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神ノイルセカイ  作者: 尚宮
1/16

序章

初投稿です。


文章力も構成力も乏しい作品かと思いますがお付き合い頂ければ幸いです。

 人より優れたその力は、

 それは心地の良いものだった。

 誰かを救えるその力は僕にとってかけがえの無いものだった。


 初めは、僕にすがるその小さな手を守ろうと思った。

 そこで満足していればよかったのかもしれない。

 僕はもっと、もっと多くの手を取りたいと思った。


 正義の味方になりたかったんだ。

 憧れとか空想とか…そんなところで留まることなく、

 誰もが求める正義の味方。

 手に触れたもの全部守れる完全無敵の正義の味方。


 悪を滅ぼす正義の味方に、僕はただなりたかったんだ。


 なのにどうしてだろう……

 どうして、こうなってしまったのだろう……


 闇に飲まれる……

 闇に飲まれていく……


 深い深い水に沈んでいくように……


 その深い水は真黒な渦を巻くように僕をその奥深くに引きづりこんでいく。


 やがて、守ろうとしたその手さえ、

 その闇の中で僕を水の奥へ沈める鎖の一つになる。



 人は後悔する生き物だ。

 そして同時に学習できる生き物だ。


 もう、うんざりしただろ?

 守ろうとしたものに裏切られ、

 結局、最初に守ろうとした何かさえ守れず…

 何もできやしない。


 ほら、もう……うんざりしただろ?

 ほら、後悔するんだ。

 ほら、学習するんだ。


 わかったら、正義の味方を気取るな……

 わかったら、己の技量を見極めて、手を差し伸べることを辞めろ……


 あぁ、そうだ。

 そう、初めから全部諦めれば良かった。

 そうすれば、何も失わずに済んだ。

 そうすれば、誰かに裏切られることなんて無かった。

 そうすれば、誰かに恨まれることなんて無かった。


 そうすれば・・・


 そうしなければ・・・


 だったら、僕に……何ができていた?

 何をしてやれたんだ?


 あの日、あの時…僕があの手を手にしなければ…

 そんな選択肢が僕にあったのだろうか?


 あぁ……だめだ。


 やめろ……存分に後悔したのだろ?

 お前は、学習をしたのだろう?


 僕に出来る事。 僕に出来た事。

 それは……僕に出来る事。


 人は後悔する。 人は学習する。

 ただ、僕は諦める事ができないんだ。


 僕は助けたい……僕は僕に助けを求める者全てを幸せにしてやりたい。


 だから、繰り返すんだ。


 何度でも、何度だって……さぁ、新しい世界の始まりだ。



 記憶は淀んでいた。

 世界は僕を必要としない。

 世界は僕を拒んでいる。

 世界は僕を許しはしない。


 それでもいい。


 僕は僕という存在を何度でもその世界へ送り出す。


 今の僕がどんなことになろうとも。


 人はいつだって、誰かの助けを求めている。


 だったら僕が助けてやる。


 記憶は淀んでいる……

 あぁ……光が見える。

 たぶん、そこに僕の助けを必要としている人がいるんだ。








 この世界には、神と呼ばれる存在が居た。

 この世界の中心には世界の心臓と呼ばれる聖地が存在して、

 そこには、一人の少女が居た。

 その少女こそ神と呼ばれている。


 この世界は、その世界の心臓と呼ばれる聖地と少女により、

 創造と修正を繰り返している。

 少女の手により幾度も書き換えられるその世界は、

 幾度と無く、世界の在り方を正し、

 書き換えられる世界に合わせ、人々の記憶も書き換え、

 その矛盾を正してきた。



 そして、それは世界の掟だったか、

 神の気まぐれだったか、

 聖戦と呼ばれる戦いを勝ち抜くことで、

 その勝者一名の願いを神が聞きいれ、

 世界を書き換えるという。


 ただ、その権利を得られるのは、

 世界と神に認められた7名で、

 それ、相応の実力を持ったものが割り当てられ、

 その権利者と契約を結ぶことで、

 また、その権利の半分を得ることができる。


 そして、その聖戦が始まる。

 聖戦に選抜される条件ははっきりしていない。

 ただ、世界に何かと影響がありそうな人物が選ばれることが多く

 その時がくると、選抜された者の左手の甲にそれを知らせる刻印が現れる。

 そして、その聖戦の日は近づいていた。








 記憶が淀んでいる。


 頭がすっきりとしない。


 冷静になる。

 なぜ、今の俺がこんな状況にあるのか?


 一言で言えば絶体絶命。

 それだけは理解できる。


 薄暗い部屋で俺は一人監禁されている。


 なぜ、こんなことになっているのか?

