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転生者と少年の、束の間の休息

100000PVありがとうございます!!

ついにここまで来ることができました!

いつもありがとうございます^_^


またブックマーク登録、評価をいただきありがとうございます!

励みになっております!


今後もよろしければブックマーク登録、評価、感想などお待ちしております!


「これがランディの幼い頃だ。」


「うわぁエクボ変わらないなぁ…可愛い…。天使じゃないですか……。」


「そうだな。私の後ろをついて来る姿はなかなかいいものだった。」


「このランちゃんが後ろをついてくると考えると激アツですね。」


ダニーの件をとりあえず報告したその後は、ランちゃんの過去トークでクラウスさんと盛り上がっていた。


「そもそもなんであんな可愛い弟さんがいるって教えてくれなかったんですか?」


「すまない。会う機会はないだろうと考えていたからな。」


「うわークラウスさんの意地悪ー。」


「すまない。もっと早く紹介しておけば良かったと後悔しているところだ。」


「罰としてランちゃんの写真を私に献上してくださいね。」


「善処しよう。」


ランちゃんのおかげでクラウスさんとの距離もぐっと縮まった気がする。

もっともっと話をしようと意気込んで若干身体を前のめりにさせると、クラウスさんは右手で私の動きを制した。


「あ、もう戻るんですか?」


「まだまだ話し足りないが、これ以上煽るのもよろしくないだろう。残念だが今日はここまでだ。」


「煽る?」


困ったように笑いながら私の頭を撫でたクラウスさんは少し身体を右にずらす。

すると先ほどまでクラウスさんがいた場所に突然氷の結晶が突き刺さった。


「うぇえ!?なに!?敵襲!?」


「さてあとはモブロード嬢に任せて退散しよう。」


「なんで!?」


クラウスさんが指を指した方向へ急いで振り向くと、そこには苛立ちげに顔を歪めるアルの姿があった。


「なに避けてんだクソ真面目。」


「串刺しにはなりたくないからな。では失礼する。」


物騒な会話を交わしながら立ち上がったクラウスさんは和かな笑顔を私に見せると、早々に部屋から出て行ってしまった。

残念ではあるがそれよりも気になることを消化するべく、私はアルに声をかける。


「そのクマどうしたの?」


「別になんでもねぇよ!!」


整った顔に一際目立つ不健康そうなクマを心配していると、足音を立てながら私に詰め寄り鋭く睨みつける。


「テメェいい加減にしろ!!クソ真面目しかりクソえくぼしかり誰に対しても嬉しそうに尻尾振りやがって…!」


「し、尻尾?でもさっきの短時間でクラウスさんと仲良くなれた気がするよ。これもランちゃんのおかげだね。」


「あ"!?またソイツかよ!!ランちゃんランちゃんってしつけぇな!なんだよそのあだ名は!!腹が立つからやめろ!」


「えー?じゃあランディ?」


「あ"!?!?呼び捨てとか論外だわふざけんな!!」


「おおっと!?もうレイちゃん大混乱だよ!?」


「オレの前でソイツらの名前呼ぶんじゃねぇ!!!」


「それは無理だと思うよ!?」


「オレだって分かってるわ!!でも胸糞悪りぃんだからしょうがねぇだろ!」


髪が逆立ちながら気持ち悪そうに胸元を握りしめる幼馴染の姿に、とてつもなく心配になった。


もしかして、具合悪いのではないか。


なにも考えずにダニーの魔力をアルに移したけど、本当に大丈夫だったのだろうか。


しかもそのあとテオさんというよく分からない人に追われたりして、身体を休めてないだろうし。


そのせいでよく分からないことで苛立ってしまっているのかもしれない。

そう思うと、我慢などできなかった。


「おいなんだその手は。」


思わず手をニギニギ握りながらゆっくりとアルに近づく。


「大丈夫だって。他意はないから。」


「嘘つけ!!他意しか感じねぇよ!」


「いや本当大丈夫、とって食ったりしないから……ってことで隙あり!」


「うおっ!?」


警戒していたアルの手首を掴み、思いっきり布団に引き込む。

突然の衝撃に対処しきれなかったのか、私に引っ張られるまま一緒に布団に倒れこんだ。


「はっ!?おまっ!」


「なんかよく分からないけど疲れてるんだよ我が幼馴染よ!!ということで一緒にお昼寝をしよう!」


「はぁ!?!?ふっっっっっざけんな!!死んでもごめんだっつの!!」


「はいはーい、いい子ですねー。横になりましょうねー。」


焦ったように起き上がろうとするアルの手首を掴んだまま、布団を上から被せて拘束する。

母親が干してくれた太陽の匂いに欠伸が誘発され、私の方が先に眠くなってきた。


「離せ!オレは出る!!」


「嫌だよ……そんなクマがすごい子を放ってはおけません…」


「もっと色が濃くなるわ!!こんなところで寝れるか!!」


「もう頑固だなぁ…」


「あ"?……おい待て待て嘘だろ?頼むからこっち来んな!!」


半分既に眠りついている私は、アルに身体を近づけて思いっきり抱きつく。


やば、身体熱いじゃん。

熱あるんじゃないの?


身体を強張らせたアルが安心して眠れるように、背中をトントンと一定のリズムで叩いてあげることにした。


「なにやってんだお前……」


「いいでしょ…安心するし……私これ好きなんだよね…」


「はぁ…そうかよ……」


諦めたように大きくため息を吐いたアルにデジャヴを感じながらもウトウトしていると、柔らかく頭を撫でられる。


「オレはいいからもう寝ろ。」


「うん…アルも…」


「おー、一緒な。」


今度は私の背中を優しくトントン叩いてくれるアルに急速に眠りの世界に連れて行かれる。


やっぱりアルが隣にいると安心するね。


ほとんど閉じかけている目を無理やりあけて、小さく呟く。


「おやすみ…」


「はっ、白目になってんぞ……おやすみ。」






























その後牧場から戻ってきた父親は、隠れるようにしてレイの部屋を覗き見る母親の姿を目撃する。


「ただいまエマ!あれ?なにしてるの?」


「おかえりなさいエドワード。ふふ、可愛い寝顔を見てたのよ。」


「レイちゃんの!?僕も見たい!!」


「うーん……起こしちゃったら可哀想だからだめ。」


「そ、そんな……」


自分自身が五月蝿い自覚のある父親はそれ以上は踏み込めず、渋々リビングへと足を運ぶ。


(仲良く寝てる姿なんて見せたら、きっと泣き叫んで起こしちゃうもの。)


安心しきったように眠る自身の娘と、その少女を守るように横になって瞳を閉じている赤髪の少年の姿をもう一度目に焼き付けて、母親はゆっくりと扉を閉めた。


ここまで読んでいただきありがとうございます!


私の幸せなお昼寝タイムのイメージは、小さい子が寝てる姿ですね。


ほのぼのしていて心が洗われます……。

そういう写真集とかあったら絶対買うと思います笑笑

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