7歳の男の子が転生したら16歳のお姫様になっちゃった。
こんな感じの話が読みたい!、誰か書いても良いのよ?(チラチラ
止めてお母さん!、止めてお父さん!痛いよ苦しいよ!。
僕はお父さんとお母さんに叩かれている、僕がご飯をこぼしちゃったんだ。
「あうぅぅ・・・止めてよぉ」
僕は必至で止めてと言ったけど、2人はもっと叩いて来る。
お父さんが僕を階段まで引き摺って行くと、階段から下に落とされた。
僕はそこで目の前が真っ暗になり、次に目を開けると見た事無い天井だった。
目を開ける瞬間、「今度は幸せになってね」って言う、とても優しい声が聞こえた気がした。
「姫様!、お目覚めになったのですね!。直ぐにマルクト様をお連れ致します」
「あ・・・」
僕にそう言うと綺麗なお姉ちゃんは、広い部屋から出て行った。
「ぼ・・くは?」
何故だか喉がカラカラで上手く声が出なかった。
身体も上手く動かないので大人しくお医者さんが来るのを待つ事にする。
少しすると、優しそうなお爺ちゃんとさっきの綺麗なお姉ちゃんが部屋に入って来た。
「おお、お目覚めになられたのですね。どれどれ少し診断致しますね」
お爺ちゃんはそう言うと、僕の身体をペタペタと触ったり、丸い鉄の板みたいなのを胸に当てて来た。
「ふむ、大丈夫そうですね。良かった峠は越えた様ですぞ姫様」
嬉しそうにニッコリ頬笑みながら、お爺ちゃんが話しかけて来る。
「あ・・の・・・」
「おっと、喉が渇いて上手く声が出ない様ですな、水を飲ませてやっておくれ」
「はい、畏まりました」
「どうぞ姫様」
僕の身体をベッドから起こし、背中に手を添えて水を飲ませてくれる。
「ンクンク・・・・ぷはぁ」
「あの、ありがとうございます」
ペコっと頭を下げてお礼を言うと、お爺ちゃんもお姉ちゃんも驚いた顔で僕を見て来る。
「僕は双葉いのり7歳です、ここは病院ですか?」
「お父さんとお母さんは何処ですか?」
こてっと頭を傾げながら聞くと、何故か変な物を見る目で僕を見るお姉ちゃん。
「ひ、姫様?。何を仰って居るのですか?」
「お姫様?、僕は男ですよ?」
「マルクト様!、これは一体!?」
お姉ちゃんが慌てた様に、お爺ちゃんに話しかける。
「ふむ、いのり君じゃったかな?」
「はい、そうです」
「少しお話しようか、君の事を聞かせてくれないかな?」
「お話ですか?」
「そうじゃ、君は何処に住んでるだい?」
「僕はお母さんとお父さんとアパートに住んでます」
「君はここに来るまで、何をしておった?」
「えと、僕がご飯をこぼしちゃって・・・お母さんとお父さんに叩かれてました」
「止めてって言っても、止めてくれ無くて・・・ヒック・・・うえぇぇぇぇやめ・て・・・いったの・・うえぇぇぇぇん」
急に泣き出した僕を、お姉ちゃんが抱き締めてくれた。
抱き締めてくれたお姉ちゃんが、暖かくて優しくて。僕はいつの間にか寝ちゃった。
寝てしまった姫様を、ベッドに横たえ。マルクト様に話しかける。
「マルクト様、一体これはどう言う事でしょうか?」
「儂にも詳しい事は分からんよ、ただ姫様の中に誰か違う子が入って居る様じゃな」
「そんあ事があり得るのですか?」
「だが、君も見たじゃろう?。以前の姫様とは明らかに中身が違う」
「姫様のイラズラでは無いのですか?」
「イタズラとは言え、姫様が本気で泣いて。泣き疲れて無く事などあったかい?」
「それは・・・」
「取り敢えず、儂は王や王妃に話をしてこよう。君は姫様を、いや、いのり君を見ててあげなさい」
「畏まりました」
そう言って、いのり君を侍女に任せて儂は王に会いに行く。
そして、王に現在の姫様について全てを話した。
すると王は言った。
「では、対外的にはラヴィーネは今回の高熱で記憶を無くした事にする」
「あの子を今まで通り、姫様として扱うので?。中身は7歳の子供ですよ?」
