二十七話
少女の家を出た俺達は一旦宿へ戻ることにした。
「あれ、目の前にあるじゃない」
カルナさんが指を指したのは家の向かい側だった。交戦はなるべく避けたかったので好都合だった。すぐに掛け軸をして宿に入った。
「おかえりなさいませ」
入ってくることがわかっていたのか、扉の前で待っていた。
「これ返します」
俺は店員からもらった地図を返した。
「ちゃんと返してくれましたね」
(返さない人がいたのか)
その言い回しに少し疑問に思った。それはプレイヤーなのかそれともCPUなのか。
「その返してくれなかった人の情報とかありますか?」
店員は頭にハテナマークを浮かべた後、知り合いか聞いてきた。
「わからないです。もしかしたら知り合いかも」
そういうと一枚の紙を持ってきた。紙の上部に「WANTED」と書かれていて下部にその人の顔写真があった。
写真に写っているのは男性、少しやつれているが目はぱっちりとしていた。
だけど俺には見覚えはなかった。
「カルナさんこの人見覚えありますか?」
俺はカルナさんに手配書を渡すと、考え込むように顎に手を持ってきた。
その様子だと心当たりがありそうだった。
「学校でみたことあるかも。でも面識はないわ」
と答えた。ということはこの町に一回人が訪れたということになる。
カルナさんがあることに気づいた。
「この人だけでしたか?」
カルナさんの質問はとてもよかった。これで相方がいるか、いないかがわかる。
「いや、この人だけでしたよ」
その言葉で確定した。
「ってことは一人か」
これでもし鉢合わせたりしても、交渉に持ち込め安く、戦っても負けにくい。
一応もう少し情報を得るためにさらに深く質問する。
「その人の職業とかわかりますか?」
そう質問した途端、地面が揺れた。だが、それはマップ移動の地震ではなく、なにか巨大なものが動いている振動だった。
「動き出しましたか」
店員が意味深なことをいった。
店の窓から外をみてみるとその姿を目視することができた。
「でか!」
その姿は、クロの集合体みたいな形だった。4足歩行だが、至る所にクロがくっついていて、クロの姿をとどめていなく、化け物にしか見えない。スキル『超観察眼』を使ってみてみると、進行上なのか大きさしかわからなかった。大きさは高さ6mの長さ8m。黄昏村で出会ったイノシシよりもでかかった。
______ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ
その集合体クロの前に男性が走っているのが見えた。
「あの人!」
カルナさんはすぐにその男性が誰か気付いた。
「手配書の!」
なるほどと手配書を見ると同じ顔だった。その男性が叫びながら走っている。
「助けるぞ!」
そうと分かると俺は助けに行こうと扉に手を掛けようとしたが、店員が腰を掴んで止めてきた。
「ダメです!相手をしてはいけません。あなた方ではまだ」
その顔は必死だった。それほどまでにあのモンスターは強いのか。少しビビってしまう。
手配書の男性が宿の前を通った瞬間に、俺達に気づいたのか、こっちを見てきた。その顔はとても泣きそうになっており、眼も小さくなって絶望しているようだった。
「ハッ・・・・助け」
______グシャァ
男性が最後の言葉を言い切る前に集合体クロに喰われた。そして食べたその口から血が滴っている。そして何事もなかったように走り去っていった。
「・・・・・」
「嘘でしょ・・・・」
俺達は初めてプレイヤーの死をみて動揺を隠せなかった。
・海斗
レベル50
攻撃力 10
防御力 10
すばやさ 41
魔法攻撃力 8
魔法防御力 8
・スキル
バックステップLv3
窃盗Lv.1
暗闇目視Lv.1
無音歩行Lv.1
超観察眼Lv.4
逃げるが勝ちLv.1
所持金 61000G
クロノコイン所持数 23
・カルナさん
レベル50
攻撃力 25
防御力 12
すばやさ 27
魔法攻撃力 4
魔法防御力 4
・スキル
バックステップLv.1
動体視力アップLv.2
ジャンプ力アップLv2
居合い切り強化Lv.2
炎切りLv.1
気配探知Lv.1
雷切りLv1
所持金 74200G
クロノコイン所持数 35
ポイント
カイト ステータス18 スキル16 カルナ ステータス17 スキル21