 まず、そこを自分自身に説明をしなければならない。


 そう、俺は正義の味方になりたかった。


 ただ、善悪なんてものは、見る角度によっては180度回転してしまうもので、

 中々、正義を証明できるような、出来事なんてありはしない。


 そんな俺の前に転がり込んできた出来事。

 それが、魔女の討伐。


 誰がどう聞いたって善悪ははっきりしているだろう。


 それなりに腕に自信もあったつもりだ。

 ただ相手が悪かったのだろう。


 魔女、聖戦に選ばれた一人。

 その力は、俺の力と圧倒的だった。



 最悪なのか、幸いなのか……ただ、俺はまだ生きている。

 とは、いえ、魔女の拘束魔法によって、俺の身体は魔力のリングに拘束されている訳だが。


 その拘束リングは、解けそうにも無く……

 ぐぅ~という、自分の腹の音で、自分が空腹であることを知る。


 拘束されてどれくらいの時が立っているのだろうか。

 全く思い出せない。


 この後、俺はどうなるのだろうか?

 考えてもしょうがない。

 目を閉じる。

 今は少しでも体力を回復させよう。



 かたっと小さな音がして、

 俺はそちらへ目を向ける。


 柱に隠れているだろう小さな気配を読み取る。


 誰だろうか……


 隠れきっているつもりなのか、そもそも隠れるつもりが無いのか、

 白い髪の見た目は小さな子供が一人、柱で顔の半分を隠しながらこちらを覗いている。


 魔女の関係者だろうか?

 例え、ガキといえど、俺を喰らうことは容易いのかもしれない。


 こんな状況だ。 敗者として、それ相応の覚悟はしているつもりだ。


 再度、目を閉じる。


 小さな気配が近づいてくる。


 少しだけ緊張が走る。


 気配は俺の目の前でとまると、

 俺の肩をゆさゆさと揺すった。


 うっすらと目を開き様子を見る。


 無表情だった顔が少し嬉しそうになり、


 「なぁ、おきたカ? おきちゃったカ?」

 と、また何とも絡みにくいテンションでガキが俺に話しかけてくる。


 状況は全く飲み込めない。

 このガキが俺の救世主であるとは、到底考えにくい。


 「お前、ねーちゃんにお仕置きされたのカ? マコもな、ねーちゃんにお仕置きで、

  よく、これでぐるぐる巻きにされたことあるぞ!」


 さて、冷静になれ…そうだ。

 まず、誰に説明するわけでもないが、自分の名前を心の中で口にし、

 深呼吸しよう。


 俺は、イシュト。 やがて、世界の英雄となるべく正義の味方をやっている。

 さて、ここは危険ではあるが、このガキに今の状況を聞いてみるか。


 『おい、ガキ…ここはどこなんだ?』


 「ん?ここは何処?何処でもないぞ、ここはマコたちの住処だ」

 ……少し予想をしていたが、どうにも会話の成立するタイプの生物ではなさそうだ。

 マコと言うのは、このガキの名前だろうか?


