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偏屈な召喚者は異世界でも変わらない  作者: 35
第8章 ラルフ&ルフト編
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第6話 読み

「ありがとうルナ。じゃあ行こうか」


「……はい……」


「いや待て。はいじゃない。俺は納得してないぞ。今の話聞いた限りだと、この話重大な話だろ。せめてピッキーが行くとしても、いろいろやっておかなくちゃいけないことがあるだろうが」


もちろんそのような流れを二一が認めるはずがない。すぐに口を挟む。


「……申し訳ございません二一様。ですが、エドワード様と結婚する以上はルフトの問題は私の問題でもあります」


「タニアはどうすんだ」


「二一様のご友人が私の仕事をすべて把握してくださっています。ですから、政務の面では問題がありません」


「それでも引き継ぎとかはあるはずだ。すぐに行く必要はない」


「はぁ……二一殿。どうしてそこまで私の邪魔をする。君の目的は元の世界に帰ることだろう。私がルフトを統合して、ルフトの神器を手に入れれば、間違いなくそれは二一殿へ協力するつもりだ」


「邪魔をするつもりはありません。別にピッキーがちゃんとタニアでの引き継ぎをきちんとしてからなら何も言わないんです。今である必要性がわからないんですよ」


ドン!


「おっと!」


二一があまりにも折れないでいると、二一に向かって突然魔法が飛んできた。


「エドワード様! 何を……」


「……ルナ。悪いが、少し彼と戦う。事情はきちんと話すが、すぐにでもルフトに向かって、1日でも早く解決をしていきたいと思っている」


「で、ですが、二一様とエドワード様が戦うなど……」


「殺すつもりはない。ただ、私にとっては彼よりラルフとルフトのことが大事なんだ」


「……はい……わか……りました」


「ルナ様!?」


「ルナさん! どうしたんですかっ?」


ゴォォォ! ガキン!


「まじかよ……、それはさすがにやりすぎだろ」


二一に対してエドワードがしてきた攻撃は強力は炎の魔法。そしてトリアで龍を一掃した、ラルフの国宝のフラムリーブルの魔法だった。


二一はドゥンケルハイトを持っていたので、何とか攻撃を受け流した。


「まぁ君が受けれることを前提にしているからね。逆に手を抜いたら、やられてしまうのは僕だ」


「ああ、面倒くさいな……、確かその武器は行動力が著しく落ちるはずだったな。じゃあ銃でいいだろ」


二一はマシンガンを取り出した。


情報通の能力により、フラムリーブルが重い魔法のため、行動力が落ちることは知っていた二一は、素早く攻撃できる武器を取り出して攻撃した。


ガガガガガガ!


氷と雷の魔法のマシンガンが繰り出される。


キン! キン!


「……エドワード様に手出しはさせません」


「ピッキー……、持ってきてたのか」


二一のマシンガンは、ルナルデッタの持っていた盾に防がれた。


タニア国国宝、ヴォルペスクード。狐人族の体毛を使った盾は一切の攻撃を受け付けない最強の盾。


その前では二一の攻撃もまったく意味がなかった。


「2人とも前に出てくるなよ。隙とかがあれば協力はしてもらうが」


「ルナ様……、どうして」


「エドワードさんにそれほど信頼を置いてるってことだ。でもお前らが見ても明らかにエドワードさんはおかしいだろ」


「うん。ちょっとねっ」


「ピッキーがケガとかするとものすごく面倒だから、対策を考えながら時間を稼ぐ。2人とも回りの様子を見ておいてくれ」


「君を止めるのは難しいが、神器2つを相手には簡単にできないだろう」


エドワードは弱い魔法で波状攻撃をしながら、フラムリーブルで攻撃をする。


二一の火力でもヴォルペスクート相手では決定打にならないし、召喚者のチート防御力でも簡単には受けることはできない。


しかも、二一側からではうかつにルナルデッタに攻撃が当たってはまずいので、最大火力での攻撃はできない。


そのため、どんどん二一の方が不利になっていった。


「……面倒くさいな……」


二一の魔力がどんどん減りつつあった。二一の弱点といえば弱点であることが1つあった。


相手の攻撃が単純であればあるほど、二一は戦いずらいのである。


偏屈の能力は相手の特殊攻撃を利用して、体力を逆に回復することもできるが、単純で威力の高い攻撃には苦戦する。


鳥人族との闘いでも苦戦はあったが、鳥人族はあまりにも攻撃が単調だったし、別に二一が手心を加える必要もなかったので、なんとかはなっていた。


しかし、今回は二一がうかつに全力で攻撃できない、威力もけた違いな攻撃に、圧倒的な防御まであっては

さすがに戦いづらいようだ。


「二一さん、大丈夫ですか」


「ああ、少し隙ができた」


フラムリーブルをうまく回避したところで、クレアロッテが二一に話しかける。


「エドワード様からかすかに、そして、サホキナという方からかなり魔物の匂いがしますです」


「……エドワードさん……じゃあやっぱりか。そしてサホキナからもか?」


二一の予想は半分当たり、半分予定外だった。


「今、歩さんが詠唱の準備をしていますです」


「魔法?」


「ドロウンという魔法を発動させるそうです」


「ドロウン?」


二一はエドワードの動きを見ながら、情報通を使った。


『ドロウン』


光属性の魔法。ダメージを与えることはできないが、相手の変身魔法や幻惑魔法を無効化する。


会得が非常に難しく、王族が得意とする魔法である。



「あいついつの間に……。それに俺の読みを理解してたか」


「……二一さんの読みということは……、エドワード様が変身されていると……」


「細かいことはわからんがな。というか、ピッキーはたぶん気づいてる。気づいていなかったら、俺の発言を止めようとしない。ただ、受け入れられないんだろう」



「何をよそ見しているんだい? あきらめるのかな?」


「準備完了だよっ! ドロウン!」


歩が杖を振ると、杖から光があふれて、二一達の視界が一瞬完全に見失われる。


「ぐぁぁぁ!」


視界がわかりにくい中、誰かの悲鳴だけが聞こえた。











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