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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

誰かの理想郷

覚醒期

作者: ナキタカ

※きわどい表現があります

※私の作品『「誰か」の理想郷』番外編

※百合

※R-15

※同居設定

※キャラ崩壊が激しいです





結城の部屋




自分の部屋で、彼女は珍しく塚本と共に二人並んでベットに座り雑談をしていた



結城と塚本は趣味があう部分が多く、以前から二人で話をしたいと思っていたことも多かったが

いざ実際に会話をするという機会がなかなか無かった



今ようやく時間が取れて、二人で部屋に入り本棚の漫画を取り出したり

塚本が友人から借りてきたアニメ雑誌を二人で読んだりしながら会話を弾ませていた




(ここまで妙に長かったな…趣味が合う人なかなかいなくて…)




結城は心の中で妙に感動しながら会話をする

彼女も漫画やアニメを見ることには見るのだが、アニメを見る周囲の友人に同じ趣味の人間が少なく

少しだけ不満があったのだった



嬉しいことに、塚本とは音楽の趣味も重なることが多く

二人の共通の話題は3時間余り尽きることは無かった



「あぁ、ありがとね…なかなかこの趣味ぶつけられる人居なくて…」

「ううん、こっちも嬉しかった、ありがとう!」




ニコと笑顔を見せる相手に、塚本もお礼を言いながら笑う




(こうやって普通に嬉しくて笑ってる顔が見られるのは得だよね!)



結城は他の部員と話しているときも良く笑う方だ…が

それは嬉しいというより、面白いや一ノ瀬への呆れ笑いであったりすることが多い



目の前のなにげに珍しい笑顔に塚本は少しだけ満足した

と同時に、ほんの少しの好奇心が沸いてくる



(他の顔も…見てみたいな~と思っちゃうのが人情な訳で…)



結城は手元にあったコップを取ってお茶を飲んでいる

視線を感じて気配の方を見ると、塚本がじっと自分を見ているのに気がつく



「……何見てるの?ちょっと落ち着かないかな」

(…どうしよう可愛い)



そっぽを向いて恥ずかしがる相手に塚本の好奇心は欲に変わる

コップを置いてはぁと息を吐いた相手に塚本は左腕腕を前に出してベットに手をつく



「…すずかちゃん?」


いつもと違う織枝の声のトーンに結城の背中にゾクッとした何かが走る


「…織枝?」


明らかに様子が違う

結城は少し怯えたトーンで塚本に声をかける、がその声は塚本についた火に油を注いだ


「…可愛い…」


結城が状況を理解できないまま呆然としていると、織枝はそのまま結城の体を抱きしめる

右手で相手の顔に触って自分から顔を逸らせないようにする



「ちょ、なにす…酔ってるの!?」

「酔ってないよ?ただ、涼香ちゃんが可愛いのでちょっといたずらしたくなっただけ」

「はぁ!?」



ニコニコと笑った相手に意味がわからないと声を上げるが、相手は聞いていない

自分が倒れこむと、そのまま腕を掴んで結城の体もベットに投げ出される



「…な、なな、ななな、何のつもりで…」

「…涼香ちゃんがかわいいだけ、ね?」



塚本がそう言いながら相手の上にまたがるように乗った



結城は右手でグーを作り威嚇をする



「これ以上したら殴るから!」

「それはちょっと怖い…」


塚本は計っているのかいないのか弱ったような声で言う

だが結城のほうも殴るという行為に抵抗があった

海部や宮内が相手なら話は別だったであろう

だが、相手がまだ常識人に近いと思っていたというのと、状況が理解ができていない所為で上手く狙いが定められない



その間にも塚本は何をしようか考えていた

と思いついた合図のに「そうだ」とつぶやくと結城の首元に顔を近づけてクンクンと臭いをかぐ



「…いいにおいだね?」

「な、何言ってるの!?訳わかんない!!」



塚本がニコニコしながら言うのに結城は慌てながら相手の頭に手を当てて押しのけようとする

が、息のくすぐったさに力が入らない、その体を押し返せない



混乱しかけた思考の中でふと思いつく、この状況を作り出しそうな人間を




「…そっか!宮内と海部さんに変なこと吹き込まれたんでしょ?」



結城の叫びに塚本は一旦顔を上げて普段のトーンで、それでいてまったく違う響きに聞こえる声で言う



「そんなことないよ?舞ちゃんは…」



含んだ笑いをした相手に、結城は察して黙ってしまう

きっと、宮内も犠牲となった後なのだ、と



にわかには信じられない話ではある

この手の状況で宮内が負けるなど考えられない、普通に反撃されてしまうはずだ



「舞ちゃんは女の子の髪の毛のにおいがしたね…

 涼香ちゃんはもっと元気な…あったかい匂いがする…」



だが、相手の笑顔が全てを物語っている、宮内ですら負けた



「…海部さんのところにいったら?あの子、ほら、こういうことされるの好きなんじゃ…」

「海部さんは…」



言い切らずにニコッと笑う塚本に、結城は何かを理解した

この子、私が思ってる以上に…?



