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XII.弟はやっぱり姉には逆らえない。

※注釈

・コーリャ

主人公の名前、ニコライの愛称。

節子をせっちゃんと呼ぶ様なものです。

節子ぉ、それ、ドロップやない!空飛ぶスパゲッティモンスターや!!

まあ、本当は略称だとか愛称だとか、立場によって呼び方が変わったり、と非常に面倒なのですが、本作ではその様な事は殆ど考慮しておりません。

本当なら、これも姉が弟を呼ぶ際のものですから、コーリャではなくニコラーシャが正しいのだとか。

うん、そこまで厳密にする必要もありませんし、そこのところはご理解下さい。


・連邦

(長くてすいません。筆者は設定厨なものでして。ご容赦下さい)

主人公のいるプラトーク帝国の南に位置する大国。

元々は別々の二国だった。

普通、隣り合う二国といういうものは大概仲が悪いものだが、この二国は違った。

同一民族で民間でも、公的にも交流が多く、国家間の仲は良好。

一方は主要都市での選挙で国家元首を決めるという進んだ民主主義を取り入れた国家で、もう一方は王政を敷く従来通りの国家であったため、本来ならいくら何でも合併など可能なはずがない。

しかし、北と南を帝国に挟まれ、二国共に防衛上の危機に瀕していたという事もあり、遥か昔に立憲君主制の国家として合併した。

北の帝国とは、主人公達のプラトーク帝国、南の帝国とは、名前だけヤケに出て来るフォーアツァイト帝国の事。

今日の国家情勢にまでこの二国合併が与えた影響は計り知れないが、少なくとも彼等は侵略される事なく未だに自治を保っている。

プラトーク帝国が大人しくなって以降は他国との連携を強め、今では対フォーアツァイト帝国包囲網の盟主的存在となっている。

政治形態としては、基本的には両国の制度を引き継いでおり、主要都市での男子普通選挙で議会の議員を決定、議員による多数決で首相を指名し、首相の指名によって内閣を形成する。

王家は議会に於ける発言権と内閣総理大臣への提案権を有するが、それらに強制力は無く、殆ど民主的な政治であると見なして問題ない。

まあ、英国みたいなものです。

空軍は存在せず、陸軍に航空隊として含まれている形だが、航空戦力にはかなり力を入れており、規模だけならば国の規模の割には凄まじいものとなっている。

(ちなみに、海軍には航空隊は存在しない)

しかしその分陸上、海上兵力は良くも悪くも並程度、もしくはそれ以下の規模となっている。


・直掩

直接掩護の略。

航空機の場合、頭上をブンブン飛んでもらい、守ってもらいます。


・牽引砲

車輪などを付け、車や馬、人力などで引っ張る事で移動させる砲。

所謂自走砲とは違い、展開には時間がかかります。


・ヴィートゲンシュテイン

第一話に登場した若造。

現在、軍の最高責任者で、帝国軍再建を指揮している。

 広い客間には、姉と妹しかいなかった。

 トルストイ伯は席を外したらしい。


 私とソフィア医師の()()の報告を聞いたらしいナーシャは、不機嫌そうに私を見据え、姉のオリガは私の方を見ようともしない。


 完全にアウェー。敵陣ど真ん中だ。


 元々オリガとソフィアは父母共に同じで、私だけ母親が違う。

 更に私だけが男だから、昔からこの構図になる事はよくあった。

 しかし、それでも慣れるものではない。


「姉上、お話とは?」


「当然ながら父上に関する事だけど?」


 姉はそう突き放す様に言うと紅茶を一口飲み、自分の向かいのソファーを指差して座るように促す。


 私が渋々腰を下ろすと、彼女は単刀直入に切り出す。


「何故、父上を斬ったの?」


 その言葉からは何の感情も見えない。

 怒っているのか、それとも悲しんでいるのか。

 それとも、何も感じていないのか。


 ただ、口調だけは鉄をも貫きそうなぐらい刺々しい。


「それは…民を救うため、私が…」


「民を救う?…ご立派ね。実際にはナーシャに(そそのか)されただけだと聞いたけど?」


「姉上、それは違います。確かに私は兄上を唆しはしましたが、最終的に兄上が父上を殺したのは民を想っての事です」


 妹のフォローが入るが、そんなものは全く効果が無い。


「あら、(いず)れにせよ大した理由ではないという事でしょう?民を救う?そんな歯が浮くようなセリフをよく言えたものね。昔からあなたは口だけは達者だったけど、未だに治らないの?」


「しかし、姉上は今の帝国の現状を何とも思わぬのですか!?」


「落ち着きなさい。…あなたはいつもそうやって熱くなる。昔から悪い癖だから改めなさいと言ってるでしょう?」


「しかし…」


「あなたは戦争で国を豊かにするつもりの様だけど、それはつまり他国の民から富を奪って自国の民に分け与える、という事よ?自己中心的過ぎるわ。それでヒーローぶってるなんて馬鹿みたい。そろそろ大人になってもらわないと」