 「それより、オマエ、オマエはなんて言うんだ?」


 『……イシュト。ガキ、お前の名前はマコでいいのか?』


 「うん、マコの名前はマコだぞ、イシュト、オマエはイシュトか」

 何が嬉しいのか、マコというガキは俺の名前を幾度も呼びなおす。


 「よし、イシュト、一緒に遊ぼうッ」


 『……マコ、お前は俺の今の状況を理解しているか?』

 『生憎だが、この状況で貴様の願いを聞き入れるのは不可能だ』

 拘束して動けないことを強調してやる。


 「わかった、これを解けばいいんだな?」


 『!?』

 『できるのか、ただのクソガキかと思っていたが、馬鹿でも魔女の弟というわけだな』


 「マコもよく、ねーちゃんにはぐるぐる巻きにされていたからな」

 マコはリングに手を入れると力任せに引っ張り出す。


 『そんな、力任せだけで外れるものなのか?』


 「ううん、マコはいつも力任せに外そうとしたら、ナワからびりびりーって、すごい電流が流れてきたゾ」


 『お、てめぇ、ちょっ……まっ……』

 その途端、一瞬意識を飛ぶ感覚に襲われ、

 隣のガキが絵に描いたように髪の毛を逆立て、口からは黒い煙を吐いている。


 「ビリビリきたぁ……。マコの言った通りだろ?」


 『だろ?じゃねー。死ぬわッ!!』



 その途端、別な場所からカツンと足音が響いた。


 「あら、随分と楽しそうじゃない?」

 一瞬にして、その空間が凍りつくような冷たい声が少し離れた場所から聞こえた。


 『魔女……』


 「……私の可愛い弟をよくも、丸焦げにしてくれたわね」


 『いや……半分がこいつの自滅行為で、もう半分があんたの仕業で、俺は完全に被害者だ』

 とりあえず、突っ込んでみるが、

 そんな状況ではないのかもしれない。


 『で……俺をどうするつもりだ?こんな場所に監禁して、殺すか食うかというとこか?』


 「馬鹿なの?なんで、私があんたを食わなきゃならないの?あんたを食うくらいなら、その辺の野良犬を食べたほうが全然マシよ」


 『食えばいいだろ……野良……』

 犬と言いかけ、その冷たい睨みをきかせた目に言葉を詰まらせる。


 「煩いわね、灰にするわよッ」


 「ねぇーちゃん、それよりマコ、お腹がすいたぞ」

 まるで、空気をよまずマコが会話に割ってはいる。


 「そうね、まずは食事にしましょう。」

 魔女はマコにそう言うと、つかつかと俺に近づく。


 「しもべ、何か作りなさい」

 ……俺に言っているのか?


 「聞こえなかったかしら?それとも、今の言葉の意味も理解できないのかしら?」


 『あぁ……えっと、突っ込むところは色々とあるんだが…あえて、言わせてもらうなら…』

 『今の言葉に従う意味がわからない』


 「馬鹿なの?死にたいの?」

 拒否権など与えないと言わんばかりに言い返される。


 『いや、馬鹿でも死ぬつもりもないが……この状況で……』

 拘束されたリングを強調してやる。


 「いいわ、解いてあげる」

 案外、あっさりとそう言い放つ。


 『あんたまで、力任せにリングを引っ張るつもりじゃないだろうな?』

 最悪なオチを予想してみるが、


 「馬鹿なの?灰にされたいの?」

 冷たく切り返される。


 「そこの奥の扉に調理室とそれなりの食材があるから、そっから何か作って見せなさい」

 なんか、料理漫画的な展開の言葉と同時に、

 拘束されていた魔法を解かれる。


 俺ごとき、拘束するにも値しないという訳だろうか?


 ほとんど、警戒をしていない二人を他所に、

 周囲を見渡し逃げ出せるルートを探してみる。


 壁に取り付けられているランプの光だけで周辺の明かりは保たれていて、

 窓一つ無い、今が朝なのか夜なのかさえわからないこの場所は、

 どこかの建物の地下と考えるべきだろうか?


 脱出のルートはわからない。適当に動いたところで、

 敵の数がわからないこの状況で、一か八かで逃げ出すのは帰って危険だろう。

 少なくとも今すぐ殺すつもりも無い二人の側に居たほうが安全なのかもしれない。


 正直、料理はそこまで得意ではない。

 全くできないという訳では無いが、それくらいのレベルだ。

 それに、魔女が俺が食べるようなものを好んで食べるのだろうか?

