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少女は目をあけると、知らない男性と目があった。
頭はまだ寝ぼけたままのため、ぼんやりと彼を眺めていた。
むしろ顔より男性の髪を見つめているのだろう。
彼の髪は、別段珍しい訳ではない色だ。
しかし、優しい光に照らされて、まるで暖かそうに思えた。
少女は、懐かしさをおぼえる。
そして、手を伸ばしていた。
「ロヴィッサ、会いたかった。」
蚊の羽音のようなか細い声で呟くと起き上がった。
そして、狩人と誰かを勘違いしたまま抱きしめた。
「おい!」
「やっと、会えた…。」
少女は勘違いしたまま、男の胸でまた、眠りについた。
狩人は突然のことでしはしばうごけないでいた。少女の寝息をきき、我に返る。
あいつは、何してんだ!?と悪態をつき後ろを振り返った。
ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべる医術士がいた。
おもわず、にらむ。
「お前なぁあ!!」
その光景を後ろで眺めていた医術士はくすりと笑う。
抱きつかれた方は、きっと戸惑いの表情で面白いことだろう。
医術士は、さきほどから見に行きたい気持ちを抑え、ただ観察していた。声のかかる今まで。
睨みを利かせながら、狩人が呼んでいる。
しょうがない、行ってやるかっと、たちあがった。
「こらこら、大声あげないの。」