 彼女はやれやれと溜め息を吐くと、こっちに来なさい、と手招きする。


 言う通りに彼女の方へ行くと、彼女は自分の膝を指差す。


「姉上、何を?」


「久し振りに弟を可愛がってやりたくなっただけよ。昔はよくそうしていたでしょう?おいで、コーリャ。コーリャは二十歳を過ぎてもまだまだ子供だものね?ほら、膝の上に座らないの?」


 馬鹿にした様な口調で彼女は私を挑発する。


「姉上、ふざけるのは止めて下さい」


「ふざけてなどいないわ。私は本気よ?昨日の夜会での事、もう忘れたのかしら?私に随分恥をかかせてくれたわね。ささやかな仕返しぐらい大目に見て欲しいものだわ。さあ、早くおいで」


 こうなれば仕方が無い。

 屈辱だが、姉の膝の上に座らざるを得ない。


 私が嫌々膝の上に座ると、姉は満足気に笑う。


 妹が羨ましそうにこちらを見ると姉は、ごめんね、と小さく謝罪する。


「まあ、父上を殺した事はもう良いわ。可愛い弟と妹が少しいたずらを仕出かしただけの事だものね」


 彼女は私の頭を撫でながら尋ねる。


「ところで、侵略戦争で富を奪うとなれば…連邦に攻め込むのでしょう?」


「周辺では一番豊かな国ですから。必然的にそうなるでしょうね」


「でも、勝てるのかしら?連邦はかなり航空戦力に力を入れているそうよ。例え陸軍が優っていたとしても、航空優勢をもぎ取れなければ勝ち目は無いわよ。敵地で上空から攻撃され続ける事の意味を理解しているのかしら?無駄に損耗して終わるだけよ?」


 姉は賢い。

 これくらいの戦略的知見は持ち合わせている。


「勿論理解しています。航空機の開発はもう既に出来ており、製造に向けて準備は進んでいます」


「それが甘いと言っているの。その様な急造の航空部隊が使い物になるとでも?連邦航空部隊は、フォーアツァイト帝国軍との戦闘で見受けられる限りでは練度も技術力もピカイチ。ナーシャから聞いた話では、半年で準備するとの事だけど…半年の訓練で連邦と同水準のパイロットを育てられるの?どうせ、製造準備中の航空機とやらも連邦と比べれば遅れた技術によるものでしょう?」


「確かにそうですが…それは陸軍で補います。航空機はあくまで陸上戦力の直掩に徹し、陸上でも対空砲などで陣地を形成、対空戦闘を行います。これで少しは補えるのでは?」


 姉はふと私の頭を撫でていた手を止めると、私の頬をつねる。


「いててっ…」


「コーリャ、それ本気で言ってるの?だとしたら大馬鹿者よ?」


「はい?」


 何に関して言っているのだろうか?


「先ず聞くけど、その対空砲とやらは誰が運ぶの?」


「へ?兵站で…」


「車や馬で運ぶのでしょう?車輪が付いているとは言え、まさかそのまま戦場まで押して行く訳にもいかないしね。でも、どこまで持って行くつもり?こちらから侵攻するからには、帝国軍は常に前進する事になる。装甲を施していないトラックなんか格好の的になるからあまり前線まで行けないし、必然的に人力で牽引する事になるわ。それで前線まで持って行けるの?牽引砲ではほぼ不可能よ」


「成る程、対空自走砲の導入等を検討すべきですね」


「あと、陣地を形成、とか言ったわよね?防衛戦なら兎も角、攻撃するのにそんな事無理よ?敵に対応するための時間を与えないためにも素早さが求められるのに」


「はあ…仰る通りで…」


「それに、純戦闘員を守らせるだけでは駄目よ。コーリャの作戦では兵站網を敵航空機に破壊されてしまう事は明らか。確実に負けるわよ。まさか…本当にそれで攻めるつもりだったの…?」


 彼女は両手で私の頰をぐにゅぐにゅと更に捻る。


「いえ、まだ作戦立案段階ではありませんから…私の脳内でのプランでしかありまひぇん、いてててっ!」


「それを聞いて安心したわ。もし本当にそんなプランを進めようとしているのならコーリャを殺してでも止めなければならなかったから」


「ははっ…ご冗談…ですよね…?」


「さあね」


 あ、絶対冗談じゃないヤツだ。

 ナーシャ同様、我が姉も平気でそういう事をしかねんからな…


「取り敢えず、戦争をするからには中途半端は許さないわ。軍の責任者に会わせなさい。誰が軍の再建指揮をしているの?」


「ヴィートゲンシュテインの事ですか?彼は忙しくて、ここにも最低限の報告のためにしか訪れないのです。今日も来ないかと」


「なら、呼び出せば良いのよ」


「そもそも今何処にいるかも分からないのです。常に移動し続けている様で」


「ならば、私達の方から出向きましょう」


 え?