 わからないが、俺自身も空腹である。

 ここは、まずは大人しく食事にありつくことにする。


 言われて入った部屋は割と普通の家庭のキッチンに近い作りで、

 保管されていた食料を見ても、人間が食すものと変わらぬものだった。


 さて、俺の作れるレパートリーなんて少ない。

 そんな中で子供が喜びそうなものを選ぶならこの辺りだろう。


 「なぁ イシュト何作るんだ? 美味いヤツか? 美味しいの作っちゃうのカ?」

 会話の成立をさせる気の無いガキがひょっこりと俺の横から顔を覗かせ、

 フライパンの中を眺めている。


 『余り期待するな、ふつーのハンバーグを作るだけだよ』


 「ハンバーグ、ハンバーグ作っちゃうのカ? 美味しいカ? 食べられるのカ?」

 食えないもんを作るかッと突っ込みたくなるが、

 とりあえず、作るほうに集中する。


 「なぁ、イシュト、できたカ? ハンバーグできちゃったのカ?」

 額に血管が浮き出しながらも、その喧しいガキへの怒りを抑えつつ、


 『まだだ、出来たら持ってくから、大人しく座って待ってろッ』

 邪魔なガキを強引に席につかせ、料理を再開する。


 米とハンバーグだけの簡単な食べ物をテーブルに運ぶ。

 合格をもらえない場合、俺が食われるかもしれないと思いつつ、

 半場投げやりにそれらを運ぶ。


 『おい、ねーちゃんを待たなくていいのか?』

 待ちきれないとばかりに並んだものをすぐさま口に運ぼうとしたガキに聞いてみる。


 「ん? マコ、イシュトのハンバーグを食いたいから、待ってやんないぞ」

 そう言って、幸せ一杯にハンバーグを食そうとしたガキが、

 眩い光とともに、今並ぶ食材の中で一番こんがりと焼けていた。


 「マコ、行儀が悪いわよ、例えゴミ……いえ、野良犬が食す食べ物でも行儀良く食しなさい」

 さらりと失礼な事を言いなおそうとして、結局失礼な事を言った魔女は同じように席に座る。


 「何しているの、下僕、あんたも早く座りなさい、食事ができないじゃない」

 自分もそこに座るべきかを悩んでいたが、

 あっさりとそれを魔女に催促される。


 魔女のいただきますの合図で、三人でそれを食し始める。

 なんとも異様な光景に見えた。


 「ウマイ、ウマスギル、イシュト、ハンバーグうまいナ」

 バクバクと食う、その様は、意外と悪い気はしない。


 魔女の様子を見るも、無表情ながらも二個目に手をかける様子からして、

 失格というわけではなさそうだ。

 一瞬にして、食卓に運んだハンバーグの半分を制したクソガキは、

 満足したように、食材の入った木箱の上で腹を出しながら寝ている。

 憎らしいと可愛らしいと半々といった様だ。


 『これから、どうするんだ?』

 どうなるんだ?が正しい問いだろうか。


 「そうね……単刀直入に言うわ、あなた、正式に私の下僕になりなさい」

 白いハンカチで口を拭いながら、平然とそんな事を言ってのける。


 『その提案に、大人しくはいと言うとでも?』


 「馬鹿なの? 貴方に選択肢が二つあると勘違いしてるの?」

 これまでのノリで魔女が俺に自分の言葉に従わせようとするが、

 今回ばかりはそれに従うわけにいかない。

 真剣な顔で沈黙を決める。

 それを理解してか、魔女はフンッと少し詰まらそうな表情をする。


 「聖戦……知ってるわね?」

 知ってて当然であることを前提にして魔女は話を続ける。


 「それに私も選ばれているわ」

 それも知っていた。


 「こう見えて、わたし、神に願ってまで手に入れたいものなんて、何も無いのよ」

 こう見えての部分はよくわからないが、

 なんとなくわかっていた。

 初めて会話したその時に、すでにその疑問を抱いていて、

 彼女は魔女と呼ばれるには余りにも、悪意というものを感じられなかった。


 「でも、勝手に選ばれ、それを拒否をすることも許されない…」

 「他に選ばれた権利者が私を殺しに来るわ」

 凶悪な魔女が、すごく弱久しく見えた。


 「そして、私だけではない…ここに居る皆…そう、マコも…」


 あぁ……ダメだ。

 それを言われたら……俺は。


