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第八話。新たな仲間と女神の種明かし。 その1

「いやー。まさかこんなことになるとはなぁ」

 宿場ゴブリン大浴場。俺達は今夜の宿として、

 またここを使わせてもらっている。周りにはイオハと

 彼の商隊の御者たちがいる。

 

 入口開けた時に、店主がひっくり返ったのは笑ったなぁ。

 わりと予想外のことには弱そうだからな、店主のオッサン。

 

 

 あの後、俺は翌日 つまり今日の真昼間まで寝てた。

 こういう場合、ラノベなんかじゃ数日単位で寝てるもんだけど、

 幸い俺は自らの打撃による疲労が殆どだったために、

 そんな程度で済んだらしい。

 

 一方ガチバトルなカグヤとアイシアも、

 俺と同じころまで寝てたそうな。

 よくそれで回復できたな、スタラチャージおそるべし。

 しょぼいとか言ってすみませんでした。

 

 

『わぁ。アオイさんたちもおっきいです~』

剣塚亭つるぎつかていの皆さんもおっきいですね。

勿論サラちゃん以外ですけど』

 

『メイド服越しでも思ってましたけど、

狼さんの胸って張りがあるんですねぇ』

『ぁぅ、アオイさん。掴んじゃだめですよぅ』

『はぁ。なんでニャたしよりみんなおっきいのよ』

 

「またやってんのかあいつらは。ウラヤマケシカラン」

 

 で、身分証がない稲妻いねつまが、どうして今ここにいるのか。

 どうやら奴隷服 あの黒メイド服を着て首輪をしてると、

 身分証がなくても町に入れるらしい。

 人としては扱わないとのことだ。

 

 でも今は三人とも首輪してないけどな。

 町の出入り時だけつけることになっている。

 

 ……もしかしてあぐにゃん。

 ここまで見越して、稲妻を奴隷服で転移させたのか?

 ベクターのこと聞きに行くんだし、ついでで確認すっか。

 

 

『サラたんのつるつる肌にぺったんこな胸。

あぁ、いいなぁ。お風呂じゃなくて

サラたんでのぼせたい』

 ノーザ・ウイルンスキーとか言う、あのロリコンレズの恍惚とした声が、

 男湯の失笑を誘った。

 

「流石は本物。発現のレベルが高すぎる……」

 そりゃサラちゃんだけに竜ブローチ贈るわな、

 なんでか俺のジョージ予算からもってったけど。

 ちなみに他のメンバーはと言えば、それぞれに

 同じ色の竜ブローチを渡していた、勿論俺にも。

 

 剣塚亭のみんなへも、お土産は無難? に竜ブローチになったとさ、

 いっぱい色あってびっくりした。

 結局ジョージ予算は大分消費したな。殆どお土産に消えてるけど。

 勿論ジョージの分も買ってある。

 

 買ったの、俺とサン・イラーヌメンバーだけだけどな。

 大量にあるから現在袋に収納中だ。

 で、なんでエレナとロリコンレズが同行してるのか。

 

 昨晩の大騒ぎの際に、会場を抜け出してこっちに加わったため、

 「決まり事を守らない奴隷」として『買い手』が付かなかったんだそうな。

 なかなか厳しいんだなって、ちょっと感心した。

 

 イオハ曰くマリスガルズの『買い手』は、

 みんな特別に厳しい基準を持ってるんだとか。

 

 それよりも、アイシアとカグヤのガチバトルをBGMに

 オークションしてたのかと思うと、運営スタッフと商人たちの

 タフ差に畏怖すら感じる。

 

 ちなみにロリコンレズが稲妻救出作戦中にどこにいたのかって言うと、

 サラちゃんといっしょに、稲妻をとどめてたらしい。

 んで、エレナが俺を担いでった時は大変だったんだそうだ。

 

 あんな死亡フラグなんか建てるから、

 神尾かみお君死んじゃったじゃないですか、

 って泣きじゃくったとか。

 心臓んとこに耳当てさせて、落ち着けたんだとのことで……。

 お疲れ様でした。

 

 で、エレナは俺達と『人』として接しすぎたために離れるのが惜しく、

 ロリコンレズは、サラちゃんと離れるのが惜しいと言う話になり。

 俺達が共同でジョージ予算から捻出して、

 彼女たちを『買う』って形で、剣塚亭組に加わることになったんだ。

 

 利益を出さずに『商品』を渡すことは沽券にかかわるとのことで、

 イオハが独自に値段を付けた。選りすぐりだって言ってたから、

 まあ……しかたないのか?

 

 稲妻はいい顔してなかったけど、

 彼女たちをサラちゃんたちで預かるためだ

 って説明したらしぶしぶ納得してた。

 

 

「あ、そうだ。おーい、前回利用組ー!」

『なによー?』

「アレには気を付けろって言っとけよー!」

『もう、遅い』

 

「マジかよ……今回はお前らで対処しろよー!」

『わかってるです~』

「じゃ、頼むわ!」

 壁越しに会話する俺の様子を、面白そうに見てる

 男性の皆々様の視線が気恥ずかしいです。

 

『はっぅ! なっ、なんですかこれっ?』

「ほんとだ。稲妻の声が……」

『ぁ、ぅ。く、くすぐった ぅんっ』

 エレナの声だ。イオハ、よく平然としてられんな、

 こんな色っぽい声隣から聞えてきてんのに。

 

『ぁぁっ、こ これが サラたんの 手 だったら

口 だったらっ ひぅぁっっ!』

 本物様、あの刺激を、サラちゃんの仕業に変換して

 快楽を貪るつもりか? マジでレベル高すぎだろ……。

 ほら、御者さんたちが盛り上がりかけてたのに萎えちゃった。

 

「アクト」

「なんだ?」

「ノーザと言ったか彼女……。お前たちの方に向かわずとも」

「ああ。ありゃ絶対に」

 一呼吸。そして。

 

 

 

「「売れ残ったな」」

 深く頷く俺とイオハであった。

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