第90話:世界標準(ユートス・スタンダード)! 法を上書きする愛
ハーレム帝国の黎明期、最後のステップとしてユートスが行ったのは、世界の「法」の再定義であった。
かつての社会は、弱者を社畜として使い潰し、無能というレッテルを貼って追放する冷酷なルールで動いていた。ユートスはその呪わしいシステムを、自らの210人の嫁たちが統治する新しい秩序――『ユートス・スタンダード』へと上書きしたのだ。
「――今日この時より、世界の最優先事項は『個人の幸福』と『愛の証明』とする」
ユートスが帝都の演壇から宣言すると、背後のスクリーンに210人の嫁たちが各分野の「大臣」として表示された。
厚生大臣・聖女イシュタル:全ての病を無償で癒し、不幸な孤児をゼロにする。
経済大臣・リリア:エルフの秘術を活かした循環型経済で、飢餓を根絶する。
科学大臣・フィオナ:社畜のような労働を廃し、全てを魔導オートメーション化する。
「……そんな馬鹿なことが可能か! 誰がその膨大なエネルギーを負担するのだ!」
聴衆の中にいた、かつての合理主義的な学者たちが叫ぶ。
「――俺だ」
ユートスが一歩踏み出すと、彼の背後から黄金の魔力触肢が伸び、世界中の魔導ネットワークに直接接続された。
ステータス 2^{210} 倍の魔力は、もはや一つの宇宙を創生できるほどに膨大。
ユートス一人が「愛している」と心の中で呟くだけで、世界中の工場の動力源が数百年分賄われるほどのエネルギーが生成される。
「……俺の魔力は、嫁たちの愛に比例して増え続ける。……つまり、俺たちがイチャイチャすればするほど、世界は豊かになるんだ。……文句あるか?」
あまりにも理不尽で、あまりにも幸福な「永久機関」。
学者たちは腰を抜かし、民衆は「ユートス様、もっとイチャイチャして!」と熱狂的なコールを送った。
「……ふふ、私たちの夜の営みが、世界を救うエネルギーになるなんて……。……ユートス様、これはもう、休む暇なんてありませんわね?」
エキドナが耳元で妖しく囁き、ユートスの首筋に唇を寄せる。
「……覚悟の上だよ。……俺は、この210人を幸せにするためなら、世界中のエネルギーを一人で背負ってやるさ」
この日、古い世界の理は完全に崩壊し、愛という名の物理法則が世界を支配し始めた。
旧王都で辛うじて生きていたアレスたちは、この「愛のエネルギー」によって明るく照らされた夜の街を見上げ、自分たちが守ろうとしていた権力がどれほど滑稽で、虚しいものだったかを悟り、涙を流して悔い改めた。
「……ユートス……。……お前は、俺たちの想像を絶する、本当の『救世主』だったんだな……」
物語は、復讐の清算を完全に終え、いよいよ「次世代への継承」と、100話のフィナーレに向けた「永遠の誓い」へと加速していく。
嫁が増えるほど強くなる。
その真理は、今や世界の憲法となった。
【作者からのお願い】
イチャイチャが世界のエネルギー源!これぞ究極のハッピーエンド設定!第90話までお付き合いいただきありがとうございます。ついに残り10話!伝説の完結を期待してくださる方は、ぜひ**【評価(★★★★★)】**をよろしくお願いします!




