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大規模バージョンアップ、そして裏側で


『レギオンフラッグのプレイヤーの皆様へ

 運営側が想定していたバージョンアップ予定時間が大幅に遅延することが判明しましたので、ここにご報告いたします。

 当初、予定していた想定を大幅に超える変化が判定上発生しましたので更なる変更が加わりました。

 追加の変更点は以下の通りとなります

 

 1:操縦兵用T-Heartの採用が確定しました。

 操縦兵スキル持ちの皆様からの要望が多数上がっていますのは装備の運用のしにくさと兵士の生存率の低さの改善です。そこで生存率を向上するために操縦兵でも使える簡易型とも言える操縦兵専用T-heartの運用が開始されます。装甲は他のモデルより薄いですが、操縦兵向けの新機能、Cユニットとのリンクが使えます。


 2:機動兵器用戦術AI、通称Cユニットを導入します。

 操縦兵の皆様からの要望としては戦車などの運用に人数が取られすぎるというリアリティに拘ったがゆえに弊害です。

 そこで簡易型戦闘車両であるテクニカルを除き、一般的に当初より軍用兵器として開発されているものは戦術AI、通称Cユニットにより1人でも運用できるようにします。

 ただし、Cユニット運用型の場合は従来のFPSでの戦車のように運用しますので、操縦系統が全く異なるモデルとなります。よって従来型の操縦に慣れているプレイヤーが鹵獲したCユニット搭載型を奪おうとした場合はかなり戸惑うことを覚悟してください。また、砲弾の装填システムやリモコン式機銃の運用も行わねばならないため、支援要員としてAIに疑似人格を搭載して運用を任せることとなります。Cユニットの有無は車両所有者がカスタマイズにて選択します。また、Cユニットとのリンクを行う場合は操縦兵用のT-heartを装備するか、電脳化を行うことが必要となります。


 3:Cユニットの人格、容姿を自分でカスタマイズできるようにします。

 電脳歌姫シリーズのようにCユニットをカスタマイズできます。具体的にはデフォルトでは機械音声、姿なしとなりますが、カスタマイズにより、声優のようなボイスと様々なアバターをもたせたアイドルとして心の癒やしにもなるかもしれません。ちなみに経験したデータは蓄積されますが、搭載されている機体撃破された場合、基地にて保管されているバックアップデータを使わないとデフォルトに戻ります。なお、将来的なアップデートにて義体にCユニットを載せたモデルが登場するかもしれません。


 4:T-heartのカスタマイズがより進化しました。

 第二世代型の現行機ではベーシックな通常型をベースに、装甲を追加していく重装甲化するのは簡単ですが、軽量化は装甲を外し、削り出した別のデザインへと変える必要があるという意見がありましたので第3世代型の新型では操縦兵用T-heartで誕生した軽量型をベースとして装甲やスラスターなどを追加していく方式へと変わりました。これにより改造のバリエーションが増えたほか、修理費も改善していると思われます。


 5:外骨格が運用できるようになりました。

 新ソ連が開発したリビングメイルシリーズに関する情報が広まったことにより、T-heart用の追加武装ユニット強化外骨格が運用できるようになりました。より強力な火砲や装甲が運用できますが、新兵器なので運用方法などは未知数です。また、技術的にも未成熟な分野ですので兵器開発を行っているプレイヤーは推奨武装開発なども目指せるでしょう。しかし、強化外骨格自体がまだ未熟な技術ですので戦場の徒花となる可能性も否定できません。それはプレイヤー次第のことです


 6:よりハードモードのサバイバルサーバーを運用します。

 よりリアルな戦場を、よりリアルにというコアでヘヴィなユーザーの皆様の願いにより、今回の判定で発生した影響を考慮し、サバイバルサーバーを運用開始します。

 サバイバルサーバーでは機械的な支援は一切なく、電脳化などを行っていたとしてもデータを保存する事ができない熱核戦争の後という設定ですのでキャラの死=キャラクターデータ喪失となります。

 また、部位欠損などの治療もできないので運良く義体化していた場合を除き、部位欠損の治療は不可能などとなります。なお、適切な義体パーツが存在する可能性がないので、最悪、サイバーパンクのようなロボットパーツを運用する可能性もあります。

 そして、サバイバルサーバーのキャラデータと通常サーバーのキャラデータは同一ではないので、ログイン時にサーバーを選ぶことが可能です。

 サバイバルサーバーでは痛覚判定が常に限界値となりますので、普通のダメージでも死ぬほどではないが苦しい痛みを受けます。それを覚悟の上で選択してください。

 そして残酷描写もリアルに採用されるため、18歳未満は選択できないシステムとします。


 今後も、素晴らしい経験を楽しんでください。運営一同より』


 そういうアップデートが告知されると掲示板では祭りとなっていた。



 そして運営会社ジェディス社の緊急会議。


 「しかし予想通りにゲームと割り切って勢力を分けたものだな。まあ、敵の敵は味方となりうるからな」


 「とは言え、リアルの世界の状況を生み出してしまわんかね?」


 「構わんよ。彼の国は独立させてしまっても。むしろ独立させてしまう方がよいのじゃよ。現実では経験したことない、自力での独立抵抗運動を経験する。それこそゲームならではないかね?」


 「さて、次は操縦兵用のCユニットか。確かに我が国は人員が欲しい。機甲戦力用の人員は欲しいが、かといって人員は野菜畑でとれるキャベツではないし、野菜畑でとれる人員ではのう。徴兵なんぞ無理だからな。人員減らせて戦力を底上げできるCユニット搭載実験車両は期待ではないか」


 「一応、テストでは評価は高い試験用の実機ですがね。ですが、現状のプログラムの演算ではねえ。敵味方識別システムなども搭載していますが、現状、完全なダウングレードモデルとなっていますよ。まあ、そこは学習と経験を積ませないとならないのですが、現行主力戦車の運用試験となると。やはり平和主義団体がうるさいですからえ」


 「最終的には空自も導入できるようにするつもりのようだが、大丈夫かね?」


 「まあ、そこはそこですよ。当面は陸自管轄の戦闘ヘリと海自管轄のヘリ、それらで試験する予定です。空自向けにはまだまだ改良しないとだめですしね。現在、空自での実証実験機ですが、新規にフレームからとなると、予算がおりませんからね。次世代機の技術検証機で大方のテストは終えた心神と、書類では廃棄ですが予算の関係で廃棄完了していない旧型機体に試験型ユニットを組み込んでいますよ。パーツのニコイチ修理とかは気に入りませんが、廃棄予算を削る意味でも使いつぶせますし」


 「国防は金がかかるのう。しかも掛けなければ意味がない。ジェディスはそのために存在する」


 そして今日も祭りと会議は盛り上がりを見せている。

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