 「……助けて……欲しいの。」


 俺は自分の正義のためにそれを為すために討伐しようと決めた魔女に。

 誰かを助けるために使いたいと思った、自分の力を、

 すがる手を捜していた俺に、

 いま、その魔女はその手を差し出した……。


 『勝者になりたいのか?』


 「結果としてはそうなるわね」


 『勝って何を願う?』


 「言わなかった?こう見えて、私は無欲なのよ」


 「そうね……あえて願うなら……」



 それを聞いて、俺の意思は決まった。

 まさか、自分の求める正義が、

 この魔女が持ち合わせていたことに驚きもあったが。



 「この、聖戦というものを……無くしてもらうわ」


 その言葉を聞いて、俺はその手を取った。



 『俺はイシュト……』


 「アリスベルよ」


 『アリス……ちゃんでいいか?』


 「馬鹿なの?灰にされたいの?」


 『いや……女性を呼ぶときは基本呼び捨てかちゃんづけかと……』


 「いいわよ、別に普通で…アリス【様】と呼びなさい」


 『……ぉぃ』


 「正式に貴方は私の下僕になったんだから、当然よ」


 『下僕になったつもりはねぇーよッ』


 冷たい目で俺を眺めながらも、アリスはフフッと少し楽しそうに笑った。
















 舞台は別の一室へと移る。

 オルガニアと呼ばれる国、城の会議室のような場所で、

 その国のお偉いさんだろう人物が難しそうな顔をしながら、

 その円卓を囲んでいた。


 「聖戦の開催はもう間もなくかと思われます」

 「で、我が国の手札は、魔王の力を持つ少年……アシュと言う少年です」


 「手札としては申し分の無い人材だな」


 「はっ、その能力は、今回の聖戦を勝ち抜けると過信しても問題ないくらいの力だと聞いています」

 「……ただ。」


 「まだ、アシュはこの聖戦の参加を拒否しているのか?」


 「はい……この力は、人を殺めるために使いたくないと」


 「腑抜けたことを……、で、アシュは今どこに」


 「はい、孤島の地下へ幽閉しています……扱えぬ故、出すぎた力は返って危険かと……」


 「うむ……対策はいずれ考えよう……聖戦の権限を得ている以上、戦わぬ権利者を抱えるわけにもいかん……場合によっては処刑も考えねばなるまい」



 舞台はまた別の一室に移る。

 窓一つ無い牢獄に少年は一人幽閉されていた。


 少し体格の良い三十半ばと思われる男がそこへ使わされた。


 幽閉された少年の監査役。

 一つ間違えば、その魔王と呼ばれる力で殺されてしまう。

 そんな貧乏くじを引いてしまった。

 嘆いていたが、もう少しで好いた女性との結婚。

 そして、その婚約者のお腹には子供が居た。

 そんな幸せを手放すわけにはいかない。

 いま、稼ぎを失うわけにはいかない。


 少年との対面に、恐怖を隠せないながらも、

 そこから、二人のとても短い小さな出会いの始まりだった。


 出会いがしら、少年は笑いながら、

 自分の置かれている状況を知りながらも、

 誰も憎んでいないという笑顔で、その男を出迎えた。


 鉄格子で阻まれたその小さな空間の中で、

 二人の短い生活が始まった。









 また、舞台は別の国の一つに移る。

 そこは、魔法の栄えた国だった。

 レジストウェル。

 そう呼ばれる国で、魔法に特化したその国では、

 全ての生活、社会に魔法が共通していて、

 魔法の使えない者なんてものは、

 それこそ、国民として受け入れられることは無かった。


 「ぜぇ……ぜぇ……」

 何かに逃れるように少年が一人、建物の中に身を潜めている。


 彼はミクニ家と呼ばれる、レジストウェルでも、

 魔法貴族の三大勢力とされた家計の一人だった。


 だが、彼はこれまでの間、ミクニの家計として扱われたことは無かった。


 魔力を持たずして産まれた彼は、

 16年という年月を得てもそれを覚醒させることは無く、

 家計の名に泥を塗るまいと、

 存在を隠すように、ただ生かされていた。



 悔しかった?

 誰かに認めて欲しかった?

 こんな自分を見せしめにした家族に復讐をしたかった?