「仕方なかろう、まだ縁談は決まって無いとは言え16歳の姫なのだ。ここで失う訳にはいかんのだ、それに中身が子供なら記憶喪失にも信憑性が出るだろう」
「分かりました」
「うむ、私も暫くしてその子が落ち着いたら会いに行こう」
「はい」
王の部屋から退出し、溜息を吐く。
「ハァ・・・どうなる事やら」
お姉ちゃんに抱き締められ眠ってしまった次の日、僕は色々な話を聞いた。
僕が今居る所は、フクタス王国って言う国の。王都フレメアで在る事。
お母さんやお父さんにももう会えない事、でも新しいお母さんやお父さんにお兄ちゃんが出来た事などだ。
そして、僕の名前が「双葉いのり」から「ラヴィーネ・シャル・フクタス」と言う名前の女の子に変わりこの国のお姫様になった事。
色々聞いたけど、殆どが何の事か分からなかった。
とりあえずは、名前がラヴィーネになりお姫様になった事を分かれば良いと。お爺ちゃんに言われた。
お母さんやお父さんに会えないのは寂しいけど、もう叩かれないと思うと少し安心しちゃった。
新しいお母さんやお父さんにお兄ちゃんと仲良く出来ると良いな。
「ゆっくりとこの世界に慣れていきましょう」
「頑張ります!」
「元気で宜しい、まずはお城でも探検なさい」
「良いんですか?」
「ええ、もう身体の方も良いでしょう」
「そこの、侍女のセルエにお城を案内して貰いなさい」
セルエと呼ばれた侍女?と言うのは、僕を抱きしめてくれたお姉ちゃんだ。
「セルエお姉ちゃん、よろしくお願いします!」
「姫様、私の事はセルエとお呼び下さい」
「それから、ご自分の事は『私』と言う様にしてみてください」
「わたし?」
「はい、そうですよ」
ニッコリ笑いながら褒めてくれるセルエ。
「はい!」
僕も、あ、違った。わたしもニッコリ笑い返すと少し驚いた後に頭を撫でてくれた。
「行く前に、お洋服を着替えましょうか」
「はーい」
着替えさして貰った服は、女の子が着る様なスカートの着いたヒラヒラした服だった。恥ずかしい。
でも、わたしは女の子になったんだから頑張って慣れないと。
「それでは、行きましょうか姫様」
「うん!」
「セルエ!、手繋いで!」
「え~と」
ちょっと困り顔になり、お爺ちゃんを見るセルエ。
「良いのでは無いかな、姫様は記憶喪失で子供になっている事になっとるからな」
「分かりました、はいどうぞ姫様」
「ありがとう!」
セルエに手を引かれながら歩く、背が前より少しだけ大きくなったのと、胸が大人の人みたいに大きくなった所為で足元が見えにくくて歩き辛い。
時々こけそうになりながら、セルエと一緒にお城の中を歩いて行く。
広いお庭や天井の高い廊下にご本がいっぱいある図書館、色んな所を歩いて居ると。前から怖い顔をした男の人が歩いて来た。
「アルス殿下!」
アルス電化?、電気で動いてるのかな?。わたしに近寄って来る男の人を見る。
「姫様のお兄様ですよ」
「お兄ちゃん?」
「はい、そうです」
あの人がお兄ちゃんなんだ!、仲良く出来るかな?。目の前に来た時に声をかけてみよう。
「おにちゃ」
お兄ちゃんと言う前に、怒鳴られた。
「ラヴィーネお前!、違う人間と中身が変わったなどと訳の分からない事また言いだして!。どれだけ父上と母上に迷惑をかければ気が済むんだ!」
「ヒッ!」
「アルス殿下!」
「黙れセルエ!、どうせ何時もの我儘と同じだ!嘘を吐いてまで迷惑をかけるな!」
「あ・・・ひ・・・うぅ・・うぇぇぇぇぇぇん」
お兄ちゃんに怒鳴られ、怖くなってセルエに抱きついて泣いてしまった。
今、俺の目の前で泣き真似をしているのは妹のラヴィーネだ。何時も何時も我儘放題で王族としての義務も放棄し好き放題で父上と母上に迷惑をかけているやっかいな妹だ。
どうせ今回の中身が変わったと言うのも、好き放題にする為の狂言だろう。
「何を泣き真似をしている!、白々しいぞ!」
そう言うと、ビクッと震えて一層強く泣きだした。なんだ?何時もと違う様な気がするぞ?
