プレゼント選び
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輝久の誕生日前に、結菜と柚木は一緒に、ショッピングモールにプレゼントを買いに来ていた。
本当は全員で行く予定だったが、都合が合わなかったのだ。
「まさか、柚木さんと二人で買い物とはね」
「なに? 嫌?」
「はい」
「うわ! 正直すぎ!」
「柚木さんにもプレゼントを買うんですよ? 何を買ったかバレたくないじゃないですか。そういう意味の嫌です」
「大丈夫! 絶対見ないから!」
結菜と柚木は、プレゼントを見られないように、店内で別行動になった。
結菜は、柚木には学校に持っていける白い、シンプルでオシャレなリュック。
芽衣には黄色いペンケースとボールペン。
美波と真菜には、二人お揃いになるように同じスニーカーを購入した。
靴のサイズは、こっそり上履きを確認してある。
輝久には、新作のゲーム機とゲームソフト。
そしてシンプルな黒いマフラーを買った。
結菜は大切な人のためなら、惜しまずにお金を使うタイプのお金持ちだが、実はたまに、宮川から注意されることもある。
スムーズに買い物が終わった結菜は、柚木を探して声をかけた。
「買い終わりました」
「ちょっと! まだ来ないでよ!」
「柚木さんは私に買い物を見られても大丈夫じゃないですか」
「ダメなの! それより、随分大荷物だね」
「はい、重たいので早く買ってください」
「わ、分かったからあっち行ってて!」
「それじゃ、休憩室にいますね」
「分かった! すぐ行くから!」
柚木は結菜の誕生日を知っていたが、プレゼントをあげることができなかったのを思い出し、結菜にもプレゼントを選んでいた。
美波と真菜、そして芽衣には、いろんな動物の形をした小さな消しゴムの詰め合わせ、結菜にはピンクのミサンガ、輝久には黄緑色のミサンガを買った。
そして柚木は、急いで結菜の元へ向かった。
「買い物終わったよ!」
「それじゃ帰りましょうか」
「もう帰るの!?」
「この荷物ですから、今日は帰りましょう」
「んー、わかった」
柚木はまだ遊びたそうだったが、今日は帰ることにした。
結菜と柚木は、寒空の下を話をしながら歩き出す。
「柚木さん、ずっと気になっていたんですが、あの時、なんで愛梨さんに殴りかかったんですか?」
柚木は少し切なそうな表情で答えた。
「同じだから」
「なにがですか?」
柚木はなにかを隠すように急に笑顔になり、結菜を見つめた。
「なんでもない!」
「変な人ですね」
「へへっ」
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別の日、僕と一樹くんは一緒にプレゼントを買いにショッピングモールへやてきた。
芽衣さんと美波さんは、あの時のヘアピンとヘアゴムでいいって言ってたけど、誕生日はやっぱり別だよな。
財布を開いてため息を吐き、芽衣さんには新しく、ちょっと可愛らしい薄ピンクのヘアピン。
美波さんには前回と違う花が付いたヘアゴムを買った。
柚木さんと真菜さんは何が欲しいのかな‥‥‥。
※
いろいろ考えた結果、二人には可愛い入浴剤のセットを買った。
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一樹は、輝久と別行動で商品を物色していたが、まだ輝久以外とは仲も浅く、何を買えばいいか一番悩んでいた。
輝久には、前好きだと言っていたアニメのフィギュアをUFOキャッチャーでゲットし、悩みに悩んだ結果、美波さんと真菜さんには、フルーティーな香りがする、同じ香水を買った。
柚木さんにはカエルの小銭入れ。そして思いを寄せている芽衣には、黒いモコモコの手袋に、白いリボンの付いた手袋を購入した。
輝久と一樹は思った、来年は十一月に向けてお小遣いを貯めておこう。
※
そして別日、美波と真菜は姉妹でプレゼントを買いに来た。
二人は毎年、お互いにお菓子を年齢分プレゼントするのが決まりになっている。
最初にお菓子を買って、そのあとは一緒に皆んなのプレゼントを選び始めた
「お姉ちゃん! 最初に輝久君のプレゼント選ぼ!」
「いいよ! 何が喜ぶかな」
「なんだろう、日頃から使える財布とかは?」
「いいね! 見に行こう!」
二人は財布屋さんに行き、商品を物色し始め、二人はすぐに、同時に一つの財布を指差した。
「これは?」
二人の意見が一致し、輝久にはシンプルな白くてカッコいい長財布を割り勘で買った。
その後、柚木にはオレンジのニット帽。
芽衣には赤いニット帽を買って、二人は帰っていった。
※
芽衣は、美波と真菜と入れ違いになり、一人で買い物に来ていた。
輝久にはクラッシックのオルゴール。
美波にはパンダが刺繍された靴下。
真菜には猫が刺繍された靴下。
柚木にはミカンが刺繍された靴下を買って、すぐにきたくした。
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そして僕の誕生日当日。
夕方まで普通に授業を受け、放課後になると、皆んなはソワソワし始め、柚木さんが帰りの準備をしながら僕に言った。
「今日の誕生日パーティーは、輝久の家でしようよ!」
「えっ! 僕の家ですか!?」
「私も久しぶりに行きたいです!」
「結菜さんも言うなら、わ、分かったよ!」
各自、一度自宅に帰り、準備ができた人から僕の家に来ることになった。
僕も家帰り、パーティーすることを一様お母さんに伝えた。
「今日、僕の家で誕生日パーティーすることになったから」
「あら! お母さん、なんだか嬉しい!」
「なにが?」
「お母さんになれば分かるわよ!」
んじゃ一生分からないわ。