「それじゃ…涼香ちゃんも楽しもうかな?」



言いながら塚本は再び顔を近づける、が今度は耳元に彼女は顔を近づける



「あ、あんまり怖いことしたら許さないから!!」

「大丈夫…気持ちよくなるから」

「ひゃぁ…そういう意味じゃないから!殴る!あんたでも殴る!」


耳元でささやかれた結城がくすぐったさで声を漏らすと、顔を赤くしてばたばたと足を動かす



「暴れてるんだ…怖い?くすぐったい?それとも気持ち良い?」

「くすぐったいから離れてってぇ…ひゃああそんなとこダメ!!」



言ったあと、耳を噛まれた感覚は感じたことが無くて思わず驚きで声を上げる

塚本はますます気が大きくなって軽くその耳を舐める



「ふぁあ…あぁ…あ…」



抵抗していた体は、徐々に力が入らなくなっていき頭を引き剥がそうとしていた腕はだらんと体の上に乗る



「可愛い声出すね?他の皆誰もそんなことになるって知らないよ?」

「…馬鹿!帰れ!埋まれ!消えろ!馬鹿!馬鹿!」



勢いだけで殴ってみるが、力の入っていない腕のそれは痛みをほぼ感じない

耳から首筋に舌を這わせてもっと声を上げさせようとする



「ひあっ…あぁああ…ふざけるな…飯…作ってやらないからな…」

「海部さんに頼むもん」



一度顔を上げて結城の顔を見る、相手は真っ赤になった顔を手で隠していた



「…っ…うぅ…」

「えっと…涼香ちゃんはどこが弱いんだっけ?」



声を上げるだけで、もう抵抗する気力を失った結城を目の前に塚本は恍惚の表情を浮かべる

結城は結城のほうで、予想もしなかった相手に支配されそうな感覚に混乱が収まらない



指をわきわきと動かして相手の体に…まずはわき腹を指で軽くなぞる



「ひいぃ…いやぁ…ばか…やめ…」

「可愛い…」



まだ抵抗の声を上げる結城に笑みを浮かべながら呟く

指は次のツボを探すように体を走っていく



「やめて…くすぐったいの…弱いから…」

「弱いって言われるともっとやりたくなるの…ごめんね?」

「ひあぁ!」



わき腹から少し上に言ったところにツボがあったのか、結城は喘ぐような声を発する



「……うぅ…」

「疲れた?」

「もう勝手にしろ馬鹿!馬鹿!ば~か!」



結城は追い詰められ過ぎると「馬鹿」としか言わなくなる

もう、彼女は諦めたのだった…



「いいの?本当に勝手にするよ?」

「………馬鹿」


拗ねたように一言呟いた相手に、一瞬抵抗がなくなったことに覚めかけた熱は再び燃え上がる




「二箇所同時なんかやってみる?」

「………」



つかれきった相手はもう答えない、塚本はそれを承諾と受け取って耳を甘噛みし腰に指を滑らせる



「………っ……」

「今頃我慢?」




先ほどより明らかに刺激は強い、が結城は声を発さない

塚本は相手の顔が見えないためわざとわかっていないように言う


実際彼女は、強い刺激に声が出せないで居ただけだった



「…どう?気持ち良い?」

「もう何でも良いから!早く終わって!何でも良いから!負けで良いから!!」

「勝ち負けとかじゃなかったけど…」



少しだけ名残惜しむような声で塚本は言うと、大人しく指を止めて耳に軽く口付けをすると顔を離す



「……はぁ……はぁ…」



まるで行為の後のように呼吸を荒げ、暴れたために服が乱れた相手の姿を見て

塚本は一応満足したのか立ち上がる



「…楽しかった~!ふふ、このこと言っちゃおっかな?」

「!?」

「いっつも頼れるお母さんみたいな涼香ちゃんが、こんな事になるって」

「……もういい、勝手にしててよ」



諦めたような声で、拗ねたのかそっぽを向く相手に塚本は笑って言う



「ごめんごめん、流石に言わないって」



塚本が頭を撫でようとする手を振り払って結城は立ち上がって扉に向かう



「テレビ見てくる!じゃあ!」



捨てるように強く言って結城は服を扉の前で正すと部屋を出て行った

その場に残された塚本は暫く呆然としていたが、先ほどまでのことを思い出して笑みを浮かべる


(…また遊びたいなぁ…)


彼女も立ち上がると、先ほどのことをもっとしっかり思い出すために自分の部屋に向かった





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