSのアカウントを探しておいたんです」
「えっ!?」
結菜は、感情を込めて芽衣の呟きを読み始めた。
「はぁ、人生ってなんだろう‥‥‥」
芽衣は顔を真っ赤にしながら、結菜から携帯を奪おうとした。
「やめてやめて!」
「生まれ変わったら、お花になりたいな。そうすれば皆んな愛してくれるでしょ?」
「あー!! 読まないでー!!」
「自撮りの写真も投稿してますね。なんですかこのハッシュタグ【#百十円で売ってたら買ってくれる人いいね】って。百十円なんて高望みし過ぎだと思います。せめて【#沼で釣れたらゲロ吐いちゃう人いいね】とかにしてください」
「もう消すから! それ消すから! って、いきなり失礼だな!!」
その時、沙里が柚木を連れて帰ってきた。
「沙里! やめてよ!」
「いいから! 私の命に関わるの! ゆ、結菜! ただ今帰りました!」
「それじゃ、沙里さんと柚木さんと美波さんは、これを被ってください」
結菜はストッキングを三足結び、三人に頭から被せた。
「手を使わずに引っ張りあって、最後まで被り続けていた人は許します。最初に取れてしまった二人にはキツイ罰を追加です。よーい、ドン!」
三人は急に始まったバトルに慌てながらも必死に引っ張り合い、男には決して見せてはいけない顔になっていた。
「美波! ギブアップしなよ!」
「柚木こそギブアップしてよ!」
「二人とも早く諦めて!」
結菜は一人一人の顔を携帯カメラで撮り、満足そうにしている。
「や‥‥‥ばい! あー!!」
「美波さん脱落」
「いやだー!! 死にたくないー!!」
残りは沙里と柚木だ。
「ほら! 柚木諦めて!」
「沙里が諦めて! ほら! お菓子あげるから!」
「え? お菓子?」
「うあー!! 振り向くなー!! 捻れてるから! ストッキング捻れてるからー!!」
「沙里さんの反則負け!」
「やったー! 助かった!」
怯えている沙里と美波に結菜は言った。
「ただ、本気でやってもらうために言っただけなので、特に罰はありません。ですが皆さん、輝久君は私の彼氏です。手を出さないでください‥‥‥愛梨さん、聞いてますか?」
愛梨は無我夢中でアロエを食べている。
「とにかく、今日は暗くなってしまうので帰りましょう。輝久君は私が連れて行きます」
各自、自分の家に帰って行き、アロエを食べ終えた愛梨は、パーティー会場へ片付けの手伝いをしに行った。
「愛梨さーん」
「あら、貴方まだいたんですか?」
「下ろしてくださいよ〜」
「誰か、一樹先輩を降ろしてあげてください」
愛梨のガードマンに一樹は無事に降ろされた。
「そういえば愛梨さん、あの牛のストラップって、なにかあるんですか? 輝久君に貰ったとかなんとかみたいな話ししてましたけど」
「誰に貰ったか分からないんです。ですが、もしかしたら輝久先輩かもしれません‥‥‥」
「結菜さんと同じシチュエーションとか言ってたし、輝久君も結構曖昧な感じだったしね。よく分かんないね。でもさ、知らない人に貰った物を、そんなに大事にする?」
「あれは特別な物なんです」
「そうなんだ(まぁ、大事の基準なんて人それぞれか)」
「はい‥‥‥一樹先輩! お願いがあります!」
「な、なに!?」
「輝久先輩があげたのが、本当に結菜先輩なのかどうか調べてください!」
「どうやって調べるの?」
「あげた人の特徴とか聞いてみてください」
「わかった。明日聞いてみる」
「ありがとうございます」
その頃輝久は‥‥‥。
「起きましたか?♡」
「ゆ、結菜さん!?」
逃げようとする輝久を、結菜は後ろから抱きしめた。
「逃げちゃダメですよ♡ まだ消毒が終わってません♡」
「許してよ! 僕は悪くないよ! 皆んなが無理矢理!」
「輝久君のお母様には、泊まると連絡を入れておいたので安心してください♡」
「勘弁してよー!」
「浮気しておいて、何もせずに帰れると思う方がおかしいかと。私は傷ついています」
「ご、ごめんなさい」
「許しませんよ? それなりの罰を受けてもらいます」
結菜は輝久の耳元で囁いた。
「恐怖、痛み、快感、屈辱、全てを植えつけてあげます。今までは優しくしすぎました、輝久君もそろそろ学ばないといけません」
「死なない程度にお願いします‥‥‥」
「ギリギリで許してあげます。私だって辛いんです。大切な輝久君に酷いことをするのは」
「なら、やめましょう!」
「躾のなっていない犬は調子に乗ります。どんなに可愛くても早めに躾けないと、後々大変なことになりますから」
「神様ヘルプミー」