「出向く、とは?何処にですか?」


「その男の屋敷に、よ。どんなに忙しくても睡眠は必要なのだから遠出していない限りは戻って来るでしょう?まあ、朝帰りされるとそうもいかないけど」


「何もそこまでせずとも…わっ!」


 私がそう言い終わらないうちに、姉は私の耳にふっと息を吹きかける。


「いつからコーリャは私に逆らう様になったのかな?昔は姉上、姉上って可愛い素直な子だったのになぁ」


「何年前の話ですか…!いつまでも私を子供扱いしないで下さい」


「あらら?反抗期かしら?」


「姉上、良い加減にしないと…!」


「それとも、思春期かな?!えい!」


 彼女はそう言うと、私をぎゅう〜っと胸で圧迫する。


「く、苦しい…!」


「姉上大好き、って言ったら止めてあげるわ」


「くそっ…!…姉上…大好き…」


 全く…これだから姉と弟の関係というのは…


 世の弟諸君には心底同情する。

 弟が姉に逆らえないのは万国共通だろうから。


「じゃ、コーリャも付いて来るって事で決定ね」


「はいはい、分かりましたよ。では、留守にする間の私の仕事は誰にさせれば良いのだろう…」


「兄上!ソフィアにさせましょう!ソフィアは留守番として置いていきましょう!」


「ソフィア…?ああ、確かコーリャの愛人だったっけ?」


「違います、兄上を誘惑する汚い小蝿です!」


 急に妹が活き活きとし始めるが次の瞬間には、ナーシャもお留守番よ、という姉の言葉で妹は急に生気を失う。


「姉上…私も行きたいです…」


「駄目。あまり大人数で行っても邪魔になるだけだから。お留守番ね。分かった?」


 妹はうなだれて、はい、と小さく返事する。


「では、ナーシャはコーリャの仕事を出来る範囲でしておいてあげてね。コーリャの愛人さんと仲良くね〜」


 ナーシャは、絶対に仲良くなんかしません、と嫌そうな顔で応える。


「コーリャ、出発の仕度を。私は夫と息子に事情を説明して来るから準備出来たら私の部屋まで呼びに人を()って」


「了解です」


 こうして──私もナーシャも気の乗らない──ヴィートゲンシュテイン家訪問が決まったのだった。

 私もナーシャも姉には逆らえない。絶対に。



 ✳︎



「随分と準備に手間取ったのね?」


「姉上は知らないでしょうが、今は使用人の殆どが休みでして」


 そのせいであの忌々しい副メイド長のエレーナにも頼らねばならなかった。


 準備を手伝ってくれ、と頼んだ時の彼女の嫌そうな顔ときたら…よくもまあ副メイド長なんていう地位に就けたなあ、と感心するぐらいに酷いものだった。

 命令を受ける度にあんな顔をされては、こちらも堪ったもんじゃない。


「私、あまり馬は好きじゃないの。車は用意出来なかったの?」


「馬車一つ用意するだけで一苦労だったんですよ。目的地もそれ程遠くないそうですし、我慢して下さい」


 もう既にあれからかなりの時間が過ぎ、丁度我々がヴィートゲンシュテイン宅に訪れる頃には陽も沈むだろう。

 確実に夕食はあちらでご馳走になるだろうし、下手をすれば泊まって帰る事になる可能性もある。


 ここに来る時も突然の連絡だったし、姉は周囲を搔き乱す才能があるらしい。


 一応あらかじめ連絡しておいたものの、今頃はあちらの屋敷も準備にてんやわんやだろう。

 つい昨日までは自分が準備に奔走する側だっただけにヴィートゲンシュテイン家の人間には心から申し訳なく思う。


 そこに、ナーシャとソフィア医師が駆けて来る。


「兄上、姉上!もう出発なさるのですか?」


「ええ。直ぐにでも」


 ナーシャは私に抱きついて、行ってらっしゃいのキスです、と頰にキスをする。


「あら、綺麗な子ね。あなたがコーリャの愛人さん?」


 姉がソフィア医師にすかさずちょっかいをかける。


「え…愛人…?愛人かどうかは分かりませんが…陛下とは、その…」


「良いのよ、私も応援してるから!ナーシャなんかに取られちゃ駄目よ」


「あっ、有り難うございます」


 ソフィア医師が、まるで姑に対するかの様にぺこぺこと必死にお辞儀する。


 可哀想なソフィア医師…

 姉はソフィア医師を玩具にする事に決めたらしい。


 ソフィア医師に色々と吹き込んで、私にけしかけるつもりだ…


 一方、ナーシャは、


「姉上…私を応援してくれないのですかぁ…」


 と、姉に向かって嘆いている。


「あの…陛下、行ってらっしゃいませ」


