第84話:嫁たちの建国記念日! 210人の女神による「大感謝祭」
『ハーレム帝国』建国一周年を記念して、210人の嫁たちが主催する「大感謝祭」が開催された。
会場は、新エデンの中心にそびえる世界最大の円形競技場。
しかし、ここで行われるのは血生臭い闘技ではない。
210人の嫁たちが、主であるユートスへの愛を証明し、民衆にその幸せを分け与える、究極の「エンターテインメント」だった。
「――皆様、注目ですわ! 今から、ユートス様に捧げる『210人の一斉合唱』を開始いたします!」
司会進行を務めるのは、学園都市の風紀委員長だったクラリス。彼女も今や、ユートスの前では一人の可愛らしい少女として、その美声を惜しみなく披露している。
210人の絶世の美女たちが、それぞれ異なる楽器を奏で、声を合わせる。
その歌声には、210倍のステータス倍増を繰り返したユートスの加護が宿っており、聴く者全ての魂を昇天させるほどの神々しさを放っていた。
「……あぁ、生きてて良かった……。……こんなに美しい歌が聴けるなんて……」
沿道の老人が涙を流し、若者たちは希望に目を輝かせる。
パレードの最後、ユートスが黄金の龍(嫁の一人、竜族の王女・ドラコニア)に乗って現れると、熱狂は最高潮に達した。
「ユートス様! 私の愛を受け取ってください!」
210人の嫁たちが、一斉にユートスの元へと飛びつく。
空中で繰り広げられる、数百の女神と一人の王による「愛の乱舞」。
それはもはや伝説の壁画のような神々しさでありながら、同時にどこまでも個人的な、熱い愛情の交換であった。
「……みんな、ありがとう。……俺を選んでくれて、本当にありがとう」
ユートスは空中で、210人の嫁たち一人一人の名前を呼び、その想いに応えていく。
社畜だった頃、彼は誰からも名前を呼ばれず、ただの使い捨ての駒として扱われていた。
だが今は、210人の最愛の人たちが、彼の名前を慈しみを持って叫んでいる。
「……ユートス様。……見てください。……あそこで悔しそうにこちらを見ている、かつての『敵』たちを」
アリエルが、地上の片隅で惨めそうにパレードを見上げているアレスたちを指差した。
ユートスの視界には、もはや彼らは「背景の点」に過ぎない。
「……ああ。……彼らにも、感謝しなきゃな。……あの日、俺を追い出してくれたおかげで、俺はこうして210人の女神に囲まれる『世界で一番幸せな男』になれたんだからな」
ユートスが放つ圧倒的な幸福のオーラが、王都中に、そして世界中に降り注ぐ。
復讐は終わった。
今、この瞬間から物語は、復讐の先にある「永遠の幸福」をどう維持し、どう深めていくかという、未知の領域へと足を踏み入れていく。
【作者からのお願い】
第84話、いかがでしたか?210人の歌声が世界を救う、圧倒的ハッピーエンドへの序曲!ここまでユートスを応援してくださった皆様、ぜひ**【評価(★★★★★)】と【ブックマーク】**をよろしくお願いします!次話、いよいよ第8章のクライマックスへ!




