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転生者は、利用される

間が空いてしまいすみませんでした……

110000PVありがとうございます!


またブックマーク登録いただきありがとうございます^_^

励みになっております!!


今後ともよろしければブックマーク登録、評価、感想などお待ちしております!


「そ、その声はっ!!」


どこぞの映画の台詞にありそうな言葉を叫び、周辺を見回す。

だが長閑な風景が広がっているだけで、あの綺麗な黒髪ロングの姿は見当たらない。


「ワンダさん!あれ!?ワンダさんどこ!?ワンダさーーーーん!!」


「フェッフェッフェ!!騒がしいヤツだね全く!」


騒がしくなって当然である。


1年もどこに行っていたのか。

どうしてお見送りをさせてくれなかったのか。

怪我はしていないのか。


確認したいことは山ほどあるというのに、ただひたすらにワンダさんの名前を連呼することしかできない。


「今のワタシの姿が見えないとなると、相変わらず魔力はカスカスのようだね。流石ゴブリン以下!フェッフェッフェ!」


小馬鹿にしたようなその発言すら懐かしさしか感じないのだからもう重症だろう。


「意地悪しないで出てきてくださいよ!」


「フェッフェッフェ!!」


しばらく笑い声が続いた後、ワンダさんは何かに気がついたように声のトーンを少し落として言葉を続けた。


「はぁ…お遊びはこれくらいにして。時間もあまりないことだし、早急に取り掛かるよ。あの小僧はどこだい?」


「アルのことですか?多分関所だと思います。」


「はぁ?なんだいそのしけたツラは。」


「いえちょっと…さっき突然飛び出してきちゃったのを思い出しまして。」


ワンダさんとの(姿は見えていないが)衝撃の再会に驚いて抜けていたが、私はアルに謝りに行かなければならないのだった。


「へぇ!一丁前に喧嘩かい!」


「私が全体的に大人気なかったので、これ以上気まずくなる前に謝りに行くところです。ちょっと緊張しますけど…」


「フェッフェッフェ!!なんだいつまらない!もっとハデに殺り合えばいいのさ!」


「え、嫌です。例えそうなったとしても勝率ゼロで私の死体が転がるだけなので。」


「さぁ?それはどうだろうねぇ?」


含ませるようなワンダさんの言い方に何の話か問いかけようと口を開いたところで、足元から凄まじい風圧を感じる。

身体が宙を浮くような感覚に怖くなり、目を固く瞑ると耳元からワンダさんの声が聞こえた。


「とにかく、そんなに仲直りがしたいなら仕方ないね!お前さんが緊張しないように、このワタシが手助けしてやるよ!」


嫌な予感しか、しない。


























◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇















何度も先ほどの光景が脳内で繰り返される。


「アルのバーカ。」


モブが怒った。

瞳の中に怒りとほんの少しの悲しみを覗かせながら立ち去った姿は、今まで見たことがない。


「旦那ぁ…何してるんすか。あそこは素直に『お前と生きるためだ』って決めるところっすよ!」


確実に火に油を注いだのはこのクソ蛇だが、あまりのその衝撃にしばき倒す気すら起きない。


「でも自分はあんなにクソとか言ってるのに、ネェさんのあの一言にそんなにヘコむものっすか?」


正確にはバカという言葉に驚いたのではなくて、本気のトーンで言われてしまったことに絶望感を覚えたからである。


嫌われたかもしれない。

もう二度と顔も見たくないと思われてるかもしれない。


こんな気持ちになるのは初めてでどうしたら良いか分からず、ただひたすらに膝を抱えて遠くを見つめた。


「なぁ元気出せって。みんなこういうことを経験して大人になって行くんだよ。」


「そうだそうだ!あのお嬢ちゃんとならすぐ仲直りできるって!少年が素直になれば一発で終了だ!」


「そうだそうだ!!そんな眉間にシワを寄せずによ!」


「なんならこの菓子持ってけよ!クラウス隊長の部屋からくすねてきたんだ!高いヤツだぜきっと!」


「……おま、それ殺されるんじゃね?」


さっきまでボコボコにしていた兵士たちにさえ励まされる始末。

1人の兵士からお菓子を握らされると、それは確かに以前アイツが美味いと嬉しそうに食べていたお菓子だった。


(もので釣るのは卑怯か…)


しかし単身で挑めるほど経験も知識もない今、頼らざるを得まい。


「………悪りぃな。」


「「ヒィッ!気味が悪い!!」」


「よし分かったテメェら喧嘩売ってんだなそこに並べ!!」


つくづくアイツのことになると自信がなくなる自分を女々しく思う。

それでもこのままだとオレ自身が持たないので、情けないが自分の口からちゃんと説明しようと気合いを入れた。


……はずだったのだが。


「だれか助けてくださーーーい!!」


「何やってんだクソモブがぁああああああああああ!」


道中で宙に浮いているモブを見つけて全てが吹っ飛んだ。

必死に飛んでいかないように木の枝に捕まってはいるものの、ほとんど逆さまのような状態である。


どうなったらそうなるんだよ。


こちらに気がついたモブが、涙と鼻水を垂れ流しながら叫び続ける。


「アル!た、たすけ!!宙に!!あかーーん!これあかーーん!」


「何がどうなったらそういう状態になるんだよ!」


「アル様神様仏様!!助けてぇええ!まだ死にたくないです恐ろしやぁああああ!」


「少し離れただけでこんな状況になるお前の方が恐ろしいわ!!今迎えに行くからそのまま」


「っうわわ!?」


モブの悲鳴が聞こえたかと思えば急に浮力を失い、重力に引っ張られるように下へと落下する。


あんなところから落ちたらそ、即死するんじゃ……


「っ待て待て待て待て待て!!!!」


全速力で下に回り込み、落ちてきたモブを受け止めながら衝撃を魔法で逃す。

それでも慣れない魔法のせいで負荷がかかったのか、感電したような痛みが全身を貫いた。


「いっ………てぇ……」


あまりの痛みに思わず声が漏れてしまったが、気を取り直して馬鹿が怪我をしてないか確認する。


「来世はイケメン美少女に生まれ変わりたい………」


しまった、頭は手遅れだった。


「フェッフェッフェ!!釣れた釣れた!やっぱりアンタを捕まえるにはレイを使うのが一番だねぇ!」


気を失っているモブを起こそうとしたその時、憎たらしい声が真横から聞こえ心臓が跳ね上がる。


おもむろに視線を向けてみれば、そこには信じられない光景が広がっていた。

ここまで読んでいただきありがとうございます!


更新遅くなり申し訳ありません……


言い訳はしません……ちょっと一狩行ってました……


また更新していきますので楽しんでいただけると嬉しいです^_^

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