第79話:魔王浄化! 210人のキスが世界を救う
崩壊する魔王城の最深部。そこには、膝をつき、自らの折れた魔剣を見つめて絶望する魔王の姿があった。
かつて世界を恐怖のどん底に叩き落とした闇の王は、今や、ユートスと210人の嫁たちが放つ「幸福のプレッシャー」に押し潰され、存在そのものが霧散しかけていた。
「……ありえぬ……。私の絶望は、数多の人間から吸い上げた純粋な負の結晶。それが……たった一人の男と、その女たちの『情愛』程度に、これほど無様に蹂躙されるなど……!」
魔王の呻きに対し、ユートスはゆっくりと歩み寄る。その足音が響くたび、暗黒の床は黄金のタイルへと変わり、周囲の壁からは色鮮やかな花々が芽吹く。ステータス 2^{210} 倍。この領域に達したユートスの存在は、もはや歩く「創造神」そのものだった。
「魔王。お前は間違っていた。……『孤独』こそが究極の力だと言ったな。だが、俺が社畜時代に学んだのは、人は一人じゃ明日を生きる理由すら見失うってことだ。俺に『明日』を、そして『無限の力』をくれたのは、ここにいる210人の家族なんだよ」
ユートスが右手を掲げると、背後に控えていた210人の嫁たちが、一人、また一人とユートスの元へ歩み寄る。
エルフのリリアが右手を、聖騎士アリエルが左手を、聖女イシュタルが背中を、魔界女王エキドナが胸を――。210人の絶世の美女たちが、ユートスの身体に触れ、それぞれの慈愛と魔力を直接注ぎ込んでいく。
「さあ、魔王。お前の絶望を終わらせてやる。……死による消滅じゃない。俺たちが持っているこの『溢れんばかりの幸福』で、お前の魂ごと上書きしてやるよ」
「――【神域展開:至福の祝典(エターナル・ウェディング・セレブレイション)】!!」
その瞬間、魔王城から天を突くほどの黄金の光柱が立ち昇った。
それは攻撃魔法ですらない。210人の嫁たちがユートスに捧げてきた「愛の記憶」と「快楽の結晶」、そして「未来への希望」が混ざり合った、究極の浄化波動。
「な、なんだ……この、温かさは……!? 身体が……溶けていく。……いや、満たされていくのか……?」
魔王の漆黒の鎧が、光の粒子となって剥がれ落ちていく。その下から現れたのは、かつて絶望に呑まれる前の、一人のひ弱な青年の魂だった。
「……あ、あぁ。……そうか。私は、ただ……誰かに、愛して欲しかっただけ、だったのか……」
魔王の魂が、210人の慈悲深い光に包まれ、静かに昇天していく。
同時に、魔界全土を覆っていた闇が、完全に払われた。空には、現実の世界ではあり得ないほど巨大な、210色の虹が架かる。
「……終わったのね、ユートス様」
アリエルが、戦い終わった戦士の顔ではなく、一人の愛に飢えた女の顔でユートスの胸に飛び込む。
「ええ。……これからは、もう誰も私たちを邪魔する者はいないわ。……ねえ、ユートス。約束したわよね? 戦いが終わったら、210人全員と……最高の『初夜』を過ごすって」
リリアが、少し上気した顔でユートスの耳元で囁く。
210人の嫁たちの視線が一斉にユートスへと注がれる。それは魔王の殺圧よりも遥かに熱く、抗いがたい欲望の渦だった。
「……ああ。約束だ。……魔王を倒すことなんて、前座に過ぎない。……俺たちの本当の物語は、この210人の『家族』で、世界一幸せな楽園を築くことから始まるんだからな」
ユートスは210人の美女を腕に抱き、浄化された魔界の空へと舞い上がった。
かつて王都を追放された孤独な男は、今、世界の理を愛で書き換えた「真の全能者」として、伝説の完結へと舵を切った。
【作者からのお願い】
魔王をも幸福で飲み込んだユートスの愛!ついに「敵」がいなくなった今、物語は210人の嫁たちとの濃密すぎる「建国と愛の日々」へと突入します!このインフレした幸せを最後まで見届けたい方は、ぜひ**【ブックマーク】と【評価(★★★★★)】**をよろしくお願いします!あなたの応援が、ユートスの210人エスコートのスタミナになります!




