第88話:210人の一斉結婚式! 指輪の重さはステータス?
神との対決を制し、世界の頂点を名実ともに手中に収めたユートスが次に行ったのは、210人の花嫁たち一人ひとりに対し、永遠の愛を公に誓う「世界同時結婚式」であった。
会場は、新エデンの中心にそびえ立つ、ユートスの魔力によって一晩で築かれた『至福の聖堂』。空を舞う純白の竜たちが祝福の火花を散らし、世界中の民が魔導スクリーンを通して、この歴史的瞬間を固唾を呑んで見守っていた。
「……ユートス様。私、この日のために聖騎士の甲冑ではなく、最高のドレスを仕立てましたわ。……どう、でしょうか?」
第一の嫁、アリエルが頬を林檎のように赤く染め、純白のシルクに身を包んで現れた。剣を持たない彼女の手は、愛する男を求める乙女そのものだった。
「……綺麗だ、アリエル。世界で一番、美しいよ」
ユートスがその手を取ると、アリエルの目から大粒の涙が零れ落ちる。
そして、彼女の指に嵌められたのは、ユートスが自らの「無限」の魔力を結晶化させ、神の領域の金属『オリハルコン・エデン』で鍛え上げた特製の指輪であった。
この指輪には、ユートスの現在のステータス倍率――$2^{210}$倍という絶大な加護がダイレクトに刻まれている。
『契約深化:第一正妃アリエル。……指輪による共鳴発動。……アリエルの全ステータスがさらに100万倍に固定されました』
「……あ、あぁ……。指輪から、ユートス様の温もりが、力強く流れ込んでくる……。これでもう、一分一秒離れていても、貴方の愛を感じていられますわ」
アリエルに続き、エルフのリリア、魔導士フィオナ、聖女イシュタル、元魔界女王エキドナ……。210人の絶世の美女たちが、それぞれ異なるデザインの、しかし同じ「愛の重さ」を持つ指輪を受け取っていく。
「ふふ、これで私も『ユートス様のもの』って、世界中に自慢できるわね」
リリアが耳をぴくぴくと揺らし、指輪を掲げて満面の笑みを浮かべる。
「……ユートス。……指輪の魔力抵抗値、測定不能だわ。……これ一つで、かつての魔王軍を一人で殲滅できる出力がある……。でも、それ以上に……重いのね、貴方の想いは」
フィオナが眼鏡を外し、ユートスの胸に顔を埋める。
210人の指輪が共鳴し、聖堂からは虹色の光柱が立ち昇った。それは世界を浄化し、人々に「愛こそが最強の力である」という真理を物理的に刻み込む光。
沿道で、かつての没落勇者アレスや旧国王たちが、その眩しすぎる光景に目を焼き、自らの卑小さに絶望して地面を這い蹲る。
「……結婚式だと……? 210人と同時に……!? 狂っている……あいつは、神をも超える狂気の愛を持っている……!!」
アレスの叫びは、民衆の歓喜のファンファーレにかき消された。
ユートスは壇上に立ち、210人の花嫁たちの手を交互に握りながら、空を見上げた。
「――俺たちは、今日、本当の意味で一つになる。……この指輪の数だけ、俺のステータスは増え、この指輪の数だけ、お前たちの幸せを守り抜く。……異論がある神がいたら、今すぐ出てこい。まとめて愛の重さで叩き潰してやる!」
ユートスの咆哮に、天界すらも沈黙した。
210人の女神と、一人の絶対神。
史上最大、そして最高に「重い」結婚式は、世界に永遠の平和を約束する鐘の音と共に、幕を閉じた。
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