俺が困惑していると、珍しく侍女のセルエが叱責する様な声で言って来た。
「アルス殿下!、違います本当なのです。姫様は本当に中身が違います!」
「馬鹿な事を言うな!、そんな事が在る訳無いだろう!」
「では、姫様の目をちゃんと見てから判断してください!」
抱き着いて居た妹を、俺の方に向けるとそう言った。
言われた通りに妹の目を見ると、俺はその目を見て後悔した。
その目はとても純粋で幼い眼差しを俺に向けて来て居た、その目に宿る感情は恐怖と何故怒鳴られたのか分からない困惑だった。
ああ、俺は間違えたのか。素直にそう思えた。
「あ・・・」
何かを言おうとすると、途端にビクッと震える妹。駄目だ怖がらせない様にしないと。
少し身を屈め、目線を同じにし謝る。
「すまない、ラヴィーネ。どうやら俺が間違って居た様だ」
「この不甲斐無い兄を許してはくれないか?」
そう言うと、まだ泣きやんではいないが。コクと小さく頷いてくれた。
「許してくれるのか?」
「うん」
「ありがとう」
俺は妹を抱きしめた。
「お兄ちゃん?」
「ああ、お兄ちゃんだ。ごめんな怒鳴ったりして」
「ううん、僕も泣いちゃってごめんなさい」
抱き締めて居た腕を解いて、改めて妹見る。元々妹はとても可愛い容姿をしている。
16歳だが少し身長は低く147センチで桃色のふわっとした腰までの長い髪。
以前は、我儘放題で容姿など気にして居なかったが。今はどうだろう?、少しオドオドしながらも腕の中で俺を見上げ純粋な好意を向けてくれている。
ヤバイ可愛い、これはヤバイ、色々ヤバイ、何かかが溢れそうだ。
「お兄ちゃん!」
そう言って俺を逆に抱き締めて来た、あ、駄目だ俺はもう駄目だ。
お兄ちゃんが僕を抱きしめてくれた、許してくれたみたいだ。
わたしもお兄ちゃんって言って抱き締めたら、お兄ちゃんがおかしくなった。
凄くニコニコしだして、一緒にお城の中を案内してくれた、そういえば泣いてる時に僕って言ったら、後でセルエに注意された。気をつけないと。
あの後、お兄ちゃんとお城を回り凄く仲良くなれた気がする。
良く頭撫でてくれたし、抱き締めてくれる。お兄ちゃんは良い人だ最初は怖かったけど。
お兄ちゃんって言いながら抱き着くと、鼻を摘んで上を向くんだけど何をしてるんだろう?。変なお兄ちゃんだ。
それからお兄ちゃんと別れ部屋に戻り、セルエが持って来てくれたご飯を食べて寝た。
あれから3日程経つが、毎日お兄ちゃんが部屋に遊びに来てくれるので嬉しい。
3日後の夜にお兄ちゃんが。
「今日は父上と母上も入れて、家族でご飯を食べようか」
と言ってくれた。嬉しくてお兄ちゃんに抱き着くと、また鼻を摘んで上を向いて居た。変なお兄ちゃんである。
その日、晩御飯は新しいお母さんとお父さんと一緒に食べた。
ご飯の途中で、スープを服にこぼしてしまって。前にお母さんとお父さんに叩かれた事を思い出して泣いてしまった。
新しいお母さんとお父さんは、泣かなくて良いよ大丈夫だよと言ってくれた。
それから、前はどんな生活をしていたのか聞かれたので。良くご飯をこぼしたり物を無くすと叩かれたと言うと。
泣きながら新しいお母さんもお父さんも抱きしめてくれた。
抱き締めながら、もう泣かなくても良いよ。ここに君を叩く人は居ないと言われてまた泣いちゃった。
そしたら、一層強くお母さんとお父さんが抱き締めてくれて、頭を撫でてくれた。
新しいお母さんもお父さんもお兄ちゃんも、凄く凄く優しい人だった。
わたしは新しい家族が大好きになった。
明日からの新しい生活を頑張って行こうと思う。
読んで頂いてありがとうございました!