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転生者は、魔女と過ごす〜4日目〜

8000PVありがとうございます!!

ブックマークなどなどありがとうございます…!


よければ今後とも感想、評価などお待ちしておりますー!

「あ、え……なんで?」


家の扉を半開きにして、しばらくフリーズ。

今日も今日とて魔女さんの家へ向かうべく扉を開けてみると、そこにいたのは最近見慣れた赤髪ではなく。


「クラウスさん…?」


今まで見たことがないぐらいに随分とラフな格好で、クラウスさんが立っていた。


「ん?ああ、おはよう。モブロード嬢。」


「お、おはようございます。えっとなんでここに……?」


「成り行きでな……今日は私が付き合おう。」


さあ、準備はいいか。


そう言って未だ混乱状態の私の手を引いて、私の返事を待たないままクラウスさんは歩き始めた。


































「あのークラウスさん…今日は……。」


「気にするな。非番だ。」


「いやそうじゃなくて。」


足が短い私の歩幅に合わせてゆっくりと歩いてくれるクラウスさんを見上げて問いかけるも、少しずれた回答しか帰ってこない。


「非番なら尚更なんでここにいるんですか。それにアルがまだ……」


「今日は君の幼馴染は来られない。」


「?どういうことですか?」


クラウスさんは私に視線を一瞬向けたあと、すぐに逸らし前を向いてしまう。


「……さあな。」


「さあなって……適当ですね。」


「ともかく私は妖精たちの後をついていったその結果、君の家にたどり着いた。……深く考えなくていい。君の幼馴染が来れるようになれば、それこそ魔法ですぐに飛んで来るだろうさ。」


「そ、そうですか。」


完全にクラウスさんのペースに飲まれた私は、言われた通り考えることを放棄した。


「そういえば……君はいつの間に魔女に弟子入りしたんだ。」


せっかく考えるのをやめたのに、とんでもない爆弾を投下しやがって。


「いやしてないです。」


「そうか?あの収集の魔女が自分のコレクションをただの他人に分け与えるとは…到底思えないがな。」


クラウスさんに手を繋がれている腕を少し上へ引っ張られると、私の手首から昨日から装着している魔法道具が顔を出した。


「これは彼女から譲り受けたんだろう?」


「あー…いや譲り受けたというか、借りているというか。」


「なんだ?魔力を身体に慣らす特訓でもしているのか?」


「え"。」


平然とした顔で、どんな特訓をしてるか一瞬で見破られた。


「この魔法道具はそういう代物だからな。一般人が目にすることはそうそうない貴重品だ。」


「これ……もしかして結構ヤバいものだったりしますか?」


「?ヤバいかと言われると分からないが…そうだな。………家ひとつ建つぐらいの価値があるぐらいの代物だからマニアには人気だな。」


「そういうのをヤバいものっていうんですよクラウスさん。」


そんな高価なものをつけていたとは知らなかった。普通にお風呂とかそのまま浴びてたし…錆びたらどうしよう。過去に戻れるならそんな自分を叱りに行きたい。


「まあ詳しく魔女に聞けば分かることだ。………ほら着いたぞ。」


























魔女の家、4日目開始。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇






扉をノックしてから数秒後に顔を出した魔女さんは、一度大きく見開くとからかうようにクラウスさんの肩に手をかける。


「んんん?なんだいなんだいクラウス!お前さんが来るなんて!言ってくれれば上等な菓子ぐらい用意しといたのにねぇ!」


「そんなもの持ってないだろう。それに今日は()()()()()に従ったらたまたまこうなったまでだ。……とにかく邪魔するぞ。」


「フェッフェッ!()()()()()ねぇ…?そうかいそうかい!」


(なんだかんだ仲良いよねこの二人。)


そう思いながら家の中へと入るクラウスさんに続こうとすると、魔女さんに頭を鷲掴みされ動きを封じられる。


「イダダダダダダ」


「待ちな!!………レイ!アンタの相棒はどうしたんだい?今日は来てないのかい?」


「?……アルのことですか?よく分からないんですけど、来れないらしいです。クラウスさんが言っていました。」


「ふーん……そうかい!」


そう言って怪しげな笑みを浮かべ、足早に家へ戻る魔女さんの後ろ姿に一抹の不安を感じた私は急いで後を追いかける。私が部屋に入るタイミングで、魔女さんはソファの背もたれ部分から手鏡を取り出した。なにやら真剣な眼差しで見つめているようだが。


「………なにしてるんですか?」


「……うん?フェッフェッ!あんなに過保護だったアイツが、お前さんを放ってなにをしてるんだと思ってね…。面白そうだからアイツが他の女にうつつを抜かしてないか調べてやるのさ!」


「普通にプライバシーの侵害ですワンダさん。」


「これは一級魔法道具で、ワタシのお気に入りさ!顔と名前が分かっているニンゲンであれば、この鏡を通して、今、どこで、何をしてるのか覗くことができる代物だよ!一度使って見たかったのさ!」


「ヤバい代物じゃないですか。しまってくださいワンダさん。………もう…クラウスさんもなんとか言ってくださいよ…。」


「こうなったら無理だ。」


「フェッフェッ!!そういうことさ!大人しくそこで待ってな!お前さんにはどうせこの手鏡の映像も見えないだろうしね!」


「別に興味ないので結構です。」


楽しそうに手元の魔法道具をイジる魔女さんに、どさくさに紛れて横から覗き込むクラウスさん。ちょっと待て。クラウスさんは特にダメだろう。なに便乗してるんだアンタ。


(個人情報はこうやって漏れていくのか…。)


この超人たちを前にしたら止めることは出来ないと心の中でアルに謝罪をし、昨日と同じように修行を再開しようと意気込んだのだが。

































「はぁ…なんだい……!!ジジイが死にかけてるだけかい!つまらないねぇ!!」




私はその言葉の意味がすぐに理解できず、その場に立ち尽くした。


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