 「そんなんじゃないんだ……」

 彼は誰にでもない誰かに呟く。


 懐から、一つの宝石を取り出した。


 ミクニ家に伝わる 家宝


 この世界はいくつもの世界が平行に連結していて、

 この宝石には、その平行世界の英雄的、強者を強制召喚させる力があるという。


 ミクニ家が代々、来る聖戦の日のために大切に保管していたものだ。


 それを奪い、少年は家を逃げ出した。



 「大丈夫……召喚の方法は覚えている」


 魔方陣を描くと、その中心に宝石をセットする。


 だが、少年は魔力を持たない。

 魔力を秘める別のアイテムを、その媒体として魔方陣の周りへ置く。


 魔力を秘めたナイフで自分の左の掌を切り裂くと、

 その魔方陣へ自分の生血を注ぐ。


 魔方陣から光が浮き出し、

 少年は覚えた契約の言葉を思い出しながら、丁寧にその言葉を放つ。



 光がいっそう強くなると、強い衝撃と共に少年は魔方陣の外へ吹き飛ばされ、

 尻餅をつくような体制で、魔方陣の光が収まるのを待った。



 「えっ?」

 少年は驚きを隠せなかった。

 失敗か………とも思った。


 「ふぅむ、これまた、見知らぬ場所に出たの………」

 魔方陣の中に居る人物はきょろきょろと周囲を見渡し、

 困ったと言いながらも、

 それほど、問題でもなさそうに、やがて少年へ目を向ける。


 「少年……貴様が、我をここへ呼んだのか?」


 「えっ、じゃぁ、やっぱりお前が……? お、おんな……?」

 魔方陣から現れた褐色の女。

 紫色の長い髪で、ほとんど露出しているような薄着のくせに、

 髪の毛の色と同じ色のマフラーを首に巻いている。


 「どうした、少年…… 女性がそんなに珍しいか?」

 召喚された本人は平然とし、召還した本人が戸惑っていた。


 「お前が、別の世界の英雄……なのか?」


 「少年、我では不服か?」

 「どうやら、こうして、お主の祈願どおり、聖戦の権利者に選ばれたようだぞ」

 左手の甲に聖戦の権利者に刻まれる紋章のようなものが浮き出していた。


 「まぁ、召喚された理由はだいたいわかっておる」

 「平行世界とはいえ、造りにそう違いはないのだろうからな」

 そう言って、目の前の女は笑いながらも、

 目が鋭くなり、返答次第ではどうにかされそうな……そんな目だった。


 「貴様は我を使い、この聖戦に勝ち抜き、何を願う……」

 当然、知るべき権利は彼女にある。

 彼に代わり、聖戦の権利を手にし、その権利の半分を譲るのだから。


 「……まだ、考えていない」


 その言葉で褐色の女の笑みは消える。


 「そもそも、勝ち残ろうと考えてなんていなかった」


 「これ、また珍妙な答えが出たものだ」

 褐色の女は怒りを含んだような笑みで少年を睨み付ける。


 「僕には魔力がない……自分でも認める落ちこぼれだ」

 「誰からも必要とされず、この世界には僕の居場所なんて無かった」

 怖い、今すぐに逃げ出したい………

 でも、覚悟を決めたんだ。逃げ出すわけにいかない。


 「それでも、僕は今……この時に存在している……存在しているんだッ僕が……生きていた……証を……証明を……この聖戦という歴史に刻んでやるッ」


 「……自分では無い、誰かの力にすがってか?少年……それが貴様のいう歴史に自分を刻めたと言えるのか?」

 その通りだ。

 結局、この聖戦で僕自身は何もできやしない。


 「今から僕は実にくだらない話をする……笑いたければ笑え、殺したくなれば殺せ……」

 「僕は覚悟を持ってココに着た。その覚悟の内容だ」


 「……僕はこの聖戦で、僕が生涯尊敬する英雄に出会うことになるだろう」

 「今、このとき、儀式を得て現れる相手が僕にとって、この僕という存在を捧げる相手になる……共に命をかける相手になる」

 「その背に憧れ、僕は育ち、その背を追いかけ、僕もそうなりたいと…願い、僕はその英雄を刻む歴史を、誰よりも側で、共に味わうことができるんだッ そんな贅沢が手に入れるというなら、こんな命、安いもんだッ 逆に問う、お前はそんな僕の理想を叶えるだけの英雄なのかッ」


 その問いに、褐色の少女は腹をかかえる。


 「あはははははっ くくくっ」

 笑いたきゃ笑えと言ったが、褐色の女は遠慮なく大笑いをする。


 「我の力に頼る輩は決まって、下らぬ事を口にしたが……くくくっそんな中でも実にくだらぬ……」

 本当に心の底から笑うように褐色の女は笑い続ける。


 「少年……今の言葉に偽りは無いか」

 笑っていたかと思うと、今度は真剣な目で少年を見ている。


 「嘘なんて言わない、僕は僕なりの覚悟でここに居る……」


 「よかろう……この世界での我の歴史の一部に貴様の名も共に刻んでやろう。貴様がどんな英雄と共にし たか、生涯語り継ぐが良い」

 少年はその褐色の女の姿を見て確信できた。

 彼女はきっと自分の理想、いやそれ以上の存在なんだと。


 「ナヒト……それが僕の名前だ」


 「我はフーカ。この聖戦の歴史でもっとも活躍する者の名前だ」













 がたがたと馬車が揺れていて、その荷台には荷物と一緒に、

 賊からそれら商品を守るために雇われている傭兵が乗っていた。


 その中の一人にぴんく色の髪の若い女性が一人乗っていた。

 その左手の甲には、聖戦に選抜された証がある。


 聖戦そのものには、なんの興味もない。

 だが、彼女にとっては願っても無い舞台は整った。


 自分がこの世界で、最強であることを証明できる舞台。

 それが、この聖戦であった。


 その理由は誰も知らない。

 彼女は最強であり続けなければならない。

 そんな誰かの残した呪いにただ生かされ、成し遂げようとしている。


 手にしているのは、刀と呼ばれる武器。

 この世界では少し珍しい装備だった。


 生きていく理由を失ったあの日、

 生きる理由とした復讐が適ったあの日、

 彼女にはあの男が残したこの刀と呪いの様な言葉だけが、

 この世界へ彼女を縛り付けている。


 神に願うことなんて、何も無い。

 何故なら、聖戦に勝ち残った時点で彼女の祈願は叶うのだから。


 だが、それでも彼女にとって、

 この舞台での勝利こそが今の自分の願いなのだろう。


 なぜ、あの男のあんな言葉にここまで、

 自分が振り回されているのか……

 自分でも理解ができない。


 ただ、今更違う生き方ができる訳もない。



 「おい、レフィッレフィってばッ」

 傭兵の一人が彼女を呼んでいる。

 目線だけをそちらに向ける。


 「囲まれてる」

 馬車は動くのをやめていた。

 商人の荷台を襲うチンケな盗賊。

 数としてはそれなりの数だろうか。


 「私一人で、十分」

 そう言ってレフィと呼ばれた女は一人馬車を飛び出す。


 ここに私を楽しませる強者は居るだろうか?