「ああ。私がいない間、ナーシャが何か仕出かさないか見ておいてくれ」


「かしこまりました。道中お気を付けて」


 彼女はいつもの様に、にこりと微笑むと丁寧にお辞儀する。


 それを見て、姉がまたもや、愛人さんは行ってらっしゃいのキスはしないの?とか余計な事を言い始め、最終的にソフィア医師も照れながら私の頰にキスをした。


 これで良し、とばかりににやにや笑う姉に、私のヘイトが急上昇した事は言うまでもない。

 何故姉ってのはこうも余計な事をしたがるのか…


「姉上、絶対面白がっているだけでしょう?」


「いいえ。コーリャもそろそろ結婚しないといけない歳でしょう?姉からの親切心よ」


「余計なお世話です。そもそも、ソフィア先生とは結婚出来ませんし」


「そうか、愛人だったわね〜まあ、愛人でも妻でも何でも良いから子供作っちゃいなさいよ」


 平然とそう言いのけてみせる姉。

 デリカシーのカケラもない、とはこの事か。


 まだ二十代半ばのはずなのに、何故こうも言う事為す事おばちゃんっぽいのか。

 見た目は見目麗しいお姉さん、中身はただのおばさん、と。

 こういう女性を嫁にするのは嫌だな、と思う。


 まあ、姉の場合はそもそも夫がおっさんなので問題無いのかもしれんが。


 この調子で、姉とずっと一緒に行動しなければならないとは…

 ほんの少しの間とは言えども、私の我慢が保つか非常に不安だ。



 ✳︎



 案の定、ヴィートゲンシュテイン邸に到着したのは日没後だった。


 プラトークの春は冷える。

 特に夜はそれが顕著で、私も姉も厚い防寒着を上に羽織っている。


 ヴィートゲンシュテイン邸は帝都の郊外にあり、そこまで広くもない。

 自分の領地に住まない貴族は基本的に帝都の中心部やその周辺に屋敷を持ち、郊外に別荘を構えるものだ。

 しかしここは別荘ではないらしく、ヴィートゲンシュテインはそこまで裕福ではない様だ。


 門の前で馬車を止めると、御者が降りて出迎えの使用人に我々の馬車である事を伝える。


 暫くして、ぎぎぎ、と甲高い音を立てて門が開き、馬車はまたゆっくりと敷地内に進む。


 屋敷の前で私と姉が降りると待っていた侍女が、どうぞこちらです、と中へ案内する。


 小さな屋敷だが、中は結構立派だった。

 調度の類いも高級感があり、ヴィートゲンシュテイン家はあまり裕福ではない、という前言は撤回だ。

 もしかしたらヴィートゲンシュテイン家の人間がミニマリストなだけかもしれない。

 実際、屋敷がそんなに広くなくても殆ど問題無いし。


 案内された応接間では、若い女性が待っていた。


「ようこそお出でなさいました。私、妻のリュドミラと申します」


 ほう、私を差し置いてあの男は結婚してやがるのか。

 美人な奥さんだ。新婚かな?


 羨ましい。実に羨ましい。


「急な訪問で申し訳ない。そう畏まらずとも良いのだぞ」


「お気遣い有り難うございます。主人はまだもう暫く帰って来ないそうで…宜しければ晩餐の準備もできておりますので、食事でもしてお待ち頂けないでしょうか」


「すまんな、ではご馳走になるとしよう」


 こうして(最初から分かっていた事ではあるが)ディナーをご馳走になる事に。

 普通に豪華で美味しかったです。


 更に、この屋敷の風呂も折角なので有り難く使わせてもらった。


 そんなこんなで時間を潰していると、随分と夜遅くになって遂に彼が帰って来る。


「陛下、お待たせ致しました」


 丁度私が侍女の可愛い女の子と楽しく(一方的に)談笑している時だった。

 姉は夫人と楽しくお喋り。

 予想以上に居心地が良く、ついまったりとしてしまった。


 多分ヴィートゲンシュテインからすれば、“我が家に帰ったら上司が待ち構えていた!”というのを想定していたのだろうが、実際には“我が家に帰ったら上司が楽しそうに遊んでいた!”という状況だ。


 ちょっと彼には申し訳なく思う。


「おお、こんな遅くまで仕事か?結構な事だな」


 まあ、私のせいなんだけど。


「本日はどの様なご用件で?」


「ああ、すまんが軍の再建について話を聞きたくてな。


 主に姉が。


「分かりました。では、私の部屋に移動しましょう」


 さて、お仕事開始だな。


 私は名残惜しいが侍女に別れを告げ、彼の部屋に向かう。

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