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盗人少年と侍少女  作者: チョコパン
一の町 『黄昏村』
11/31

十一話

朝5時 私は眠れずに宿を出た。さすがに先日の失態がるので村からはでられない。

 村を歩いていると一件だけ明かりのついている家があった。


「あれ、ここは確か」

私は記憶を頼りにその家に入るとその予想は当たっていた。子どもたちの住んでいる家だった。


「あら、カルナちゃんじゃない?どうしたの?」

玄関に入った瞬間子どもたちのお母さんに気づかれた。それはシステムなのか、それとも普通に気づいただけなのか。ぐつぐつと米を焚いている音がする。ここに炊飯器はないので米は釜で炊いていた。


「いえ、ただ散歩していただけで」

実際に私は散歩しているだけだが、その真意はあっけなく見破られてしまった。

「でもなにか悩んでいる顔をしている」

顔に出てしまっていた。ただでさえ迷惑をかけてしまって凹んでいるのにそれをあっさり見破られるとさらに凹んでしまう。


「私でよかったら相談に乗るわよ?」

その言葉がくることはわかっていたが、ここは打ち明けた方がいいのかそれとも自分で解決した方がいいのか・・・・


「じ、実は・・・」

私はこれまでの経緯を少し話した。強くならないといけないこと、バラに助けられっぱなしだということを。


「んーそう・・・。あなたは借りを作るのが嫌いなタイプかしら?」

考えてみると嫌いなほうだった。

「やっぱり、ね~」

なにかわかったようだ。解決法が簡単ならいいのだけど・・・


「いま借りを返さなくていいのよ。だって後でゆっくり、ゆっくりと返していくのでも彼だって同じことを思っているんじゃない?私が見てた限りだとあなたのほうがたくさん貸しがあるようだけど」


指摘されて思わず、ふっと笑いが漏れる。いいアドバイスをもらった。バラより貸しがあるのはあまり思い浮かばないけど。


「ありがとうございました」

彼女にお礼をいい、私は家をでた。


「さて、アイスでも買ってあげようかな」

私は商店を目指した。




俺は起きるとすぐに商店に向かう。寝起きが悪く朝食を作る気になれなかった。

____ガラガラガラ

商店のドアを開けると、そこにはカルナさんがいた。丁度アイスを2個ポーチに入れるのが見えた。


「あれ、カルナさんじゃないですか」

カルナさんはとても驚いた表情をみせていた。そんなにアイスを食べたいのか一応きくと、

「ち、違うっ!」

と顔を赤らめながら否定する。数秒顔を下げたかと思うと、アイスを取り出して俺の方になげた。

「うぉっと!もらっていいんですか?」

カルナさんは縦に頷きこっちに背を向けた。

俺が買うのを待っているのか動こうとしない。



「この店にアイス以外の食べ物ありますか?」

俺は目的の朝食をきいた。すると「あるよ」と答えて商人はメニュー表をだした。そこにはハンバーグやみそ汁、肉やサラダがあった。


「あるのはそれだけだ。だいたい袋から出す即席みたいなものだから盛り付けしたければ自分でするがいい」

飲食店みたいな感じになる料理になるかと想像したが外れた。まさか即席とは・・・


「なら・・・ごはんとみそ汁を2つずつ。で、いいかな」


「わかった。料金は1000Gだ」

それをきいてなにもなく払おうとするが・・・少し考える。


「「1000G!?」」

高くないか。思わずカルナさんも反応したようで声が重なる。すぐさまその理由を問いただす。

「この世界は食べ物は基本高いからな。多分ここの武器よりかわほとんど上だと思うぞ」

思い返せばアイスも500Gと高かった。


「仕方がないか」

渋々1000Gを払い朝食をゲットした。そしてカルナさんを呼ぶ。

「さて、帰りますよ」

俺が店をでようとすると後ろについてくる。前日のことをかなり気にかけているようだ。



「うおぉぉ」

宿に帰り早速、買ったものをみてみるとパックに詰められていて開けると中から買ったごはんがでてきた。みそ汁は茶碗ごと入っていてプリンのように上から剥がしたら出来上がりのみそ汁が入っていた。おかずはいつものように魚を焼いて『ザ・朝食』のような感じになっていた。


「「いただきま~す」」

とてもおいしかった。村の飯よりは少し劣るが、朝食としては十分過ぎるほどおいしかった。

「さて、食後はこれよね」

カルナさんはポーチからアイスを取り出し食べ始めた。おれも それに乗りアイスを食べる。


「これは現実じゃ味わえないわよね」

 カルナさんのいう通りこんなうまいアイスは現実では味わったことはない。多分あったとしてもかなり高く、現実へ戻っても食べることはないだろうと思う。


「なら、今のうちにたくさん食べましょうか」

「ええ」

アイスを食べているカルナさんの顔はとても幸せそうだった。その顔に少し惹かれてしまったかもしれない。荒っぽいが時々見せるこの顔には・・・




昼に二人で依頼がないか散歩をしていると男性村人が依頼をしてくれた。それは収穫の手伝いだった。依頼した理由は「昨日、みただろう?」とのことだった。思い出してみると夜のことが頭に入り過ぎて畑のことはあまり覚えていない。だが依頼なので受けることにした。


 早速畑に来てみると、長靴と収穫用の鎌を渡された。

「手伝ってくれてありがたいね。カブ抜きを任せるから鎌はいらないとおもうけど一応もっておいて」

村一人のばあさんが早速収穫に取り掛かっていた。

俺達も早速取り掛かる。だが・・・


「うわぁ」

カルナさんは早速手を滑らせて豪快に背中から地面に倒れた。泥が髪や服についていてとてもいやそうな顔をしている。

_____ぷっ。

少し笑ってしまった。


「バラ、今笑ったわね」

恥ずかしがりながら怒りを込めてこっちをみている。

「いや、笑ってない」

すぐに真顔に直したが隠しきれなかった。

 俺もカブを抜こうとするととても硬く、抜けなかった。

(硬すぎるだろ。これ)

ぐ~と力を込めると、ブチッ!と音がなった。抜けたかと思ったが根だけしか取れていない。そしてそのまま俺も背中から倒れてしまった。


「プッ・・ぷはははは。人のこと言えないわね」

俺はなにも言い返せなく恥ずかしさだけが残った。



何とか終わったが、ほとんど村人が手伝ってくれて自分たちはあまり取れずにおわった。とても申し訳ない。

 そんなことを思っていると突然レベルアップの光が自分たちを包む。これは村レベルのほうだった。



「助けてくれ!巨大な熊がでた。子どもたちをさらったやつよりも大きい!」

急に町の空気が変わった。

おそらく、これからボス戦だろう。

とカルナさんも気づいた。




・海斗

レベル29

攻撃力 5

防御力 7

すばやさ 35

魔法攻撃力 8

魔法防御力 7

スキル  バックステップLv3 窃盗Lv.1 暗闇目視Lv.1 無音歩行Lv.1

所持金 3650G

・カルナさん

レベル30

攻撃力 20

防御力 7

すばやさ 24

魔法攻撃力 4

魔法防御力 4

スキル バックステップLv.1  動体視力アップLv.1 居合い切り強化Lv.1 炎切りLv.1 気配探知Lv.1

所持金 11800G

ポイント

カイト ステータス12、スキル12  カルナ ステータス10 スキル10


次回!黄昏村・ボス戦!!

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