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ブートキャンプ 新人への洗礼・邂逅

チュートリアル部隊への入隊、それが最初の洗礼だ。

俺は期待と不安に胸をチュートリアル部隊、PMCサンライズの新人教育隊へと入隊する

ドアを開けて中に入ると、そこはどこかの会社の応接室兼事務所に見えるだろうか。軍という印象は見受けられず、ただ、壁のポスターには


『来たれ!若者たち!』

『士官候補生、採用試験◎月◎日実施』


という案内の文字が踊っていたりするのが軍らしいということだろうか?


「入隊希望の方ですね?ようこそ、チュートリアル部隊、PMCサンライズ地方連絡部へ。私はこの事務所の責任者のマルチダ・カーゴ少尉です。事務手続きはここで行います、よろしいでしょうか?」


どこかほんわかとした雰囲気のする優しげな、しいて言えばアニメに出てくるようなご近所の世話好きお姉さん役というような感じのした女性が奥の机から立ち上がり、こちらに向かって歩いてきた、頭にはマルチダという名前と赤い1つ星の階級章が浮かんでいた


「まずは確認しますので名前、性別を記入してください」


名前の欄に試しにナターシャ・ツバロフ、性別を女性として記入してみた。他のVRMMOでは登録者個人の体格がそのまま反映されたりするが、この【レギオン・フラッグ】では男性が女性を演じるネカマ行為、女性が男性を演じるネナベ行為も不可能ではない。とはいえ、そういった行為はゲームだから許されるわけで、女性キャラ限定武装、または男性キャラ限定武装などがあるが装備したいという人とかが選ぶことの多いことだったりする。


「あら、女性でしたか・・・もう一度確認します。本当にこの記入内容は間違いないですか?」


マルチダ少尉の発言の後、画面に注意喚起の赤文字がでて説明してきた


『注意・この【レギオン・フラッグ】の世界設定は現実の世界設定に可能な限り近づけています。そのため、イスラム文化圏では女性はブルカなどと呼ばれる民族衣装で顔と手以外覆った状態での行動を義務付けられます。またレンジャーなどの資格入手条件に男性のみとなっている場合がありますので、その旨を覚悟してください』


「どうします?訂正しますか?」


マルチダ少尉は再度確認してきたので俺は素直に「お願いします」と言って先ほど書いた登録用紙を破り捨てた。

登録用紙といっても所詮はポリゴンデータ。ビリビリに破ると、破壊判定により、登録用紙はデータのゴミとして消えていった。


「それではもう一度、名前と性別の記入をお願いします」


再び渡された登録用紙に少し悩んでアルフォード・オーランド、男性と登録してみた。

名前は別のMMOで使っていた名前だ。VRMMOではないから知っている奴しか馴染みがない名前だ。


「では、写真を撮影します。こちらへどうぞ」


写真撮影と言われ、顔のグラフィックと全身の姿を変えることになる。

他のVRMMOでは変えることができないが、この世界では変えることができる。

アジアン、黒人、白人などを選べるし、体型、髪型、目の色、顔の傷などバリエーション豊富だ。

ゲーム開始後ならタトゥーなども入れることができるようだ。

ベースは長身の白人、髪の色は黒、目の色も黒、睨みつける感じの鋭い目を持つ男となっていった。


「正式に受領しました。アルフォード・オーランド訓練生。地獄の入口へようこそ。PMCサンライズはプライベートミリタリーカンパニーとして各国の軍人育成に必要な訓練を専門に受注している世界最大の傭兵派遣業者として成り立っています。アルフォード訓練生には基礎的な訓練を受けてもらい、その上で各地の正規軍へ紹介、その時点で正規軍の二等兵として登録されます」


マルチダ少尉の説明を聞いてすごく設定が凝っているなと思った。PMC、プライベートミリタリーカンパニーは一昔前は傭兵とかいう名目で個人で動いていたのが集団企業となって成立した存在だ。

軍人の基礎的な訓練、非合法活動による破壊工作、各国要人の護衛、物資輸送など、普通の軍では出来無いことや軍でもできるが経費の面で委託したほうが安いという行為を依頼して受けてもらう会社組織だ。

会社なのでそれぞれ得意分野がある。この【レギオン・フラッグ】というゲームの世界設定では、チュートリアルとしての専門部隊、そう言う意味で民間軍事企業を出してきたのだろう。各プレイヤーに同じスタート条件を与えるという意味では悪くない。しかし世界中の軍隊に人材を派遣するというのはかなりすごい企業ということでもある。


「この世界ではサンライズ条約により、すべての国が基本的には我が社の訓練生を採用することが義務付けられています。その代わり、どこの国にも属さず、どこの国の人間でも自由に訓練を受けることが出来て、どこの国でも優秀な訓練生を受け入れることができるという素晴らしい契約です。その契約にアルフォード訓練生はサインをしました。訓練終了後はどこの国に志願しようとも自由です。それでは早速、訓練場に入ってもらうことにします。さあ、どうぞ。教官がお待ちです」


教官はどんな人だろうか?そんなことを考えながらマチルダ少尉に案内されるがまま、事務所の奥にある扉へ向かっていく。

その扉の向こうには・・・・砲撃用の的や射撃場を備えた訓練所らしい場所が広がっていた・・・・。


「リアルすぎるな・・・これって陸自の東富士演習場とか言わないか?」

年に一回、陸上自衛隊が戦車、戦闘ヘリ、空挺部隊などを展開して日頃の訓練成果を一般に披露する総合火力演習の舞台。日本最大の演習場、それが東富士演習場だったりする。そんな場所にヴァーチャルとはいえ、たっているのだから・・・訓練内容がどんなのか、気になりながら、教官を待つこととした。


「気をつけい!!」


いきなり後ろから、野太い声で号令をかけてくる人がいた。


「PMCサンライズ新人教育隊の指導教官を担当しているエドガー・サンダース軍曹だ!よく来たな新人!歓迎するぞ!」


いかにも指導教官という感じのごつい迷彩服姿の大男が後ろに立っていた。


「さあ・・・訓練開始だ。きっちりと楽しんでもらうぞ!」


「サーイエッサー!」


どうせ楽しむならノリノリにやらなければダメだろ?ゲームなら。

というわけで、早速キャラメイキングを行い、訓練生としてチュートリアル部隊へと入隊した小松くん。

果たしてどうなるのでしょうか?


とりあえず次はチュートリアルとして訓練開始となります

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