第69話:国王の廃位と、210人の「新世界宣言」
王都アステリアの広場には、今やかつてないほどの群衆が集まっていた。
中央の演壇に座らされているのは、ボロボロになった王冠を被らされた国王と、その臣下たち。
対する俺は、210名の花嫁を背後に従え、空中を歩いて彼らを見下ろした。
「……国王陛下。いや、もう陛下とは呼べないな。……貴方は、魔王軍が来た時、真っ先に民を見捨てて地下へ隠れた。……そんな男に、この国を治める資格はない」
「ひ、ひぃっ……! ユートス、許してくれ! 全てはあの枢機卿が吹き込んだことなのだ! 私は……私は貴様を評価していたのだぞ!」
見苦しく言い逃れをする国王に、民衆から一斉に石が投げつけられた。
「嘘をつけ!」「ユートス様を追い出したバカ国王め!」「俺たちを見捨てた癖に!」
俺は手を上げ、民衆の声を静めた。
「……俺は、この国の王座に興味はない。……だが、俺の家族がこの世界で笑って暮らすためには、不必要な『ゴミ』は片付けておく必要がある」
俺が指を鳴らすと、国王の頭から王冠がひとりでに浮かび上がり、俺の足元へと転がった。
「――本日をもって、アステリア王国は消滅する。……これからは、俺と、ここにいる210人の家族が世界のルールだ」
『条件達成:旧国家の解体。……固有スキル【創世の王】が発動。……王都アステリアが「ハーレム帝国」の最初の領土として上書きされます』
その瞬間、古びた王都の街並みが、光に包まれて近代的な、かつ魔法の楽園のような美しい都市へと再構築されていく。
泥水は清らかな泉に、朽ちた壁は白銀の城壁に。
民衆たちはその奇跡を目の当たりにし、もはや恐怖ではなく、神を崇めるような熱狂を持って俺の名前を呼び始めた。
「ユートス! ユートス! 真の王、ユートス様!!」
「……みんな、ありがとうな。……追放されたあの日は、本当に辛かった。……でも、そのおかげで俺は、世界で一番大切な210人の家族に出会えた」
俺は隣に立つリリアとアリエルの手を握り、空を見上げた。
暗雲は完全に消え去り、そこには210人の嫁たちが放つ虹色のオーラが輝いている。
アレスは、既に正気を失い、道端で笑いながら砂を食べていた。
国王たちは、民衆の手によって国外へと追放されていった。
かつての復讐は、今、ここに完結した。
「……さあ、復讐は終わりだ。……次こそ、この世界の本当の敵、魔王を片付けに行こうか」
210人の絆は、今や一つの「神」に近い存在となっていた。
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