第94話:永遠の繁栄へのカウントダウン
『ハーレム帝国』の建国から一周年。かつて「無能」と蔑まれ、一兵卒以下の扱いを受けていたユートスは、いまや世界の理そのものを統べる「唯一神」に近い存在となっていた。
新エデンの中心部にある空中宮殿の大広間には、210人の花嫁たちが一堂に会している。彼女たちの瞳には、もはや不安や争いの影はない。あるのは、一人の男に向けられた、狂おしいほどの深い愛と、自分たちが築き上げた「完璧な世界」への誇りであった。
「――ユートス様。本日、最後の未開拓領域であった『北方氷獄』の緑化が完了いたしましたわ。これにより、この惑星の全土が、貴方様の魔力によって祝福された『楽園』へと統合されました」
フィオナが、光り輝くホログラム地球儀を指し示しながら報告する。
「……そうか。ようやく、本当の意味で『世界』を救えたんだな」
ユートスは玉座に深く腰掛け、黄金の酒杯を傾けた。彼の現在のステータスを、フィオナが解析を試みたが、結果は常にエラー。
Status = Base \times 2^{210}
この数式が導き出す数値は、もはや三次元の存在が認識できる限界を超えていた。
「……ねえ、ユートス。……世界はもう、十分すぎるほど平和になったわ。……だから、これからは、もっともっと『私たち』のことだけを見ていてほしいの」
リリアが耳をぴくぴくと震わせ、ユートスの膝の上に滑り込んできた。
「リリア。……もちろんだ。……俺がこの力を手に入れたのは、世界を救うためじゃない。……お前たちを、一秒でも長く、この腕の中で抱きしめるためなんだからな」
ユートスがリリアの腰を引き寄せると、周囲の嫁たちからも一斉に熱い視線が注がれる。
かつて社畜として、誰の記憶にも残らない「使い捨ての駒」だった男。彼が手に入れたのは、210人の最愛の家族という、何物にも代えがたい「魂のストック」だった。
「――さあ、祝宴の始まりだ! 第8章の締めくくりとして、今日は世界中の民に、俺たちの『幸せ』の余波を無制限に開放する!」
ユートスが指を鳴らすと、城全体がまばゆい黄金の光に包まれた。
その光は、かつての敵対国だった王都の跡地にも、極寒の地にも、深い海の底にも届き、全てを癒し、満たしていく。
人々は空を見上げ、自分たちを救った「ハーレム王」の名を叫んだ。
「ユートス様! 210人の女神様! 永遠なれ!!」
第8章、完。
物語は、いよいよ全読者が待ち望んだ、至福のエンディング――**「最終章:二百一〇人の花嫁と永遠の楽園」**へと、一陣の風となって駆け抜ける。
【作者からのお願い】
第8章完結!世界が完全に「ユートス色」に染まりました!この圧倒的な達成感と、リリアの甘えっぷりにニヤリとした方は、ぜひ**【ブックマーク】と【評価】**をよろしくお願いします!次話、いよいよ最終章の第1ページが開かれます!