 ぐるりと360度取り囲まれる盗賊を見渡す。


 一斉に襲い掛かる賊どもをただ、防戦に徹するように、

 彼女は全ての攻撃を見極め回避する。


 そうする事、5分、防戦に徹した彼女は

 「こんな賊から、得られるものは無いか…」

 と呟くと、

 一人の賊の攻撃を極わずかの動きで避けてみせる。

 一ミリのズレでもその刃を受けてしまいそうな無駄の無い動きだった。


 カウンターで賊を斬っては、

 その行動を繰り返す。


 「ほんと、アイツだけは敵にまわしたくないわ……」

 馬車の中からそれを見ていた傭兵はそう呟いた。


 次の瞬間にはその戦場に立っていたのは彼女一人となっていた。










 世界の最北にある村、その変哲も無い村にも、

 そこにも、世界に選抜された英雄が召喚されていた。


 「マイト様、いかがされましたか?」

 何処かぼんやりしていたその英雄に一人の女性が声をかける。


 「いや……何でもない」

 なんの取り得も無かった村が聖戦の参加の権利を得て、

 村は大喜びで、その英雄の機嫌を取ろうと、

 ここ最近は毎日のように祭りのような行事でその英雄を歓迎していた。


 「ウォオオオオオオオオオオオオオ」


 それは悲鳴、雄たけび?だろうか………

 そんな奇声にも近いものが周辺に響き渡る。



 「ちっ……またか。」

 マイトと呼ばれた英雄は、酒の変わりに弓を手に取ると、

 その声がした方に向かう。



 顔を黒い包帯でぐるぐる巻きにしたような男が、

 一人苦しそうに、額を押さえて苦しんでいる。


 「理性を持たぬ化物が、何故に俺をそこまで憎む……」

 マイトはその化け物に問いかける。


 「マァーーーーィーーーートォーーーーーーッ」

 言葉を知らぬ者が、ただ一つ知る言葉のように、その言葉を繰り出す。


 「マァィーーーーートォーーーーーーーーーーーッ」

 包帯男はマイトを見るや襲いかかる。


 「問いに答える言葉は持ち合わせていないか……」

 マイトは呆れたように呟くと、立っていた場所から一瞬にして姿を消す。

 そこへ、包帯の男がすごい勢いで落下してくると、

 大きな岩が落下したかのように、地面に穴を開ける。

 が、すでに相手の攻撃射程外に陣取っているマイトは、

 余裕で弓を構えると、その包帯男に矢を放つ。


 「マァーートォーーーッ」

 包帯男もその矢を素手で払い落とし、再度、マイトを睨み付ける。


 「マァイーート……?」

 が、すでに認識していた場所にマイトの姿は無い。


 「ウガァッ!!」

 その途端、背後から無数の激痛が襲う。


 「ァ……ァ……」

 無数の矢が、包帯男の身体を貫いていた。


 「アアアアアアアアアアアアアアーーー」

 「マィーーーーートォォーーーーー」


 「ちっ、相変わらずの治癒能力だな」

 包帯男は苦しみながらも、致命傷にはならずその傷が塞がっていく。


 「マイト様ッ」

 一人の女性がマイトを気遣うように声をかける…


 「ウ……アアァ……ウァ……」

 再度襲い掛かろうとした、包帯男はその女性を見ると、

 戸惑ったように動きが鈍くなる。


 「危険だ……お前は下がっていろッ」

 近寄ってきた女性にマイトは言った。


 「アアァ……アァー アァー……」

 右手を差し出し何かにすがるように、

 言葉を知らぬ化物が何かを言っているようにさえ見えた。


 「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーーーーー」

 それが、叶わぬと知ると再度、包帯男は奇声をあげ、

 二人に背を向けると、どこか遠くへ逃げ出した。


 「マイトさま……今のは?」


 「俺が知るか……昔からこの辺りに住んでいた化け物では無いのか?」


 「いえ……あんなものが出没した話など聞いたことがありません」


 「まぁ……知ったことではない、あの程度の者、何時現れたところで敵ではないさ」

 興味なさそうに、背を向け、村に戻る。


 「どうした、リエラ……村へ戻るぞ」


 「はい……」

 リエラと呼ばれた女性は、見えなくなった謎の化け物の背を見つめながら、

 マイトの言葉に従った。














 アクレクア、そう呼ばれる国。

 そこにある教会……そこは孤児達を引き取り、共に暮らしていた。


 男は、聖戦が始まるかなり前に召喚されていて、

 その国の騎士として仕えながらも、

 その時間のほとんどをその教会に出向くことに使っていた。


 彼の正義は弱きを守ることにあり、

 騎士としての手柄よりも、

 彼が奉仕するべき対象は、

 この教会にこそあった。


 そして、彼の左手にもまた、聖戦に参加を認められた刻印が刻まれていた。



