二十一話
「行きますか」
俺達は『ハスガル城』を出て右へと歩く。
「何時間くらいかな~」
カルナさんが空を見上げながら楽しそうに言った。草原の空気は気持ちよく馬車に乗ってきたと気よりも自然を感じた。
「半日かかるくらいですかね」
地図を見て目安を立てた。夜くらいに町について宿を取るのが理想的だ。現在は13時。深夜に活動はできるだけ避けたい。
「バラ、なにかいるわよ」
カルナさんが指した先には緑の液体みたいなものが動いていた。
「スライム」
液体で動く生物と言ったらこいつだろう。
____ぐちょぐちょ。びちゃびちゃびちゃ。
水が触れ合う音を響かせながら跳ねて近づいてきた。
「うげぇ、気持ちわる!」
カルナさんが引いてる。確かにみていて気持ちが悪い。
「てやぁ」
すぱっ!
と音を立ててスライムを切るが、水を打った感じのように飛び散っただけですぐに再生した。
「強くない?」
スライムにはコアがあってそこを壊せば倒せると思ったのだが違うようだ。
その後何度も何度も斬っても同じようになり、飛び散った液体もスライムに集まり無駄だった。
「これならぁ」
カルナさんはスキル『炎切り』を繰り出した。炎に包まれた刀がスライムを切る。
「ギャァ」
という断末魔を残し燃えて消えていった。
「水が火に負けるとは」
それか魔法に弱いのか。スライムが消えた場所を見ると液体が入った瓶があった。それを拾うとアイテム紹介の文字が出てきた。
『スライムの液体』
スライムの液体。液体をかけると溶けるので基本的に薄めて洗剤に使われる。
と書かれていた。スライムの液体を洗剤代わりにするのかと少しゾッっとする。
魔法でしか倒せそうにないスライムから逃げるため300mほど進むとウサギがぴょんぴょん跳ねていた。
「かわいいー」
といってカルナさんが抱き着くために近づいた。距離が1mほどになりカルナさんに気づいたウサギは目の色を赤くさせた。
「?」
カルナさんが首を横に曲げた瞬間、ウサギが突進してきた。何か嫌な予感がしたカルナさんは避けた。するとウサギが地面に激突したがその地面が20cmほどつぶれていた。
「あんなかわいい顔してるのに」
遠くで見ていた俺は高みの見物。カルナさんは敵と分かるとすぐに切り倒していった。たくさんのウサギの肉が落ちているおそらくドロップしたものだろう。
『ウサギの肉』
ウサギの肉。料理に使われる。
と料理以外の使い道がなさそうだった。
進んでいくとウサギとスライムが共闘してきたリ、スライムがウサギを捕食していたりとなかなかゲームですら見ない光景をみた。
「倒しましたね」
出会う敵すべてを倒していき4レベルほど上がった。
「早くいくわよ」
少し疲れたようで歩くスピードが遅くなっている。
「休憩しますか?」
といったものの俺はある忘れ物を思い出した。
「テント忘れた」
野宿するには必須のアイテム。前に一夜過ごした時は洞窟があって助かったものの周りは草原、隠れる場所が全然ない。
「急ぎましょう」
休憩するかと聞いておきながらどうかと思うが、暗くなってしまったら俺しか見えなくなる。
「わかったわ」
少し速度を上げて歩いていくが日が沈んでしまった。そしてまだ草原にいる。目安的にはあと2時間歩けばつくだろう。月が雲に隠れていて真っ暗に近い。
俺はスキル『暗闇目視』を使って見えるようにする。
「なにしてるんですか?」
カルナさんをみると目を瞑っていた。
「気配探知をしやすいように」
カルナさんの『気配探知』は高性能なのか目を瞑って歩いてもバランスよくふらふらしていない・
「バラ、何かいる」
カルナさんが指を指すとそこにはスライムがいた。
「スライムですね」
というがカルナさんは少し驚いていた。
「いや、私の感じ取った気配はこんな小さいものじゃない」
そういった瞬間、シューと風の音が鳴ったのに気付いた。嫌な気配がした俺はすぐに『バックステップ』で後ろ下がる。すると大きな風圧とともに先ほどスライムのいた場所にそいつは現れた。
「ぐるぅぅぅぅぅぅ」
狼だった。高さ2mほどあり、とても大きい。おそらく黒い。できる限り夜に溶け込めるようになっている。
「逃げた方がよさそう」
カルナさんも勝てないと悟り逃げようとした。逃げるしかないが先ほどみたいなスピードで追われたら逃げきれない。
「バラ!」
カルナさんの声が俺の耳へ届くと、狼は俺の目と鼻の先まで近づいていた。
「やば!」
狼は俺の腹を抉ろうと横から噛みついてきた。『バックステップ』で避けるがまた追撃してきた。ダガーで歯を防ぎ少し距離を取る。
バラが狼に集中攻撃してくるが一方的に腹を狙っていた。
何かおかしい・・・
私でもわかるくらいの腹への執着だった。そしてやけに狼の鼻息や気性が激しい。そしてその近くにはポーチがあるのに気付いた。
まさか・・・・・
私はポーチにある『ウサギの肉』を10個ほど掴みバラに遠ざけるように投げた。
すると狼はその肉の方を向いた。
「ぐるぅぅぅぅぅぅぅぅ」
そして狼は肉の方へ走り出した。バラも肉のことに気づいた様子だった。
「今のうちに逃げるわよ!」
私もすぐに町の方へ走ろうとするが明らかにバラの方が速かった。すると
バラがどんどん私に近づいて来るのがわかる。そして私をおんぶする様に持った。あまりにいい手際ですぐにしがみついてしまった。
「捕まっててくださいね」
そういって走りだした。今までに感じたことのないスピードだった。風が顔に当たってうまく目を開けられない。バラはいつもこのスピードで動いていたのかと感心してしまう。
「ついた」
30分ほど走って着いた。途中を落としていたりしていたが休憩なしで走っていた。私がもっと早ければこんな負担を得なかったのに。
「疲れた」
といいバラはバタッ!倒れて眠ってしまった。
「え!」
私はバラを担ぎ、『迷路街』の門を潜った。
バラがここまで頑張ってくれたんだ。ここからは私の番って訳ね。
・海斗
レベル46
攻撃力 10
防御力 10
すばやさ 41
魔法攻撃力 8
魔法防御力 8
・スキル
バックステップLv3
窃盗Lv.1
暗闇目視Lv.1
無音歩行Lv.1
超観察眼Lv4
所持金 59000G
・カルナさん
レベル47
攻撃力 25
防御力 12
すばやさ 27
魔法攻撃力 4
魔法防御力 4
・スキル
バックステップLv.1
動体視力アップLv.2
ジャンプ力アップLv2
居合い切り強化Lv.2
炎切りLv.1
気配探知Lv.1
雷切りLv1
所持金 74200G
ポイント
カイト ステータス14 スキル17 カルナ ステータス14 スキル18
次回はカルナさんメインで迷路街探索。果たして迷わずに進めるのか




