十三話
ボス熊が倒れ、安心した瞬間レベルアップの光のほかにまた違う光がでてきた。
カードをみると町の欄の『黄昏村』がクリアとなっていた。
「やっと一つ目の村クリアね」
俺は縦に頷き、二人で村に戻る。すると村人たちが出迎えてくれた。
「おお~」
「救世主じゃ~」
「ありがとう、カルナねぇちゃん、カイトにいちゃん」
など声が飛んできた。それを聞いて思わずにやけそうになる。
「////」
カルナさんをみると、とても照れているようで、顔が赤くなっていた。
「顔赤いですよカルナさん」
カルナさんはすぐにこっちを向いてきた。
「うるさい!」
その顔はとてもかわいく、もっとからかいたくなるくらいだ。
その後、商人が俺達に近づいてきた。
「次行く当てはあるのか?それともここに残るのか?」
俺達の事情を知っているのか、それともそう役割が割り当てられているのかそのような発言をしてきた。
「いえ、近々ここを出ようと思いますけど」
この世界のクリアの仕方なくいったが、それを聞いた村人は悲しがっていた。
「いえ、またいつか帰ってきますよ」
カルナさんは少しでも安心させるために答えた。正直本当に帰ってくるかはわからない。でもいつか帰ってはきたいと思う。
「ここをでるときはいってくれ、その時は商品調達ついでに送ってやる」
とてもやさしい商人さんのおかげでなんとか移動や目的地には問題なさそうだ。
だが、いつごろでようか。
「カルナさんいつ頃でます?」
その質問にカルナさんは悩んでいる。俺もいつぐらいにでようか悩む。
_____急いで次の日出るか。準備などで3日ほど待つか。余裕をもって一週間以上か。
「三日」
いきなりの発言だった。
「三日後にここをでる」
別れることを想像したのか、出たくないといわんばかりの表情をみせている。
「わかりました。」
その表情にはかなわなかった。
俺達が宿へ戻ろうとすると村の人が村中を走っていく。なにをしているのか村長へ聞いたら。
「宴の準備じゃ」
この村の思い出はほとんど宴しか残らなそうだ。
「ごめんね。私のわがままに突き合わせて」
着くとすぐに俺に謝ってきた。
それをわがままだというのなら少し不満がある。
「俺なら、ここに残ってもよかったんですけど」
カルナさんが少しうつむいた。やはり図星のようだ。
「私も最初はそれを思った。でもダメなの」
「だめ?」
なぜ?そういおうとした瞬間に答えてきた。
「待っているだけじゃいや。いずれここにも強いプレイヤーがくる。そのとき、私達はなすすべがなくなる」
それならここで。っとおもったが確かに雑魚敵だけ狩っていても差がでてしまう。そう考えた結果、もう追い込むのをやめた。
「じゃあ、準備しますか」
「ええ」
準備するのは、回復薬や生存率を高めるために食料や水。それとできる限りの情報だった。
だいたいは商人から買えばいい、そして明日に商人がこの世界を少し説明してくれるらしい。
「うたげだ~」
村長の号令で村の人々が叫び、酒瓶を掲げる。
俺とカルナさん、ほか子どもたちは酒が飲めないのでオレンジジュースをもらった。
前回よりも1.5倍、量が増えている。食べきれるのかと思ったが、村の人たちは軽く平らげていた。
村をでるまでと2日
俺達は商人の店に来ていた。
「まぁ、教えられるのは俺が回った町ぐらいだが」
そこから講座が始まった。
「と、いうことだ」
1時間くらいかかった。教えてもらったのは3つの町だった。
『ハスガル城』
黄昏村から一番近い町。
城下町がとても繁栄していて人口は10万ほどいるらしく、その中の5万は兵士らしい。
大きさはこの森の5倍はあるらしい。いまいち実感がわかなかったが東京ドーム以上この森は広いのでおそらく相当大きいのだろう。
『シーエン村』
ハスガル城をはさみ黄昏村の反対側にある町。ハスガル城からは少し遠い。
村人口はこの村よりも少ないらしいが、近くが鉱山で鉱石を売って生活しているらしい。村人口は少ないのにどうやって鉱石を取っているかは知らないらしい。
『迷路街』
ハスガル城からシーエン村までとほぼ一緒の距離。だが黄昏村を南、シーエン村を北と例えるなら西の方へ向かっていかなければならない。ここは名前の通り一度入ると迷うらしい。商人は一度迷い、そこに住む人に道案内されて戻ってこられたらしい。
「ってことは、私たちが次向かうのはここね」
説明ついでにもらったハスガル城を真ん中とした地図を指さした。
「ハスガル城」
地図は黄昏村までしかなく、もっと大きなのはハスガル城に売っているといっていた。
そして俺達は次に向かう目的地が決まり、残りの日のことを考えた。
とりあえず明日は昼はレベルアップ、夜は準備とまた宴らしい。
「今日はもう寝ましょう」
すっかり日が暮れ、明日の体調を万全にするために俺達はすぐに寝た。
村を出るまであと1日
「バラ、準備いつする?」
カルナさんは朝食をもぐもぐ食いながら聞いてきた。
「夕方にしましょう。それまではレベル上げですかね」
食べ終わって少し消化したあと、森に出かけた。
敵はもうゴブリンやまれに中ボスくらいの熊、イノシシがいたくらいだ。
そしてレベルは3上がった。なぜ気付いたのかは、クリアしたのか敵のレベルが少しあがっていたことだった。レベルが上がり『超観察眼』のレベルを4にすると敵のレベルがみえるようになり、それでみると『Lv.30』と俺達より近いレベルになっているのに気づいたからだ。
そのことを頭に入れ、明日の準備をすることになった。
そして商人から調達したのが回復薬を20個ずつ、俺は矢を10本追加、カルナさんは『攻撃薬』という攻撃力アップの薬を5個だ。
そして次の日、家の前には村人がたくさんいた。
「あんたたち、がんばるんだよ」
と子どもたちの母親が今日の弁当とハスガル城までの食糧を渡してくれた。
「がんばってね、カルナ、カイト」
「がんば」
「またきてね」
と子どもたちから言葉をもらい少し泣きそうになった。
「ではいくぞ」
商人は俺達を先導する。村の周りの森を抜けたところに馬車を置いているらしく、まずは森をでることだった。
「「いってきま~す」」
そして俺達は元気に手を振って別れを告げた。
・海斗
レベル32
攻撃力 10
防御力 10
すばやさ 41
魔法攻撃力 8
魔法防御力 8
・スキル
バックステップLv3
窃盗Lv.1
暗闇目視Lv.1
無音歩行Lv.1
超観察眼Lv4
所持金 2950G
・カルナさん
レベル33
攻撃力 25
防御力 12
すばやさ 27
魔法攻撃力 4
魔法防御力 4
・スキル
バックステップLv.1
動体視力アップLv.2
ジャンプ力アップLv2
居合い切り強化Lv.2
炎切りLv.1
気配探知Lv.1
雷切りLv1
所持金 10700G
ポイント
カイト ステータス0、スキル3 カルナ ステータス0 スキル4