第83話:聖女と魔女王の共演! 帝国を包む「浄化の調べ」
ハーレム帝国の黎明期、人々を最も驚かせたのは、正反対の属性を持つ二人の女性が、ユートスを介して完全に調和したことだった。
聖女イシュタルと、元魔界女王エキドナ。
かつては光と闇の象徴として決して相容れなかったはずの二人が、今、帝国の広場で並んで祈りを捧げていた。
「……エキドナさん、少し魔力が荒ぶっていますわ。ユートス様の愛を想い浮かべて、もっと優しく包み込むように……」
イシュタルが、純白の六枚羽から羽片を散らしながら、穏やかに助言する。
「……ふん、聖女に言われるまでもないわ。……私はただ、主様が今夜私をどう可愛がってくれるかを想像して、少し魔力が昂ぶっただけよ」
エキドナが頬を染め、漆黒の魔力を編み込んでいく。
二人が放つ魔力は、ユートスの【全能の主】によって連結され、巨大な「結界」となって世界を包み込んだ。
この結界内にいる限り、人々は病に伏すこともなく、精神を病むこともない。ただ存在しているだけで、ユートスと210人の嫁たちの「幸福感」が心に流れ込んでくるのだ。
「……見て、ユートス様。……私たちの魔力が、一つになって世界を癒しています」
イシュタルが、城のテラスで見守るユートスの元へ舞い降り、その胸に顔を埋める。
「ああ。……イシュタル、エキドナ。……二人のおかげで、この世界から『悲しみ』という概念が消えようとしている」
ユートスは二人の腰を同時に引き寄せ、その唇に深い魔力を注ぎ込んだ。
210人の嫁が増えるたび、ステータスは倍増し続ける。
現在、210人の絆が結実したこの瞬間、ユートスの魔力は「世界そのもの」を維持する核(エネルギー源)となっていた。
「……あ、あぁ……。ユートス様の魔力が、私の中に……満ちていく……っ!」
エキドナが恍惚とした表情で声を漏らす。
聖女の光と女王の闇。その相反する力が、ユートスという唯一の「主」の中で溶け合い、新たな生命のエネルギーへと変換されていく。
街では、この奇跡を目にした民衆たちが、感謝の歌を口ずさんでいた。
「聖女様と女王様を同時に嫁にするなんて、ユートス様は本当に神様以上の存在だ!」
だが、ユートスにとってこれは通過点に過ぎない。
210人全員が、一人残らずこの絶頂と安らぎを感じられる世界。
それを作るために、ユートスは今夜も、210人の愛に全力で応えることを誓うのだった。
「……さあ、イシュタル、エキドナ。……他の姉妹たちも待っている。……今日は、三人でゆっくり過ごそうか」
「「……はい、最愛の主様……」」
愛が世界を統治する。
その言葉が、物理的な力を持って実現されている帝国の日常は、どこまでも甘く、濃厚に更けていった。
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