 「こんにちは、レクスさん」

 修道服にみを包む女性がいつもの用に教会に訪れたその男に話しかける。


 「こんにちは、リースさん」

 レクスと呼ばれた男は修道服の女性に挨拶を返す。


 「子供達がお待ちかねですよ」

 と、彼女も彼に出会えた事を嬉しそうに言う。


 「レクスぅーーーー」

 白い髪の少女がまるで彼の匂いを嗅ぎつけたかのように飛び出してきた。


 「シエル……元気にしていたかい?」


 「うん」

 シエルと呼ばれた少女は嬉しそうにレクスに抱きつくと、

 その手を掴んで、


 「シエルが育ててた植物が芽をだしたの……ねぇ、一緒に見に行こう?」

 そう言って、半場強引にレクスを裏の花壇へと連れて行く。


 そこで、嬉しそうに水を与える少女の姿を見ながら、リースが言った。


 「あれ……猛毒草と言われているの……レクスさんもご存知でしょう?」

 少女はそれを復活草と信じて育てている。


 猛毒草が復活草と言われる様になったのには理由があって、

 使用者が対象者の代わりに命を落とす代わりに、対象者を復活させると言われていて、

 仮死状態になっている人間に、その猛毒草を飲ませることにより、

 死の直前にある人間により強い刺激を与えることで、意識を取り戻させるショック療法の一つで、

 その猛毒を発生させるには、その草を噛み千切った露と人の唾液とを混ぜる必要が有り、

 仮死状態の人間にそれをさせるのは無理であり、

 別の誰かが口移しでそれを成すしかない。

 そもそも、復活草と言う様なありがたみのあるモノではないのだ。


 「でも、シエルは使い方も何も知らないんですよね?」

 「夢中になれるものがあるのに、それを取り上げるのは少し可愛そうな気がします」

 レクスが少女の背を見守りながら言った。


 「レクスぅーーきてーーーッ 虫が居た、超つよそーだよ」

 少女はレクスの方を振り向くと、自分の側にくるよう催促する。

 それにレクスはすぐに答えるように、シエルの元へ近づく。


 平和な日常。

 聖戦の権利なんて必要なかった。

 この日常がいつまでも続けばよいとリースは思った。


 でも、きっとそれはこの国は許しはしない。

 国だけではない、この世界の仕来りがそれを許さない。


 だったら、彼女は願うことはただ一つ。

 彼がこの聖戦を生き抜き。

 シエルの側に、

 私の側にずっと居続けてくれること。

 そう願った。










 バレルバント そこに六人目の

 聖戦に選抜された人物が居た。


 ハレーマッジーナ

 ハレと呼ばれる大盗賊で、

 あらゆる次元を行き来する能力を持ち、

 あらゆる武器や道具を集めてまわる大盗賊。


 彼女がもともとどこの次元に居たかを知るものはおらず、


 この時代に居座り聖戦の参加を望んだのも、

 彼女の大盗賊としての

 一世一代の大きな目的があった。



 バレルバント、その国王が参加している応接間で

 彼女は偉そうな態度で行儀悪く皆で囲むテーブルに足をかけ、

 低俗を扱うかのように、会話に参加している。



 「それじゃあ、いよいよ聖戦の始まりってわけだぁ」


 「ハレ殿、本当に願いの権限を私達に譲るという条件は飲んでくれるのか?」


 「あぁ………それね、いいよ……あげる♪ あげる♪」

 「わたしの願いは一つだけじゃ叶わないしさ♪」

 「わたしの目的はねぇ、もっと大きなものなのよぉ~」

 あんたらには、わからないだろうけどね……と掌を広げて言う。


 「わたしは大盗賊……神だかなんだか知らないけどさ、この世のものはなーんだって私のモノ♪」

 「まだ、わたしの知らないすごーいお宝があるって言うならさ………願い事一つなんて、小さいこと言ってらんないでしょ♪」

 罰当たりの発言を平然とする女に、

 少なからず険悪な感情を持ちながらも、

 そこに居る誰もが、彼女にたてつく者はいない。


 「私の他に選ばれた六人の選抜者だか、知らないけどさ………」

 「ふーんだ。わたしの邪魔をするならみーんな消してやる♪」


 頭上に放り投げたコップが、どこから飛んできたかわからない銃弾で粉々に割れる。


 「この世界、この次元、全て私の手の中なのさ♪」


 「楽しくなってきた♪」














 七人の選抜者が出揃った。

 そして、聖戦は何かの合図があるわけでもなく開催された。


 勝ち残れるのはただ一人だけ。


 それを望もうが望まないが、

 選抜された七人は争わなければならない。


 そして、早くも一つの物語が動き出していた。

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